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名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません

国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、愛知県内に262か所。そのうち名古屋市は40か所で、県内でいちばん多い数です。

区ごとに数えると、南区が6か所、西区・港区・守山区が5か所ずつと並びます。ところが千種区と昭和区には、40か所のうち1か所も入っていません。

2026年9月8日の夕方、1時間に104.5ミリの雨が観測されました。観測したのは千種区にある名古屋地方気象台です。1890年から続く観測で、これがいちばん多い数字でした。

この記事でわかること

  •  国の道路冠水注意箇所は愛知県262か所、名古屋市は県内最多の40か所
  •  40か所は13の区に散らばり、千種区と昭和区にはゼロ
  •  標高はマイナス0.3メートルから54.3メートルまで、9か所は1メートル未満
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箇所数は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【愛知県】」を1行ずつ数えたものです。名称と住所は40件の個別箇所説明表を1枚ずつ開いて拾いました。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、その地点そのものの高さではありません。
目次

40か所は13の区にあります。千種区と昭和区にはありません

名古屋市16区の道路冠水注意箇所の数を区ごとに並べた図
南区6か所が最多。千種区・中村区・昭和区は先頭に出てきません

中川区と緑区が4か所、北区3、東区と熱田区が2、中区・瑞穂区・名東区・天白区が1ずつ。中村区は先頭には出てきませんが、「西区枇杷島町~中村区枇杷島町」のように道の反対の端として3か所に出てきます。どこにも名前が出てこないのは、千種区と昭和区の2つです。

この2区が安全だという話ではありません。9月8日に1時間104.5ミリを記録したのは千種区の気象台で、同じ日の夕方には香流川の水位が上がり、千種・守山・名東の学区に緊急安全確保が出ています。

このリストは「どこが浸かるか」の予想ではなく、「くぐる道がどこにあるか」の目録です。坂の多い区に低い箱が少ないのは当たり前で、それは雨が降らないという意味ではありません。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

緊急脱出用ハンマー シートベルトカッター付(JIS規格適合品)

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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標高はマイナス0.3メートルから54.3メートルまで

名古屋市の道路冠水注意箇所のうち標高の低い12か所を並べた図
港区善進本町のマイナス0.3メートルが最低。1メートル未満が9か所あります

40か所の住所を標高データに通すと、いちばん低いのは港区善進本町のマイナス0.3メートル。あおなみ線をくぐる「荒子川公園西・あおなみ線アンダーパス」です。いちばん高いのは天白区梅が丘の54.3メートルで、国道153号。幅は54.6メートルあります。

低いほうに固まっているのは港区・中川区・南区です。1メートルより低い場所が9か所、3メートルより低い場所が16か所、40のうち27か所は10メートル未満でした。いっぽうで名東区上社の39.1メートルのように高い土地にもあります。まわりより低く掘り下げてあれば、標高が高くても水はたまります。

制限高の標識が掛かった、線路の下へ下っていく日本の道路
制限高の標識が掛かった、線路の下へ下っていく日本の道路(写真: Pexels)

名前は一覧には出てきません

国の一覧に並んでいるのは、路線名(「藤前第36号線」など)と地先名だけで、どこの何を指すのか分かりません。ところが1か所ごとの説明表を開くと「アンダーパス等名称」という欄があります。40か所のうち33か所には、そこに名前が書いてありました。

名前 参考標高
西区 清洲JCT(ジャンクション)東アンダーパス 3.9m
中川区 名古屋西IC(インターチェンジ)アンダーパス 0.2m
中川区 江川線尾頭橋ガード下 0.9m
港区 藤前公園北・国道23号アンダーパス 0.4m
南区 天白川右岸・JR線アンダーパス 1.2m
名東区 上社駅西・国道302号アンダーパス 39.1m

名前を読むと、何の下をくぐるのかが分かります。数えると、鉄道の下が9か所(JR線が7、JR東臨港線とあおなみ線が1つずつ)、国道の下が4か所、高速道路のインターチェンジとジャンクションが2か所でした。

33の名前のうち、32は「アンダーパス」「ガード下」「地下横断歩道」のどれかです。1つだけ違うのが北区の「庄内川右岸洗堰道路」で、これはくぐる道の名前ではありません。県道松河戸西枇杷島線の、庄内川ぎわの道です。

残る7か所には名前がなく、欄に地名が入っているだけでした。そのうち2か所は、国が直接管理している国道302号(北区五反田町)と国道153号(天白区梅が丘)です。

7か所は、車が通れない道です

40か所を名前と路線名で分けていくと、人と自転車しか通れない場所が7つ出てきます。

  • 比良地下横断歩道(西区比良二丁目・標高5.0m)
  • 堀田通8丁目地下横断歩道(瑞穂区堀田通・1.6m)
  • 本星崎駅南地下横断歩道(南区阿原町・1.5m)
  • 中井排水路歩行者アンダーパス(南区本城町・5.2m)
  • 守山区役所志段味支所南地下横断歩道(守山区下志段味・38.5m)
  • 有松駅東歩行者アンダーパス(緑区鳴海町・21.9m)
  • 元塩町自転車歩行者道第1号線(南区本地通五丁目・1.4m)

駅の名前が付いているものが3つあります。毎日くぐっている人がいる道です。車なら引き返せますが、歩いて階段を下りたあとでは、戻るのに同じ深さを歩くことになります。

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水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
傘をさした人が、明かりのついた高架の下を歩いている
傘をさした人が、明かりのついた高架の下を歩いている(写真: Pexels)

国が管理しているのは2か所だけです

令和8年8月の全国緊急点検で調べた直轄国道102か所の地方整備局別の内訳
千葉の事案を受けた緊急点検。102か所のうち3か所で異常が見つかりました

名古屋市の40か所を道の種類で分けると、市町村道が32、県道が6、国道が2。国が直接管理しているのは、さきほどの2か所だけです。

この区分は、8月に行われた点検の対象とそのまま重なります。令和8年8月13日、国道16号の千葉市中央区村田町のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省によると、原因は「非常用電源設備の不作動」。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。

これを受けて8月14日から、全国の直轄国道にあるアンダーパスなど102か所が緊急点検されました。8月21日に公表された結果は、3か所で異常あり。中部地方整備局の対象は10か所で、そのうち1か所に異常が見つかっています。近畿と沖縄の2か所には「補修済み」と書かれていますが、中部の1か所には書かれていません。

補修が終わるまでのあいだは、事前通行規制や、停電時にすぐ手で切り替えられる体制で対応すると書かれています。それがどこのアンダーパスなのかは、公表されていません。

そして、この102か所に市道と県道は1つも入っていません。名古屋市の38か所は、市と県がそれぞれ見ています。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

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内水の地図は、市のサイトに16区ぶんあります

川があふれる洪水の地図と、下水道が追いつかなくなる内水の地図は別ものです。全国のハザードマップをまとめて見られる国の地図サイトに内水の区域が載っているのは63市町村だけで、愛知県からは安城市・西尾市・尾張旭市・豊山町の4つ。名古屋市は入っていません。

ただし名古屋市は、自分のサイトに16区ぶんの「雨水出水浸水想定区域図」を置いています。浸水の深さと、水が引くまでの時間の図が区ごとに1枚ずつあります。

名古屋駅の周辺には、もうひとつ別の仕組みがあります。市は地下街の雨水を流す「江川幹線」を水位周知下水道に指定し、管の中の水位が決められた高さに達したら地下街の管理者へ知らせることにしました。令和4年6月7日からの運用です。

市の上下水道局は、浸水対策のねらいをこう書いています。

原則1時間60ミリの降雨に対応するため、雨水ポンプの増強や、雨水貯留施設の整備、管きょの増強を行い、これにより名古屋地方気象台における過去最大の1時間97ミリの降雨(東海豪雨時の記録)に対して、床上浸水の概ね解消を目指しています

その「過去最大の1時間97ミリ」は、2000年9月11日の東海豪雨のときの記録です。9月8日の104.5ミリは、これを7.5ミリ上回りました。1日の雨量のほうは、いまも東海豪雨の428.0ミリが1位のままです。

\自分の区の図を開く/

名古屋市の雨水出水浸水想定区域図を見る ›

16区ぶんのPDF(ピーディーエフ)が並んでいます。浸水の深さと、水が引くまでの時間の2種類です

この住所は浸水しやすい場所ですか

名古屋市では、洪水と内水と道路の冠水で見る資料が分かれています。1枚ずつ確かめるのは手間なので、住所を入れるだけで洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。

\住所を入れるだけ 5秒で出ます/

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もし車で水に入ってしまったら

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です

アンダーパスに共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。

JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの市はどうなっているか

同じ手順で、愛知県内のほかの市も1つずつ調べています。リストの書き方は同じでも、出てくる答えは市ごとに変わります。

この記事のまとめ

名古屋市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは40か所。愛知県262か所のうちでいちばん多く、13の区に散らばっています。標高はマイナス0.3メートルから54.3メートルまでで、9か所は1メートルより低い土地でした。33か所には名前があり、9か所は鉄道の下、7か所は人と自転車しか通れない地下道です。

そして千種区と昭和区には、1か所も載っていません。その載っていない区で、9月8日に1時間104.5ミリが降りました。

公式出典

  • 国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【愛知県】」262か所と、個別箇所説明表のうち名古屋市分40件
  • 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」別紙1(令和8年8月21日)
  • 名古屋市「雨水出水浸水想定区域の指定」「江川幹線 雨水出水浸水想定区域(水位周知下水道)」
  • 名古屋市上下水道局「東海豪雨や平成20年8月末豪雨等を受けての対策」
  • 気象庁「名古屋 観測史上1〜10位の値」(統計期間1890年7月〜2026年9月)
  • ハザードマップポータルサイト「内水浸水想定区域 掲載状況一覧」63件
  • 国土地理院 住所検索API・標高API
  • JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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