国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、三重県内に239か所。数えてきた県のなかで、飛びぬけて多い数字です。
この239か所には、三重県が出している一覧のほうに「交差施設」という欄があります。何の下をくぐる道なのかを書く欄です。ところが、そこが「-」で埋まっている箇所が118もありました。
県内の半分近くは、何かの下をくぐる道ではありません。ふつうの道が浸かる場所として名前が挙がっています。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は三重県239か所、うち津市は22か所
- ✓ 県内239か所のうち118か所は「交差施設」の欄が「-」=くぐる道ではない
- ✓ 県内最多は松阪市の27か所で、津市は2番目
箇所数は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【三重県】」と、三重県「道路冠水想定箇所一覧表」(令和7年12月1日)をそれぞれ1行ずつ数えたものです。どちらも239か所で一致しました。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値です。
三重県は239か所。県内最多は松阪市

| 市町 | 箇所数 |
|---|---|
| 松阪市 | 27 |
| 津市 | 22 |
| 熊野市 | 20 |
| 鈴鹿市 | 17 |
| 志摩市 | 16 |
| 度会町 | 15 |
| 伊賀市 | 14 |
| 四日市市・名張市 | 各13 |
| 桑名市 | 12 |
| 伊勢市 | 11 |
| そのほか14市町 | 各1〜7 |
25市町で239か所。同じように数えた岡山県が85、滋賀県が100、岩手県が80でしたから、三重県だけ桁が違います。
数が多い理由は、交差施設の欄を見ると見当がつきます。上位に並ぶのは国道23号26か所、国道42号(松阪多気バイパス)8か所、国道1号7か所、近鉄大阪線7か所。南北に長い県を、国道と私鉄が何本も縦に貫いていて、それをくぐる道が各地にあるという形です。
そして残りの118か所が「-」。ここが三重県のいちばんの特徴です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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津市の22か所は、県の12と市の10に分かれます

三重県の一覧では、管理番号が「県(津)1〜12」と「津1〜10」に分かれています。前者が三重県の管理、後者が津市の管理です。
まず津市が管理する10か所。
| 箇所名 | 何の下か | 住所 | 参考標高 |
|---|---|---|---|
| 津インターチェンジ(2か所) | 伊勢自動車道 | 安東町 | 10.1m |
| 中勢バイパス(安東町) | 国道23号 中勢バイパス | 安東町 | 10.1m |
| 中勢バイパス(長岡町) | 国道23号 中勢バイパス | 長岡町 | 12.4m |
| 中勢バイパス(大里窪田町) | 国道23号 中勢バイパス | 大里窪田町 | 14.9m |
| 国道23号(河芸町中瀬・2か所) | 国道23号 | 河芸町中瀬 | 2.6m |
| 国道23号(栗真町屋町) | 国道23号 | 栗真町屋町 | 2.4m |
| 国道23号(雲出本郷町) | 国道23号 | 雲出本郷町 | 2.1m |
| JR・近鉄アンダーパス(半田) | JR紀勢本線・近鉄名古屋線 | 半田 | 14.6m |
10か所とも、何かの下をくぐる道でした。国道23号とそのバイパスが7か所、伊勢自動車道が2か所、JRと近鉄が1か所です。
いっぽう三重県が管理する12か所は様子が違います。古河ガード(東古河町)がJR紀勢本線・近鉄名古屋線の下、安濃川と穴倉川の合流部(小舟)が伊勢自動車道の下。残り8か所は交差施設が「-」で、久居消防署前、須ヶ瀬郵便局付近、竹原、太郎生、久居北口町、一志町八太、一志町大仰、河芸町北黒田といった地名だけが並びます。
市が持っているのは「くぐる道」、県が持っているのは「そうではない道」が中心。同じ市の中で、性格の違う2種類が混ざっています。

標高は2.1メートルから110メートルまで
津市の22か所の住所を標高で引くと、幅がとても大きいことが分かります。
- 海側 雲出本郷町2.1メートル、栗真町屋町2.4メートル、河芸町中瀬2.6メートル、東古河町4.1メートル
- 市街地 殿村9.0メートル、安東町10.1メートル、長岡町12.4メートル、半田14.6メートル、久居北口町19.0メートル
- 山側 一志町大仰68.3メートル、美杉町竹原110.4メートル
国道23号沿いの海側4か所は、いずれも標高3メートル前後。いっぽう美杉町竹原は110メートルで、津市の中だけで100メートル以上の差があります。
合併で市域が広がった市では、同じ市の名前で検索しても土地の性格がまったく違う、ということが起きます。自分の通る道がどちら側なのかで、警戒するものが変わります。
県の一覧には、電話番号まで載っています
三重県の一覧(令和7年12月1日)には、国のリストに無い情報が3つ入っています。
- 箇所名(「古河ガード」「津インターチェンジ」など)
- 交差施設(何の下をくぐるか)
- 道路管理者・警察署・消防署の電話番号
津市の箇所なら、道路管理者は津建設事務所または津市、警察署は津警察署、消防署は津市消防本部と、箇所ごとに書き分けられています。さらに1か所ずつ「箇所表」というPDF(ピーディーエフ)が付いていて、地図と写真が見られます。
国のリストを開いて住所しか出てこないときは、県のページを見ると中身が出てくる。この関係は三重県だけでなく、高知県や山形市でも同じでした。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月13日、国道16号の千葉市中央区村田町のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省の発表によると、原因は「非常用電源設備の不作動」と考えられています。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
これを受けて8月14日から、全国の直轄国道にあるアンダーパスなど冠水のおそれがある102か所が緊急点検されました。8月21日に公表された結果は、3か所で異常あり。中部の対象は10か所で、そのうち1か所に異常がありました。
三重県の239か所のうち国道は31か所。ただし点検の対象は国が直接管理する直轄国道だけなので、県道88か所・市町村道106か所はこの102か所に入っていません。
この住所は浸水しやすい場所ですか
津市の場合、洪水は県の浸水想定区域図、土砂はまた別、道路の冠水は県の一覧です。自分の住所について1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間です。
住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

アンダーパスに共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。リストの書き方が県によって違うので、出てくる答えも変わります。
- 安城市 冠水 どこが危ないの? 台地の上なのに県内4番目の14か所、新幹線の下が1か所あります
- 大垣市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は17か所です
- 浜松市 冠水 どこが危ないの? 国のリスト39か所は県内最多、34か所が標高6.5メートル以下の南側にあります
- 京都市 冠水 どこが危ないの? 44か所のうち34か所は、線路の下をくぐる道です
この記事のまとめ
津市で道路が冠水しやすい場所として名前が挙がっているのは22か所。津市が管理する10か所は全部が国道23号・伊勢自動車道・JRと近鉄のどれかの下で、三重県が管理する12か所は8か所が「くぐる道ではない」場所でした。
三重県全体の239か所も、半分近い118か所は交差施設の欄が「-」。アンダーパスだけを警戒していると、三重県では半分を見落とすことになります。県の一覧には箇所ごとの地図と連絡先が付いているので、通る道のぶんだけ先に開いておくと早いです。
公式出典
- 国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【三重県】」(道路防災情報Webマップ)
- 同 個別箇所説明表 三重県-02-049〜113ほか
- 三重県 県土整備部「道路冠水想定箇所一覧表」(令和7年12月1日)
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」(令和8年8月21日)
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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