🗨️「九州道が通行止めだから東九州道で回るしかない。高速代は余計にかかるの?」
かかりますが、ETC車なら九州道を通ったときの料金まで下げてもらえます。現金払いだと下がりません。差額は普通車で3,020円の例が公表されています。
[交通] この記事の要点
NEXCO西日本九州支社が2026年8月5日、令和8年熊本地震で九州自動車道 松橋IC〜えびのIC間の通行止めが続いていることを受け、九州地方のお盆期間(8月7日〜16日)の渋滞予測を見直したうえで、東九州自動車道へ広域迂回したETC車の通行料金を調整すると発表した。対象期間は8月7日から通行止め解除の日まで。
2026年8月8日 発表
- お盆に福岡・本州側から宮崎・鹿児島へ車で移動する人
- 宮崎・鹿児島から福岡・本州側へ車で戻る人
- ETCを使わず現金・クレジットで料金を払っている人
- 九州道の松橋IC周辺(熊本県宇城市)を通る予定の人
この記事でわかること
- 東九州道に回ったとき、高速代がいくら高くなり、いくら戻るのか
- 料金が調整される3つの条件(ETC車・指定の2つの本線料金所・6時間以内)
- 松橋IC出口の渋滞が、日をずらしても避けられない理由
先に結論
- 東九州道への迂回は、ETC車なら九州道を通ったときの料金まで下げてもらえる(公表例で普通車3,020円分)
- 現金払いは対象外。同じ道を走っても払う額が変わる
- 料金所の画面は調整前の額。差額はカード請求のときに引かれる
- 佐伯本線料金所と門川本線料金所の両方を、6時間以内に通ること
- 松橋IC出口の渋滞は8月7日〜16日の10日間すべてに予測あり。日をずらしても逃げられない
東九州道に回ると高速代はいくら変わるか
NEXCO西日本が公表した試算は1例だけですが、金額の桁がわかります。E2山陽自動車道の広島ICからE3九州自動車道の鹿児島ICまで、普通車で走った場合です。
| 経路 | 料金(普通車) |
|---|---|
| 九州道経由(通行止めがない通常時) | 11,670円 |
| 東九州道に迂回(調整前) | 14,690円 |
| └ 広島IC〜佐伯本線料金所 | 9,010円 |
| └ 門川本線料金所〜鹿児島IC | 5,680円 |
| 東九州道に迂回(調整後・ETC車) | 11,670円(▲3,020円) |
迂回すると9,010円と5,680円を別々に払う形になり、合計14,690円。九州道をそのまま走れたときより3,020円高い。この3,020円が、ETC車なら請求のときに消えます。往復すれば6,040円です。
注意点が1つあります。東九州道経由のほうが安くなる区間では、料金は調整されません。「高いほうに合わせない」制度であって、「安いほうに合わせる」制度ではないということです。
料金が調整される3つの条件
NEXCO西日本の別紙②に条件が書かれています。3つあります。
1. ETC車であること
非ETC車(現金などでの支払い)は、料金調整の対象になりません。ETCカードは高速に入る前から出た後まで、同じカードを車載器に挿したままにしておく必要があります。SA・PAで休むときにカードを抜いた人は、出発前に挿し直してください。挿し忘れたまま走ると、その先の判定が成立しません。
2. 佐伯本線料金所と門川本線料金所の両方を通ること
対象になるのは、下の【北区間】と【南区間】の間を東九州道経由で移動した場合です。
| 区間 | 含まれるIC |
|---|---|
| 北区間 | 九州道 鳥栖JCT以北の各IC/東九州道 津久見IC以北・以西の各IC(関門橋など本州方面の道路、長崎道、大分道、日出バイパスの各ICを含む) |
| 南区間 | 九州道 えびのIC以南の各IC/東九州道・E78 日向IC以南の各IC(宮崎道の各ICを含む) |
北から南へ向かう場合は佐伯本線料金所→門川本線料金所の順、南から北へ戻る場合は門川本線料金所→佐伯本線料金所の順に通過します。この2つの料金所は本線上にあり、高速を降りずにそのまま通れます。間には東九州道の無料区間がはさまりますが、続けて利用できる作りになっています。
3. 先の料金所から6時間以内に、もう一方を通ること
ここが見落としやすいところです。指定料金所①を通過してから6時間以内に指定料金所②を通過する必要があります。
佐伯本線料金所を昼の12時に通ったとします。門川本線料金所は18時までに通らなければいけません。通常なら十分な余裕ですが、8月14日・15日は上りの延岡南IC付近で最大15kmの渋滞が予測されています。加えて東九州道はSA・PAが満車になる見込みだとNEXCO西日本自身が注意を出しています。渋滞で1時間、駐車場を探して30分、食事と仮眠で2時間——このあたりを重ねると6時間は現実的な数字になります。途中で長く休むつもりなら、料金所を通る順番と時刻を先に決めておくほうが安全です。
料金所の画面に高い額が出ても慌てない
実際に走ると、こういう場面になります。門川本線料金所を抜けたところで、車載器が読み上げた金額が思っていたより高い。「調整されていないのでは」と不安になる。
これは正常です。NEXCO西日本は「各料金所通過時は料金調整前の通行料金でのご案内となりますが、クレジットカード会社などからの請求時には、料金調整後の通行料金で精算いたします」と明記しています。その場では引かれず、請求のときに引かれるという順番です。ETC割引の判定も、入口ICから出口ICまでを1回の利用としてまとめて行われます。
松橋IC出口の渋滞は10日間すべてに予測が立っている
もう1つ、この見直しでわかったことがあります。九州道の下り、嘉島JCT⇒松橋ICの渋滞が、お盆期間の10日間すべてに予測されています。松橋ICが通行止めの端末になっていて、そこで全車が一般道に降りるためです。
| 日付 | ピーク時間 | 最大渋滞長 |
|---|---|---|
| 8月7日(金) | 9時 | 5km |
| 8月8日(土) | 17時 | 10km |
| 8月9日(日) | 17時 | 10km |
| 8月10日(月) | 10時 | 10km |
| 8月11日(火・祝) | 15時 | 10km |
| 8月12日(水) | 18時 | 15km |
| 8月13日(木) | 15時 | 15km |
| 8月14日(金) | 12時 | 15km |
| 8月15日(土) | 12時 | 10km |
| 8月16日(日) | 16時 | 10km |
ふつうのお盆渋滞は、下りが前半、上りが後半にピークが来ます。だから「1日ずらす」「早朝に出る」が効きます。松橋IC出口はそうなっていません。10日間ずっと5km以上、うち3日は15kmです。原因が交通集中ではなく通行止めだからで、日付をずらしても端末は端末のままです。
NEXCO西日本は松橋IC出口について、走行車線に車が集中して渋滞が日々発生しているとして、走行・追越の2車線を使い先端の1か所で交互に合流する「ファスナー合流」への協力を呼びかけています。緊急車両が近づいたときは通路を譲るよう求める記述もあります。八代方面の緊急車両は、この出口の先を実際に走っています。
迂回先の東九州道にも渋滞が移っている
渋滞予測の見直しは、九州道だけの話ではありません。東九州道の上り、日向IC⇒延岡南ICの予測がこうなっています。
| 日付 | ピーク時間 | 最大渋滞長 |
|---|---|---|
| 8月11日(火・祝) | 10時 | 5km |
| 8月13日(木) | 12時 | 10km |
| 8月14日(金) | 15時 | 15km |
| 8月15日(土) | 13時 | 15km |
| 8月16日(日) | 11時 | 5km |
九州支社管内でいちばん長い予測は、九州道 上りの南関IC⇒久留米IC(広川IC付近)で8月15日18時に20km、下りは古賀IC⇒鳥栖JCT(筑紫野IC先付近)で8月13日11時に20kmです。東九州道の15kmはそれに次ぐ規模で、大分道や東九州道の椎田道路方面にも5〜10km級が並んでいます。
東九州道には暫定2車線(ワイヤロープ)の区間があり、ワイヤロープへの接触事故が多発しているとNEXCO西日本が注意を出しています。ふだん通らない道を、渋滞と満車のSAをはさんで長距離走ることになる、という前提で考えたほうがいい区間です。
いまの通行止め区間と、一般車が通れるようになる時期
8月7日17時時点の状況です。
| 道路 | 通行止め区間 | 開始 |
|---|---|---|
| 九州自動車道 | 松橋IC〜えびのIC(上下線) | 7月28日16時27分 |
| 南九州自動車道(八代日奈久道路) | 八代JCT〜田浦IC(上下線) | 7月28日16時27分 |
緊急車両については、8月7日17時時点で松橋IC〜宮原SA、坂本PA〜えびのIC、南九州道の八代南IC〜田浦ICが通行可能です。第12報では、これに加えて宮原SA〜八代IC(上下線)が8月9日(日)中に緊急車両の通行可能区間になると発表されました。ただしこの区間は路面に段差が残り、ひび割れを避けて走る必要があるため、一般車は使えません。
一般車の見込みについては、8月4日の第11報で松橋IC〜えびのIC間および南九州道の一部が8月後半に通行可能となる見込みと示されています。8月7日の第12報ではこの日付は更新されていません。お盆の期間中に九州道が復旧する見込みは、現時点では示されていません。
私はこの発表をこう見ています
ここからは事実ではなく、私の見方です。
この発表でいちばん効くのは3,020円という金額ではなく、「非ETC車は対象外」の一行だと考えています。理由は3つあります。
1つめ。この迂回は、運転者が選んだ遠回りではありません。九州道が通行止めだから東九州道を通るしかない、という状況です。にもかかわらず、支払い方法によって負担が変わります。同じ日に同じ経路を走った2台で、ETCの1台だけが3,020円分を戻してもらえます。
2つめ。料金所の表示が調整前の額であることと組み合わさると、正しく対象になっている人も不安になり、対象外の人は気づきにくい。走った直後にはどちらも「高い額」を見るので、その場では区別がつきません。
3つめ。6時間という条件が、この期間の実際の交通状況とかみ合っていません。迂回先の延岡南IC付近で最大15km、SA・PAは満車、暫定2車線区間あり——ここを「6時間以内に通過する」前提で走らせる設計です。家族連れで休憩を長めに取る人ほど落ちやすい条件だと思います。
いずれもNEXCO西日本を責めるべき話ではなく、地震から11日での対応としては早いほうだと見ています。ただ、割引や調整の条件を読むのは利用者の側の仕事になっている、という構図は覚えておいて損がありません。
なお、この記事の渋滞の数字は、NEXCO西日本九州支社管内で5km以上と予測された箇所の一覧(8月5日発表・別紙①)から、毎正時時点の予測をもとにした「ピーク時間」と「最大渋滞長」の欄を引いたものです。料金の数字は同じ発表の別紙②にある試算例です。
生活・仕事にどう効くか
- 高速代:広島IC〜鹿児島IC(普通車)の公表例では、東九州道に回ると14,690円で、九州道経由の通常料金11,670円より3,020円高い。ETC車ならこの3,020円が請求時に差し引かれる。往復なら6,040円の差。
- 支払い方法:非ETC車(現金など)は調整の対象外。同じ経路を同じ日に走っても、現金で払った人だけ3,020円分を負担することになる。
- 移動時間:松橋IC付近の下り渋滞は8月7日から16日までの10日間すべてに予測が立っている。最大は8月12日・13日・14日の15km。日をずらしても避けられない。
- 迂回先の混雑:東九州道 上り 延岡南IC付近は8月14日・15日に最大15kmの予測。九州道から流れた車で、迂回ルート側にも渋滞が移っている。
結局どうすればよいか
- ETCカードを車載器に挿したまま走る。SA・PAで抜いたら出発前に必ず挿し直す
- 北区間と南区間の間を移動するなら、佐伯本線料金所と門川本線料金所の両方を通る経路を選ぶ
- 先に通った本線料金所から6時間以内に、もう一方の本線料金所を通過する
- 料金所の表示額は調整前なので、その場で高くても慌てない。カード会社の請求で確認する
- 松橋IC出口を通る予定なら、ピーク時間帯(下の表)を見て出発時刻を決める
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公式出典
- NEXCO西日本 お知らせ「熊本地震の影響に伴う交通状況変化を踏まえ、九州地方のお盆期間の渋滞予測を見直します〜東九州自動車道への広域う回のお願いと料金調整の実施〜」(別紙①渋滞予測一覧・別紙②料金調整)(2026年8月5日発表)
- NEXCO西日本 お知らせ「令和8年熊本地震による通行止め及び緊急車両の通行可能区間等について(第12報)」(2026年8月7日発表)
- NEXCO西日本 「九州・沖縄エリアのお盆期間における高速道路の渋滞予測」(2026年7月17日発表)
更新履歴
- 2026年8月8日 初版を公開
※本記事は2026年8月8日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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