国が「ここは道路が冠水しやすい」と名前を出している場所は、宮崎県内に33か所あります。そのうち宮崎市が16か所。県全体の48%が県庁所在地に集まっています。
この16か所を並べて、場所の欄で手が止まりました。5か所の名前が「徳ヶ渕ポンプ場」「鏡ポンプ場」「恒久ポンプ場」「新川ポンプ場」「西新町ポンプ場」なのです。
ほかの県のリストには、町名か「○○アンダーパス」という通称が入ります。排水ポンプ場の名前がそのまま地先名になっているのは、この県だけでした。
この記事でわかること
- ✓ 宮崎県33か所のうち宮崎市は16か所。県全体の48%
- ✓ 16か所のうち5か所は地先名が「○○ポンプ場」。5か所とも県道
- ✓ 16か所の参考標高は4.0メートルから32.7メートル。市役所そばの橘通東一丁目が4.9メートル
箇所数は国土交通省 九州地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【宮崎県】」を1行ずつ数えたものです。表の最後に中身が全部空の行が1つ入っているので、行数で数えると34になります。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、冠水地点そのものの標高ではありません。
宮崎県33か所のうち、16か所が宮崎市

| 市町 | 箇所数 |
|---|---|
| 宮崎市 | 16 |
| 都城市 | 5 |
| 延岡市 | 5 |
| 三股町 | 3 |
| 川南町 | 1 |
| 門川町 | 1 |
| 小林市 | 1 |
| 日向市 | 1 |
8市町で33か所。宮崎市の16か所の内訳は市道10・県道6です。
ほかの県と比べると、県庁所在地への集まり方が際立ちます。福岡県は福岡市45か所で県全体の30%、熊本県は熊本市11か所で7%。宮崎県は48%が宮崎市です。
読者
宮崎市に集まっているのは、市が危ないからですか
そう決めつけられません。このリストは鉄道や道路をくぐる道、それに排水ポンプ場まわりの名簿に近いもので、そういう場所が多い市は数も多くなります。宮崎市は市域が広く、市のハザードマップが6町域に分かれるくらい佐土原・田野・高岡・清武まで含んでいます。そのぶんも効いています
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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5か所の名前が「ポンプ場」

| 地先名又は通称名 | 路線名 | 住所 |
|---|---|---|
| 徳ヶ渕ポンプ場 | 一般県道塩路佐土原線 | 佐土原町大字下田島徳ヶ渕2139-1 |
| 鏡ポンプ場 | 一般県道宮崎港宮崎停車場線 | 東大淀1丁目126-1 |
| 恒久ポンプ場 | 一般県道中村木崎線 | 大字恒久字原池田4241 |
| 新川ポンプ場 | 一般県道清武停車場線 | 清武町正手2丁目30-7 |
| 西新町ポンプ場 | 主要地方道高岡郡司分線 | 清武町正手1丁目50-1 |
5か所とも県道です。市道は1つもありません。
排水ポンプ場は、低い土地にたまった水を川へ汲み出すための施設です。その名前が道路の冠水注意箇所の欄に並ぶということは、ポンプで汲み出さないと水が引かない場所に、県道が通っているということになります。
宮崎県の説明表には、福岡県や熊本県の様式にある「関連設備」「冠水履歴」の欄がありません。そのため、この5か所のポンプの能力や、実際に何回冠水したかは、このリストからは分かりません。
残る11か所は、くぐる道と市道
ポンプ場以外の11か所は、次のようになっています。
- 県道1か所=主要地方道宮崎インター佐土原線(一ツ葉有料道路 南線)の山内トンネル(大字田吉字吹地)
- 市道10か所=徳ヶ渕福島線、大炊田久峰通線、飯田通線、下北方通線、大島線、川原通線(2か所)、曽井1号線、恒久源藤線、高山柳籠線
市道で目を引くのが川原通線の2か所です。1つは吾妻町7-1で「JR日豊本線下」、もう1つは吾妻町123-1で「市道昭和通線下」。同じ路線名で、くぐる相手が線路と道路に分かれています。

標高は4.0メートルから32.7メートル

住所検索が入力と一致した12地点について、国土地理院の標高データで引きました。
いちばん低いのは東大淀一丁目(鏡ポンプ場)の4.0メートル。田吉(山内トンネル)4.1メートル、吾妻町(川原通線)4.6メートルと続きます。いちばん高いのは高岡町飯田(飯田通線)の32.7メートルでした。
参考までに、市役所そばの橘通東一丁目は4.9メートル。低いほうの箇所は、市の中心部と同じ高さに並んでいます。
いっぽうで、清武町正手一丁目(西新町ポンプ場)が20.4メートル、正手二丁目(新川ポンプ場)が21.6メートル。ポンプ場が付いている場所が、必ずしも低いわけではありません。まわりから水が集まってくるかどうかのほうが効いています。
標高は住所検索で得た代表点の値です。同じ町名のなかでも場所によって上下します。⚠️ 国土地理院の住所検索は、入力した地名が見つからないと近い別の場所を黙って返すことがあります。ここでは返ってきた住所が入力と一致したものだけを使い、一致しなかったものは返ってきた表記で引き直してから使っています。

この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
市のハザードマップに、内水の図は並んでいない
宮崎市は洪水ハザードマップを公開しています。市の説明を読むと、作り直した経緯まで書かれています。
平成27年5月に水防法が改正され、洪水浸水想定区域図の前提となる降雨規模が「想定しうる最大規模」に変更されました。このことを受けて、河川管理者である国(H28.8月)及び県(H31.3月)において、それぞれ洪水浸水想定区域の見直しが行われたため、令和2年度に洪水ハザードマップの改訂を行いました
冊子版のハザードマップは6町域(中心部・北部、南部、佐土原、田野、高岡、清武)にわけて作成しております
市域が広いので、冊子は6つに分かれています。自分がどの冊子に載るかを先に確かめる必要がある、ということでもあります。
そして、このページに並んでいるのは洪水・津波・高潮の3つです。内水(雨水出水)のハザードマップは置かれていません。同じ宮崎県では、都城市が雨水出水浸水想定区域を指定して公表しています。
ここで言えるのは「市のハザードマップのページに内水の図が並んでいない」ということだけです。市が内水の想定をどこか別の場所で出している可能性までは確かめられていません。
この住所は浸水しやすい場所ですか
宮崎市の場合、洪水・津波・高潮とハザードマップが分かれていて、内水は市のページに並んでいません。自分の住所について1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間になります。
住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

ポンプ場のまわりも、トンネルも、線路の下も、共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。リストの書き方が県によって違うので、出てくる答えも変わります。
- 京都市 冠水 どこが危ないの? 44か所のうち34か所は、線路の下をくぐる道です
- 和歌山市 冠水 どこが危ないの? 5か所ぜんぶに排水ポンプ、うち4か所に冠水実績があります
- 熊本市 冠水 どこが危ないの? 国のリストは11か所、市民が作った地図は462枚
- 久留米市 冠水 どこが危ないの? 国のリスト9か所は、全部が線路か道路をくぐる道でした
この記事のまとめ
- 国の道路冠水注意箇所で、宮崎県は33か所。宮崎市は16か所で県全体の48%
- 宮崎市の内訳は市道10・県道6
- 16か所のうち5か所は、地先名が「徳ヶ渕ポンプ場」「鏡ポンプ場」「恒久ポンプ場」「新川ポンプ場」「西新町ポンプ場」
- その5か所は5か所とも県道。市道は1つもない
- 残る11か所は、一ツ葉有料道路の山内トンネルと市道10か所
- 市道の川原通線は2か所あり、片方はJR日豊本線の下、もう片方は市道昭和通線の下
- 参考標高は4.0メートルから32.7メートル。市役所そばの橘通東一丁目は4.9メートル
- ポンプ場の5か所は4.0メートルから21.6メートルまで散らばり、低い場所とは限らない
- 宮崎県の説明表には「関連設備」「冠水履歴」の欄が無く、設備や実績は読み取れない
- 市のハザードマップのページに並んでいるのは洪水・津波・高潮で、内水の図は置かれていない
公式出典
- 国土交通省 九州地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【宮崎県】」(道路防災情報Webマップ)
- 同 個別箇所説明表 宮崎県-02-001〜005/007〜015/057/059
- 宮崎市「宮崎市洪水ハザードマップについて」
- 都城市「雨水出水浸水想定区域を指定しました」
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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