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射水市はなぜ水が引きにくいのか 平野は1キロ進んで46センチしか下がりません

🗨️「射水市も避難指示が出たけど、うちの地域は水がたまりやすい場所なの?」

射水市の平野は、1キロ進んで46.4センチしか標高が下がりません。入ってきた水が横へ流れて出ていくのに時間がかかる側の地形です。ただしこれは地形の話で、浸水の予測ではありません。

[災害] この記事の要点

何が起きたか

気象庁は2026年8月27日、石川県能登地方南部と富山県西部に大雨特別警報(警戒レベル5)を発表した。射水市は同日7時32分、橋下条・金山・三戸田地区に避難指示を発令。小矢部川の長江観測点(高岡市)が同日13時ごろに氾濫危険水位へ達する見込みとして、高岡市・小矢部市・射水市に氾濫のおそれが示された。

発表日・更新日

2026年8月27日 発表 (2026年8月28日 更新)

影響を受ける人
  • 射水市で自宅や実家の水害リスクを調べたい人
  • 射水市の低地で土地・中古住宅の購入を検討している人
  • 小矢部川・庄川の下流で暮らす人

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目次

先に結論 平野は1キロで46.4センチしか下がらない

射水市の住宅地の標準地15地点の標高を1点ずつ測り、いちばん低い地点を起点に630メートル間隔で断面を引きました。出てきた数字がこれです。

区間距離標高差勾配
射水市の沖積平野8.19km3.8m1/2,155(1kmで46.4cm)
大網白里市(物差し・同じ自動計測)1/1,071(1kmで約93cm)

1キロ歩いて46.4センチ。ペットボトル1本ぶんの高さもありません。しかも8.19キロの区間のあいだ、標高の振れは4.2メートルしかありませんでした。射水市の平野は、千葉県大網白里市の半分しか下がらないということになります。大網白里市は2026年8月に「水がなかなか引かない」と報じられた土地で、このシリーズで物差しに使っている場所です。

i 測ったのは地形です。浸水の予測ではありません。実際にどこが浸かるかは、射水市が出している洪水・内水のハザードマップを見てください。

なぜ引きにくいのか

水が引くというのは、低いほうへ流れて出ていくことです。その速さは高低差で決まります。坂がきついほど速く出ていき、平らなほど遅く残るという、それだけの話です。

射水市の平野は1キロで46.4センチ。同じ量の水が入ってきたとき、傾きが半分なら、押し出す力も半分になります。ポンプで汲むか、時間をかけて地面にしみ込ませるかしかありません。庄川と小矢部川という2本の大きな川の河口に広がった土地なので、川の水位が高いあいだは行き先そのものが塞がります。

読者

うちは川からは離れているんですが、それでも関係ありますか。

おかあさん

川からの距離より、まわりより低いかどうかのほうが効きます。平らな土地では、たまる場所は川ではなく地面の形が決めます。

被害の出かたも「深く」ではなく「広く薄く」だった

国土交通省の水害統計調査で、射水市の2015年から2023年の9年ぶんを数えました。

項目9年の累計
被害があった年3年(2017・2018・2023)
床上浸水1棟
床下浸水43棟
半壊・全壊流失0棟
被害額約5.5億円

床上まで来たのは9年で1棟だけです。かわりに床下が43棟あり、そのうち34棟は2023年の1年に集中しています。この年だけで被害額は約3.8億円でした。

深く来るのではなく、低いところへ広く薄くたまる。1キロで46.4センチという地形の数字と、被害の出かたが同じ向きを指しています。床下浸水は保険でも報道でも軽く扱われがちですが、床下に水が入れば断熱材と土台が濡れ、乾かすのに日数がかかります。

市内のどこが低いのか

住宅地の標準地15地点を、標高の低い順に並べたものです。市全体ではなく、あくまで標準地が置かれた地点の値です。

標高所在価格(円/m²)
1.1m本町1丁目18,600
1.2m七美2丁目12,800
1.6m三日曽根29,400
1.7m加茂中部14,000
3.7m戸破字神田37,200
4.5m三ケ(中央値の地点)38,200
19.2m中太閤山2丁目34,800
27.9m中太閤山17丁目45,300

最低の本町1丁目が1.1メートル、最高の中太閤山17丁目が27.9メートルで、同じ射水市のなかに26.8メートルの差があります。中央値は4.5メートルなので、標準地の半分は5メートルより低いところにあることになります。

ここで注意したいのは、値段の読み方です。低い地点が安く、高い地点が高い、という並びには見えません。1.1メートルの本町1丁目が18,600円で、1.6メートルの三日曽根が29,400円です。水につかりやすさに値段がついていない、というのが正確な言い方だと私は考えています。駅や商店が集まっているのは昔から人が住んできた低いところで、値段はそちらの都合で決まっているからです。

読者

じゃあ標高が低い土地は買わないほうがいいんですか。

おかあさん

そこまでは言えません。低くても対策のしてある土地はあります。ただ、値段には出てこない情報なので、自分で調べるしかないという話です。

自分の土地がどっちかを無料で確かめる

お金をかけずに、今日のうちに確認できるものだけを挙げます。

  • 重ねるハザードマップ(国土地理院)… 住所を入れると、その地点の標高と、洪水・内水・土砂の想定が重なって表示されます
  • 土地条件図(国土地理院)… その土地がもともと自然堤防なのか、後背湿地なのか、埋立地なのかが色分けされています
  • 明治期の低湿地(国土地理院)… 明治時代に湿地だった場所が塗られています。造成前の姿がわかります
  • 射水市の洪水・内水ハザードマップ… 川があふれる想定と、雨水が排水しきれない想定は別ものです。両方見ます
  • 道路冠水想定箇所図… 通勤路のアンダーパスが載っていることがあります

順番としては、まず重ねるハザードマップで標高を見て、次に土地条件図で成り立ちを見る、の2つだけでも景色が変わります。5メートルより低いのか高いのかは、この記事の表と並べれば市内での位置づけがつかめます。

このエリアの相場はいくらですか?

住所を入れるだけ。射水市の実際の成約113件(国土交通省)から、土地・戸建て・マンションの坪単価の目安が5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。

集計条件

国土数値情報「地価公示」2026年のうち用途が住宅の標準地を抽出し、各地点の緯度経度を国土地理院の標高API(5メートルレーザ測量のDEM(数値標高モデル))にかけて標高を取得しました。富山県射水市は15地点です。断面は最も標高の低い標準地を起点に、その軸上を630メートル間隔で測りました。標準地の位置での値であり、市内すべての土地を表すものではありません。上流側(台地)の勾配は、この経路では方位が反転しうるため出していません。

水害の棟数と被害額は、国土交通省「水害統計調査」の市区町村別水害被害(表-3)を2015年から2023年まで集計しました。棟数は建物の被災棟数、被害額はその年の価格です。2024年以降は確報が未公表のため含みません。

生活・仕事にどう効くか

  • 水が引くまでの時間:射水市の平野は1キロで46.4センチしか下がらない。物差しにしている千葉県大網白里市(1キロで約93センチ)の半分で、同じ量の水が入ってきたときに横へ抜けるのが遅い側になる。
  • 被害の出かた:2015年から2023年の9年間で、射水市の床上浸水は累計1棟に対し床下浸水は43棟。深く来るより、低いところへ広く薄くたまる形で出ている。
  • 土地を選ぶとき:住宅地の標準地でみると、市内の最低は1.1メートル、最高は27.9メートル。同じ射水市でも26.8メートルの差があるので、市の名前ではなく町名と標高で見るしかない。

結局どうすればよいか

  • 自分の土地の標高を、国土地理院の「重ねるハザードマップ」で確かめる(住所を入れると標高と災害リスクが重なって表示される)
  • 国土地理院の「土地条件図」と「明治期の低湿地」で、その場所がもとは何だったかを見る
  • 射水市が公表している洪水・内水のハザードマップと、道路冠水しやすい場所を合わせて見る
  • 床上まで来なくても床下に入れば復旧に日数がかかる。火災保険に水災補償が付いているかを証券で確認する

あわせて読む・調べる

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ほかに使える無料ツール

公式出典

更新履歴

  • 2026年8月28日 初版を公開

※本記事は2026年8月28日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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