西宮市で40坪の土地を買うと、甲子園口なら8,860万円、名塩さくら台なら344万円です。同じ市内、同じ広さで25.8倍ちがいます。
「西宮は高いから」で候補から外している人は、市の平均像だけを見て判断していることになります。国土交通省が公表している西宮市の実際の取引171件を町ごとに並べ直したので、どこにどんな値段がついているかを先に見てください。
先に結論
- 西宮市の土地は1坪112.4万円(中央値・171件)。神戸市東灘区の130.6万円より安く出ています
- 町別だと甲子園口221.5万円、名塩さくら台8.6万円で25.8倍。市の平均は予算づくりに使えません
- 安い側は市の北部。同じ西宮市でも六甲山を越えた先は、まったく別の値段で動いています
- 取引が最も多いのは中古マンションの325件。70〜90㎡なら4,200万円前後が中心です
- 地価公示の中央値は95.5万円/坪。実際の取引はそれより18%高い値段で成立しています
西宮市の土地は1坪112.4万円。神戸市の東灘区・灘区より安い
2024年10-12月から2025年10-12月までに西宮市で成約した宅地171件の坪単価は、中央値で112万3,965円でした。
阪神間の並びで見ると、西宮市の位置がはっきりします。
| エリア | 土地の坪単価(中央値) | 取引件数 |
|---|---|---|
| 神戸市中央区 | 150.4万円 | 22件 |
| 神戸市灘区 | 138.8万円 | 35件 |
| 神戸市東灘区 | 130.6万円 | 74件 |
| 芦屋市 | 119.0万円 | 35件 |
| 西宮市 | 112.4万円 | 171件 |
| 神戸市兵庫区 | 72.7万円 | 32件 |
| 明石市 | 43.0万円 | 253件 |
三宮寄りの3区と芦屋市より下、というのが西宮市の実勢です。「阪神間でいちばん高い街」ではありません。
そして取引件数は171件で、東灘区74件・芦屋市35件を大きく上回ります。高い街ほど売り物が少なく、西宮市は値段と流通量のバランスが取れているという読み方ができます。
町別に並べると甲子園口221.5万円、名塩さくら台8.6万円で25.8倍
市の中央値だけを見ていると、この記事でいちばん使える数字を落とします。取引が3件以上あった町を高い順に並べたのが次です。
西宮市の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の町)
自分の町の相場を調べる
この表に出ていない町でも、住所を入れれば周辺の実勢から坪単価が出ます。南部か北部かで結論が変わるので、候補地の住所で確かめてください。
40坪に換算すると、甲子園口が8,860万円、名塩さくら台が344万円。土地代だけで8,500万円の開きです。
名塩さくら台の11件は坪8.6万円から8.9万円の間にきれいに収まっていて、たまたま安い1件が混ざった数字ではありません。230㎡から330㎡、つまり70坪から100坪の区画がこの単価で動いています。
さらに北の山口町は5件の中央値が坪4.0万円ですが、こちらは坪0.9万円から19.2万円までばらついています。件数が少なく1件の影響が大きいので、傾向として見るだけにしてください。
安い側は「西宮市」でも阪神間ではない。北部と南部は別の市場
甲子園口・甲風園・上甲東園といった高い町は、JR・阪急・阪神の沿線に並ぶ市の南部です。名塩さくら台と山口町は六甲山地を越えた北部で、中国自動車道や有馬に近い側になります。
住所はどちらも「西宮市」ですが、通勤先も、通える学校も、日常の買い物先も別物です。値段が25.8倍ちがうのは、同じ市の中で高い町と安い町がある、という話ではありません。2つの別の住宅市場が1つの市役所の下に入っているという状態です。
これは物件を探すときに具体的な影響を持ちます。「西宮市 土地 予算3,000万円」で検索して出てきた物件が、南部の狭小地なのか北部の広い区画なのかで、暮らしはまったく違うものになります。
取引が最も多いのは中古マンションの325件。70〜90㎡なら4,200万円前後
土地・戸建て・マンションを並べると、西宮市で実際に動いている量がわかります。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 中古マンション | 51.4万円/㎡ | 325件 |
| 宅地(土地) | 112.4万円/坪 | 171件 |
| 中古戸建て | 157.4万円/坪(延床) | 178件 |
| 新築戸建て | 172.9万円/坪(延床) | 92件 |
| 賃貸 | 2,111円/㎡ | 83,150件 |
マンションを広さ別に見ると、70〜90㎡の物件が183件で最も多く、中央値は1㎡あたり52.9万円でした。80㎡なら約4,200万円です。
土地を買って建てる場合、南部の坪110万円台の町で40坪を確保すると土地だけで4,500万円前後。同じ予算で70〜90㎡のマンションが買えることになります。西宮市で戸建てにこだわるかどうかは、この比較を通ってから決めることになります。
リノベ費用が出ると、戸建てを建てる案と総額で並べられます
私はこう見ています
西宮市の地価公示(住宅地99地点)の中央値は坪95.5万円、実際の成約は112.4万円。買い手は公示価格より18%高い金額を払っています。明石市の31%高よりは落ち着いた数字です。
私は、北部の安さを「西宮というブランドが値段に乗っていない証拠」だと考えています。南部の甲子園口や甲風園には駅・学校・沿線のブランドがまとめて乗りますが、名塩や山口町ではそれが効かない。効かないから坪8.6万円で成立します。
これは裏を返せば、通勤で電車に乗らない働き方をしている人にとっては、同じ市民サービスを受けながら土地代を10分の1にできる選択肢が実在する、ということでもあります。ここは私の読みなので、根拠にした数字のほうを持ち帰ってください。
予算から逆に町を選ぶ3ステップ
1. 総予算から土地に回せる額を決め、坪単価で割る。 土地に4,000万円なら、甲子園口では18坪、鳴尾町では36坪、名塩さくら台なら465坪です。この時点で候補の町は自動的に3つか4つに絞れます。
2. 絞った町の学区を確認する。 西宮市は文教地区として名前が出る市ですが、南部と北部では通う学校が別です。町名から通学区域を引けるようにまとめてあります。
3. 土地とマンションを総額で並べる。 西宮市で最も流通しているのは中古マンション325件です。戸建て前提で探すと、市場の半分を見ないまま予算を組むことになります。
西宮市の学区一覧を町名から調べる
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売る側から見た西宮市の数字は明石市・西宮市の中古戸建てはいくらで売れたかに、市全体の相場は西宮市の不動産相場にまとめています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地171件、中古戸建て178件、新築戸建て92件、中古マンション325件
- 中古戸建ては1982年以降に建てられた物件に限定し、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。件数が少ない町の数字は1件の影響を受けやすいので、傾向として読んでください
- 地価公示:国土交通省の地価公示。西宮市内の住宅地99地点の中央値
- 学区:西宮市教育委員会の公表資料


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