加古川市で実際に売買された土地は、1区画60.5坪で1,350万円でした。尼崎市の2,810万円、宝塚市の3,150万円と比べると半分以下です。しかも面積は加古川のほうが広い。
JR加古川駅から三ノ宮までは新快速で約31分。通える距離にありながら、土地の総額が半額になります。国土交通省が公表している加古川市の成約221件で、この差がどこから来ているかを見ます。
先に結論
- 加古川市の土地は1区画60.5坪・総額1,350万円(中央値・221件)
- 坪単価は21.5万円。尼崎76.0万円、宝塚62.8万円、明石42.9万円より安い水準です
- ただし町別では加古川町の33.1万円と尾上町の9.9万円で3.3倍。市の中央値は予算に使えません
- 中古マンションは築31〜40年で1㎡12.0万円。70㎡なら840万円です
- 地価公示より7.7%安く成約しています。阪神間の5市はすべて公示より高いので、逆の動きです
1区画60.5坪で1,350万円。阪神間の半分以下
同じ期間・同じ集計方法で、阪神間の各市と並べました。
| 市 | 土地の坪単価 | 1区画の広さ | 1区画の成約総額 | 件数 |
|---|---|---|---|---|
| 芦屋市 | 119.0万円 | 52.9坪 | 7,140万円 | 35件 |
| 西宮市 | 112.4万円 | 46.9坪 | 3,990万円 | 171件 |
| 伊丹市 | 79.3万円 | 37.8坪 | 3,200万円 | 97件 |
| 尼崎市 | 76.0万円 | 33.3坪 | 2,810万円 | 212件 |
| 宝塚市 | 62.8万円 | 54.5坪 | 3,150万円 | 103件 |
| 明石市 | 42.9万円 | 42.4坪 | 2,040万円 | 253件 |
| 加古川市 | 21.5万円 | 60.5坪 | 1,350万円 | 221件 |
面積がいちばん広くて、総額がいちばん安い。この表で加古川だけが両方を取っています。
尼崎の33.3坪と加古川の60.5坪では、建てられる家の形が変わります。駐車場2台と庭を取ったうえで平屋を建てる、という選択肢が現実的になるのは60坪の側です。
そのかわり通勤時間が乗ります。三ノ宮まで新快速で約31分、大阪へはさらにその先です。尼崎から通う場合と比べれば、往復で1時間近く多く電車に乗ることになります。土地代1,460万円の差を、その時間で買うかどうかという話です。
町別に並べると、加古川町33.1万円と尾上町9.9万円で3.3倍
取引が3件以上あった13の町を、坪単価の高い順に並べました。
加古川市の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の町)
自分の町の相場を調べる
加古川市は町ごとの差が3倍以上あります。候補地が決まっているなら、住所を入れてその町の実勢で計算してください。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
上と下の端は取引3件のところがあるので、件数の多い町どうしで比べます。加古川町は53件で坪33.1万円、尾上町は29件で坪9.9万円。3.3倍です。どちらも市内で最も取引の多い町なので、この差は偶然では説明がつきません。
60坪で計算すると、加古川町なら1,986万円、尾上町なら594万円。同じ市内で1,392万円の開きです。
加古川町はJR加古川駅の周辺、平岡町・野口町は東側の住宅地で、この3町だけで123件と全体の56%を占めます。加古川市で実際に動いている土地は、駅の東側に集まっています。
建物込みで見る。中古戸建ては坪81.9万円
加古川市の他の種別も並べておきます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 21.5万円/坪 | 221件 |
| 中古戸建て | 81.9万円/坪(延床) | 105件 |
| 新築戸建て | 111.9万円/坪(延床) | 52件 |
| 中古マンション | 13.8万円/㎡ | 71件 |
| 賃貸 | 1,714円/㎡ | 20,100件 |
新築戸建ての坪111.9万円は、延床30坪なら3,357万円です。尼崎の新築戸建てが坪149.6万円なので、同じ30坪の家が1,131万円安く手に入ります。
中古マンションはさらに下がります。築21〜30年で1㎡20.0万円、築31〜40年で12.0万円。70㎡の部屋が、築31〜40年なら840万円です。尼崎の同じ築年帯が1,801万円なので、半額以下になります。
中古戸建ての坪81.9万円も、下位25%は57.1万円まで下がります。延床30坪で1,713万円。土地を買って建てる案より、中古を買って手を入れる案のほうが総額で有利になる場面が多くなります。
工事費が分かると、土地から建てる案と総額で比べられます
地価公示より7.7%安い理由。私はこう見ています
加古川市の地価公示(住宅地25地点)の中央値は坪23.3万円で、実際の成約価格の中央値は21.5万円。7.7%低い数字です。
これまで見てきた市は全部が逆でした。伊丹は公示より33.3%高く、尼崎は21.7%、宝塚は18.7%、西宮は17.6%、明石は30.7%高い。加古川だけが公示を下回っています。
私はこれを「加古川の土地が値下がりしている」とは読んでいません。公示地点25か所は市街地に置かれているのに対し、成約221件には志方町や神野町のような郊外が混じるからです。母集団が違う数字を引き算しているだけ、という見方です。
そう考える根拠は町別の数字にあります。加古川町の33.1万円は公示の23.3万円を42%上回っていて、他市と同じ動き方をしています。市全体の中央値が下がるのは、坪10万円を切る町が221件のうち相応の数を占めるためです。
これは私の解釈で、データが理由まで語ってくれるわけではありません。ただ結論として使えるのは一つです。加古川では市の中央値も公示価格も予算の基準にならない。町名まで決めてから計算してください。
予算を決める前にやる3つのこと
1. 市の中央値を使わない。 坪21.5万円は加古川町では足りず、尾上町では余ります。3.3倍の差は市の平均のどこにも表れません。
2. 通勤時間を金額に換算する。 加古川駅から三ノ宮まで新快速で約31分。尼崎との土地代の差は1,460万円です。往復で増える時間を35年続ける価値があるかを、先に決めてください。
3. 60坪を前提に家を設計する。 加古川の1区画は60.5坪です。阪神間の33坪から40坪を前提にした間取りをそのまま持ち込むと、土地が余ります。庭・駐車場・平屋まで含めて考えたほうが、この広さは活きます。
加古川市の学区を町名から調べる
加古川市の不動産相場をまとめて見る
どちらもこのサイトのページです。登録も入力も要りません
隣の市と比べたい人は明石市の土地は40坪1,084万円から4,696万円と三田の土地は69.6坪で1,672万円をどうぞ。同じ集計方法で並べています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地221件、中古戸建て105件、新築戸建て52件、中古マンション71件
- 坪単価・区画の広さ・成約総額は、それぞれ独立に中央値を取った数字です。3つを掛け算しても一致しません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。件数が少ない町の中央値は1件の影響を受けやすいので、本文では53件と29件の町どうしで比較しています
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 中古マンションは1982年以降に建てられた物件に限定。築年数は2026年を基準に数えています
- 地価公示:国土交通省の地価公示。加古川市内の住宅地25地点の中央値。他市も同じ条件で集計しています
- 所要時間:JR神戸線の新快速の標準的な所要時間です。時間帯や列車によって変わります


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