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青森市の土地は町によって坪単価が4.9倍ちがいます

青森市で土地を買うとき、市全体の相場である1坪11.9万円で予算を組むと、緑では坪24.1万円なので届かず、大字新城では坪5.0万円なので大きく余ります。同じ市内の同じ1坪で4.9倍の開きです。

青森市には2024年10-12月から2025年10-12月までに246件の土地取引があり、成約3件以上の町だけで34町ぶん並びます。候補の町が決まらないうちは、「青森市の相場はいくら」という1つの数字は予算づくりのどこにも使えません。

国土交通省が公表している実際の成約価格を、町ごとに並べ直しました。候補地がこの並びのどのあたりに立つのかを先に見てください。

先に結論

  • 青森市の土地は1坪11.9万円(中央値・246件)。1区画は200㎡=60.5坪が中央値です
  • 成約5件以上の町どうしで比べると、緑24.1万円と大字新城5.0万円で4.9倍。市の1つの数字はどの町にも当てはまりません
  • 成約3件の町まで含めると、緑と大字野内3.0万円で8.0倍まで開きます。ただし3件の中央値は1件の取引で動きます
  • 大字幸畑の坪1.5万円は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場としては読めません
  • 地価公示(住宅地61地点)の中央値は12.8万円/坪。成約の11.9万円との差は-7.2%ですが、母集団が違うので値下がりの話ではありません
  • 建物込みなら中古戸建て62.6万円/坪、新築戸建て102.8万円/坪(どちらも延床坪)。土地の坪単価とは分母が違うので引き算できません
目次

青森市の土地は1坪11.9万円。1区画60.5坪で概算720万円

2024年第4四半期から2025年第4四半期までに青森市で成約した土地の坪単価は、中央値で11.9万円でした。坪単価が極端に外れた11件を除いたうえでの246件です。残った246件の幅は、1坪1.2万円から36.4万円まであります。

1区画の面積の中央値は200㎡、坪にすると60.5坪です。坪単価の中央値をこの広さに当てると、土地代は概算で720万円になります。坪単価と面積は別々に取った中央値なので、この金額で売れた1件が実在するわけではありません。予算の当たりをつけるための概算として読んでください。

不動産会社で「青森市の土地はだいたい坪11.9万円ですね」と言われたとします。市全体で見れば外れていない一言です。ただし候補地が緑にあるのか大字新城にあるのかで、同じ60.5坪でも土地代は4.9倍ちがいます。金額の話をするときは、市名ではなく町名まで下ろしてから計算してください。

町別に並べると緑24.1万円と大字新城5.0万円で4.9倍

成約3件以上の町は34あります。34本を1度に並べると読めなくなるので、成約6件以上の11町に、見出しに使った緑を足した12町を抜き出しました。位置をつかむために市全体の中央値も入れています。

24.1万
桂木21.8万
大字浜田16.9万
大字大野14.9万
桜川13.7万
篠田13.6万
大字石江12.7万
奥野12.4万
岡造道11.9万
市全体の中央値11.9万
浪館前田11.9万
小柳10.7万
大字新城5.0万

青森市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。成約3件以上の34町のうち、成約6件以上の11町と、見出しに使った緑を抜き出しました。色の薄い1本は町ではなく市全体の中央値です

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは34町のうち12町だけなので、候補地の住所で確かめてください。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

青森市の土地相場を住所から調べる(無料)

この12町でいちばん高いのは緑の24.1万円(5件)、いちばん安いのは大字新城の5.0万円(16件)で、4.9倍の差です。大字新城は34町でいちばん成約が多い町なので、1件の取引で中央値が跳ねる町ではありません。

市全体の11.9万円で予算を組むと、緑では届かず、大字新城では余ります。いっぽうで、市の中央値11.9万円にちょうど重なる町も3つあります。岡造道(8件)、花園(5件)、浪館前田(7件)で、どれも坪11.9万円です。候補地がこの3町なら、市全体の数字をそのまま予算に使えます。

取引の件数が多い町どうしでも、上下に分かれます。大字大野は13件で14.9万円、大字浜田は11件で16.9万円、篠田は10件で13.6万円、大字石江も10件で12.7万円。成約が二桁ある町だけを見ても市の中央値の上と下に散っていて、そのいちばん下に成約16件の大字新城が5.0万円で立っています。

端どうしなら8.0倍。それでも見出しに4.9倍を使う理由

住宅地として読める町の端どうしを比べると、緑の24.1万円と大字野内の3.0万円で8.0倍まで開きます。この差のほうが大きいのに、この記事が見出しに置いたのは4.9倍のほうです。

理由は成約件数です。大字野内は3件しかありません。3件の町の中央値は、1件の取引で簡単に動きます。広い土地が1つ、間口の狭い土地が1つ混ざるだけで、翌四半期には別の数字になります。資金計画の基準にするなら、緑(5件)と大字新城(16件)の4.9倍のほうを使ってください。

高い側の町も、件数は薄いままです。坪単価が20万円を超えるのは緑24.1万円、古川23.6万円、本町23.1万円、桂木21.8万円の4町ですが、このうち成約が5件以上あるのは緑と桂木の2町だけです。古川と本町は4件ずつしかありません。高い町の数字ほど、少ない件数の上に乗っていることになります。

坪1.5万円という数字を「安い住宅地」と読まない

大字幸畑は3件で坪1.5万円です。34町のうち、市の中央値11.9万円の4分の1を下回るのはこの町だけでした。

この数字には、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるための区域で、家を建てるには原則として自治体の許可が要ります。農地であれば転用の手続きが挟まります。

坪1.5万円は安い住宅地の値段ではなく、住宅地として使えない土地が混ざった数字です。

物件情報でこの水準の坪単価を見つけたときは、値段を喜ぶ前に地目と用途地域を確認する順番になります。地目と都市計画上の区分は、市の窓口か仲介会社に聞けばその場で分かります。この記事が「青森市でいちばん安い町」を見出しに置いていないのは、そのためです。

安い側でも、住宅地として読める町は別に並んでいます。浪岡大字浪岡は4件で3.6万円、大字安田は4件で5.1万円、浪岡大字女鹿沢は3件で5.3万円、西滝は4件で6.0万円です。ここに成約16件の大字新城が5.0万円で並んでいるので、坪5万円前後という価格帯そのものは青森市の実勢として読めます。読めないのは大字幸畑の1.5万円だけです。

公示価格12.8万円と成約11.9万円。これは値下がりではありません

青森市の地価公示は住宅地61地点で、坪単価の中央値は12.8万円です。実際に成約した246件の中央値11.9万円との差は-7.2%でした。

この差を「青森市の土地が下がった」と読むことはできません。公示は住宅地として選ばれた標準地を鑑定した価格、成約は実際に売れた土地の値段で、数えている対象が違います。青森市の246件には、形や間口の事情を抱えた土地も、農地や山林が混ざる町の取引も入っています。母集団の違う2つを引き算しても、時間の変化は出てきません。

そのうえで、2つの数字が近い水準に並んだこと自体には使い道があります。公示価格をそのまま予算の目安にできるかどうかは市によって違い、公示と成約が大きく離れる市では、公示を見て組んだ予算が売り出し価格と噛み合いません。青森市はその差が小さい側だと私は見ています。候補地の近くに公示の標準地があるなら、その坪単価を予算の出発点に置いても、市全体の実勢から大きくは外れません。

ただしこれは市全体をならした話です。61地点の公示を見ても、緑24.1万円と大字新城5.0万円の4.9倍は埋まりません。公示は出発点、町別の成約価格は着地点、という順で使ってください。

中古戸建て62.6万円と新築戸建て102.8万円。分母は建物の延床坪です

建物まで含めて買う場合の数字を並べます。

種別 成約価格(中央値) 件数 単価の分母
土地 11.9万円/坪 246件 土地面積
中古戸建て 62.6万円/坪 96件 建物の延床面積
新築戸建て 102.8万円/坪 23件 建物の延床面積

表の右の列を先に見てください。土地の坪単価と戸建ての坪単価は引き算できません。 土地は成約総額を土地面積で割った値、戸建ては成約総額を建物の延床面積で割った値で、割っている相手が違います。「62.6万円から11.9万円を引いた分が建物代」という読み方は成立しません。比べてよいのは、中古戸建てと新築戸建てのあいだだけです。

その中古と新築を比べると、中古戸建ての25%〜75%は36.1〜95.3万円/坪、新築戸建ては94.5〜126.0万円/坪でした。中古の上位25%の入口である95.3万円は、新築の下位25%の入口である94.5万円をわずかに上回っています。2つの価格帯はぎりぎり重なっていて、延床の坪単価だけでは新旧が分かれません。

中古戸建ての下位25%は延床坪36.1万円です。私はこの価格帯に、住む人がいなくなったまま家財が残っている家が混ざっていると見ています。青森市の中古戸建ての成約は96件、新築戸建ては23件で、市場の中心は中古のほうにあります。

実家を相続して売る側に回ったときも、同じ話が返ってきます。仲介会社に相談する前に、家具・家電・仏壇まで残った家から残置物を出す作業が挟まります。片付けが終わらないと室内の写真が撮れず、写真がないと売り出しが始まりません。ここで1社の見積もりだけを見ても、その金額が高いのか安いのかは判定できません。

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片付け費が出てはじめて、売る案と貸す案を総額で並べられます

青森市の中古マンションは1㎡19.6万円。築30年を境に景色が変わる

青森市の中古マンションは26件で、専有面積1㎡あたりの中央値は19.6万円でした。築年帯で分けると、下のように分かれます。

築年帯 件数 中央値
21-30年 5件 30.0万円/㎡
31-40年 12件 14.1万円/㎡

築21〜30年が30.0万円/㎡、築31〜40年が14.1万円/㎡です。件数が集まっているのは築31〜40年の12件のほうで、市全体の中央値19.6万円/㎡はこの2つの帯のあいだに落ちます。この築年は2026年を基準にした区切りで、築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年より前に建った物件は元のデータから外してあるので、この表には入っていません。

広さで分けると、50〜70㎡が11件で18.3万円/㎡、70〜90㎡が10件で31.0万円/㎡でした。件数はほぼ同じで、広い帯のほうが1㎡あたりも高く出ています。どちらの帯も二桁ぎりぎりの件数なので、傾向として見るだけにしてください。

借りる側の相場は、青森市の27,280件から出した1㎡あたり1,582円です。

私はこう見ています

「青森市の相場は坪いくらですか」という質問は、答えを聞いても予算づくりには使えません。緑と大字新城で4.9倍、住宅地として読める端どうしなら8.0倍、そして34町のうち1町は住宅地の数字として読めない。246件を町別に割ると、そういう形が出てきます。

私は、市の中央値11.9万円は「自分の候補地がその線の上か下か」を確かめるためだけの数字だと考えています。線そのものを予算にすると、緑では候補が出てこず、大字新城では土地に払いすぎます。

青森市のデータでもう1つ気になるのは、取引がいちばん厚い町が安い側に立っていることです。34町で成約が最も多いのは大字新城の16件で坪5.0万円、次に多いのは大字大野の13件で14.9万円です。私はこれを、青森市では「市の相場より安い町」が例外ではなく主流だという意味だと読んでいます。ここは私の読みなので、持ち帰ってほしいのは件数のほうです。

予算を決める前にやる3つのこと

  1. 町名まで決めてから坪単価を当てる。市の11.9万円ではなく、候補の町の数字で計算します。グラフに出した12町以外でも、住所を入れれば周辺の実勢から出ます。
  2. 極端に安い町は、値段の理由を先に確かめる。坪1.5万円のような水準は、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。安さの理由が土地の使い道にあるなら、それは予算の話ではありません。
  3. 中古戸建てと新築戸建ては、同じ土俵で比べる。中古62.6万円/坪と新築102.8万円/坪はどちらも延床坪の単価なので並べられます。土地の11.9万円/坪だけは分母が違うので、総額で比べてください。

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市全体をならした数字は青森市の不動産相場にまとめています。同じやり方で町別に並べ直した記事は明石市の町別の坪単価にもあります。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地246件、中古戸建て96件、新築戸建て23件、中古マンション26件
  • 土地の集計では、坪単価が極端に外れた11件を除いています。除いたあとの幅は1坪1.2万円から36.4万円です
  • 町別の集計は成約3件以上の34町のみ。見出しに使った4.9倍は、成約5件以上ある緑(5件)と大字新城(16件)で取りました。3件・4件の町の数字は1件の取引に動かされるので、傾向として読んでください
  • 1区画の広さの中央値200㎡(60.5坪)と坪単価の中央値11.9万円は別々に取った値です。掛け合わせた720万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 大字幸畑の坪1.5万円(3件)は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあるため、住宅地の相場としては扱っていません
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。中古マンションは専有面積1㎡あたりの値です。どちらも土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うため、引き算はできません
  • マンションの築年帯はデータ作成時点の2026年を基準にした区切りです。1982年より前に建った物件は元データから除外されています
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。青森市内の住宅地61地点の坪単価の中央値は12.8万円です。成約価格とは母集団が違うため、成約の中央値との差-7.2%は値上がり・値下がりを示すものではありません
  • 賃貸:青森市の27,280件から算出した1㎡あたりの中央値1,582円
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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