徳島県吉野川市(よしのがわし)で大雨のときに気をつける道は、国の一覧より市のハザードマップのほうがずっと多く載っています。国の「道路冠水想定箇所」は2か所。市が2025年4月に作ったハザードマップ(内水氾濫)には、「アンダーパス」の印が26、「道路冠水注意」の印が39あります(当サイトが市内全域の図で数えた)。
国の2か所は、どちらも県道がJR徳島線の下をくぐる所です。牛島の県道では、JR徳島線の下をくぐる地下道が、県道が開通した2011年に台風で3回冠水して通行止めになり、9月3日から翌日の夕方まで通れなかったと、市が議会で答えています。
この記事でわかること
- ✓ 雨の日の「今どこ」は、徳島県の県土防災情報の通行規制(県道)と、市の河川監視カメラ9か所の川の映像で確かめられます
- ✓ 市長の議会報告では、2011年の台風15号で住宅の床上浸水35世帯・床下浸水329世帯。原因に「内水河川の増水」などを挙げています
- ✓ 下水道で雨水を流しきれない想定で色が付くのは、阿波川島駅の東から鴨島(かもじま)駅・牛島駅にかけての平地です(重ねるハザードマップで当サイトが見た範囲。市内の一部だけの掲載)
雨の日に「今どこが通れないか」を見るところ
- 吉野川市「河川監視カメラシステム」(市のサイトの「吉野川市防災情報」のページから開けます):飯尾川(飯尾川橋・みかわ橋)、江川、桑村川、学島川、ほたる川、岩谷川、川田川、瀬詰橋の9か所の川の映像
- 徳島県「徳島県県土防災情報」:県道と県が管理する国道の災害時の通行規制。国の一覧の2か所はどちらも県道です
- 国が管理する国道は国土交通省「道路情報提供システム」(県の案内)
- 防災行政無線の電話応答サービス(0883-22-2280):放送を電話で聞き直せます(24時間以上前の放送は聞けません)
市の「防災・情報メール」の登録方法は、市の防災ハザードマップの冊子に載っています(市のサイトの「吉野川市ハザードマップ・マイ・タイムラインなど」のページにあります)。
国の一覧の川島と牛島は、JR徳島線の下をくぐる所
国土交通省の「道路冠水想定箇所」(道路防災情報WEB〈ウェブ〉マップ)に、徳島県は19か所、吉野川市は2か所が載っています(当サイトで数えた)。
A は県道 板野川島線の「川島」、B は県道 宮川内牛島停車場線の「牛島」です。説明表の写真では、A は道が下って構造物の下をくぐる形、B は大きな高架の下を下っていく地下道です。

地図の記号と同じ順です
A 川島(県道のアンダーパス)
県道 板野川島線
吉野川市(説明表の住所は市名だけ)
管理: 徳島県 東部県土整備局(吉野川) / 警察: 阿波吉野川警察署 / 消防: 徳島中央広域連合 東消防署
※ ピンは道路地図(OpenStreetMap〈オープンストリートマップ〉)で、この県道がJR徳島線の下をくぐる点に当サイトが置いたもの(阿波川島駅の北東 約750メートル)
B 牛島(県道の地下道)
県道 宮川内牛島停車場線
吉野川市鴨島町牛島字西桑上(説明表の住所)
管理: 徳島県 東部県土整備局(吉野川) / 警察: 阿波吉野川警察署 / 消防: 徳島中央広域連合 東消防署
※ ピンはOpenStreetMapで、この県道が高架でJR徳島線を越える点。地下道はその高架の下をくぐります。説明表の写真の入口には「高さ制限 2.7m」の標識
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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牛島の地下道は2011年、台風で冠水して通行止めに
2011年12月の市議会で市の建設部長は、県道宮川内牛島停車場線の「JR線路下アンダーパス」は「跨線橋(こせんきょう)の下に設置されました地下道」で、管理は県だと説明しました。
答弁によると、この年は台風の豪雨で合わせて3回地下道が冠水し、通行止めになりました。台風12号では濁った水が流れ込んで排水ポンプが自動で動かず、手で動かしたものの、9月3日から翌日の夕方まで通れませんでした。台風15号では排水ポンプが故障し、通行止めの解除に時間がかかりました。
通行止めを知らせる電光掲示板も、台風12号の冠水で壊れていました。国の一覧のBは、この県道がJR徳島線と交わる所にあります。
読者
電光掲示板に何も出ていなければ、通っても大丈夫ですか?
この年は、ポンプが自動で動かなかったり故障したりし、掲示板も冠水で壊れました。表示が出ていなくても、坂の下に水が見えたら入らないでください。
市のハザードマップの「アンダーパス」と「道路冠水注意」の印
市のハザードマップ(令和7年4月作成)の「内水氾濫」の地図には、「洪水時注意箇所」として「アンダーパス」と「道路冠水注意」の2つの印があります。

市内全域の図で数えると、アンダーパスの三角26のうち24は西麻植(にしおえ)駅より西で、市立川島中学校の南の線路沿いに8つ、阿波山川駅の東西の線路と国道192号沿いに6つ。道路冠水注意の×は、39のうち27が西麻植駅より東の、鴨島駅や市役所の側です。
この「内水氾濫」の地図は、吉野川そのものがあふれる想定(外水氾濫)とは別の図です。市の説明は「吉野川支流が氾濫(内水氾濫)したとき予想される浸水の深さ」で、「徳島県が作成した各中小河川の浸水想定区域図を基に作成」したものです。
市の地図には「禁無断複写複製」の表示があるため、地図も印の位置も写していません。印は市の「ハザードマップ」のページの「内水氾濫」のPDFで見られます。
市が議会で挙げた冠水の場所
市は議会で、市内を流れる県管理の主な川は吉野川に合流し、平らな土地を流れて川底の傾きがとても緩いため、台風などの集中豪雨で「内水氾濫が頻発しておる状況」だと答えています(2023年9月)。答弁に出た場所の例です。
| No. | 場所 | 市の答弁 | 地図の点の置き方 | 地図 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 山川町天神(山瀬天神地区)のあたり | 「地形の関係で雨水を流すことができない地区」(2017年3月の市の答弁)。「台風や豪雨になると、道路や農地が冠水する場所」がある(2017年6月の市の答弁) | OpenStreetMapの「山川町天神」の地名の点 | 地図で開く |
| 2 | 西麻植小学校付近から青柳橋付近 | 大雨のとき用水路の幹線からあふれ、「道路の冠水や床下、床上などの浸水被害が発生しています」(2011年6月の市の答弁) | OpenStreetMapの西麻植小学校の位置 | 地図で開く |
山川町と川島町の境の県道山川川島線では、「台風、ゲリラ豪雨などにより、県道が冠水する状況」と市が答えました(2017年3月)。流れ先の学島川の水位が上がると側溝の水が流れにくくなっているのだと思われる、という説明です。

市長が議会で報告した市全体の住宅の浸水は、図の4つの台風の中では2011年の台風15号がいちばん多く、床上35世帯・床下329世帯でした(ほかの年は「件」で報告)。2016年の台風16号では、県西部の雨が少なかったことや吉野川の排水が順調だったことなどから市内全域の大規模な浸水には至らなかったものの、「鴨島地区を中心に道路冠水、建物への浸水被害等が発生」したと報告しました。2024年の台風10号でも「道路が一時的に冠水するなどの影響」があったと市長は述べています。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
下水道で流しきれない想定は、1時間160ミリの雨
もう1つが、市が2025年3月28日に水防法にもとづいて指定した「雨水出水浸水想定区域」です。下水道などで雨水を流しきれなくなったときの想定で、想定の雨は1時間160ミリです。

重ねるハザードマップで色が付くのは阿波川島駅の東から鴨島駅・牛島駅にかけての平地で、阿波山川駅や山瀬駅のまわりには色がありません(重ねるハザードマップで当サイトが見た範囲。市内の一部だけの掲載)。市の区域図では、赤い枠が区域、黒い枠が計算した範囲で、黒い枠の外は計算していません。市は、想定を超える雨や川の氾濫などは計算に入れていないので、区域の外でも浸水することがあると書いています。
家と通る道は、次の3つを分けて見ます。
- 市のハザードマップの「外水氾濫」と「内水氾濫」の両方で、家に色が付いているか
- 通勤・通学の道に、「アンダーパス」の三角や「道路冠水注意」の×がないか
- 鴨島の平地なら、市の雨水出水浸水想定区域図の色と赤い枠も見る
\家の住所に洪水と土砂の色が付くかを先に見る/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
このツールでは道路の冠水と内水の想定は出ません。市のハザードマップが使った県の中小河川の浸水想定がツールに入っているかは確かめられていないので、市の地図でも確かめてください。
よくある質問
吉野川があふれる想定と、この記事の冠水は同じですか
別の話です。三角と×の印が載っているのは、飯尾川や江川などの支流があふれる想定の「内水氾濫」の地図で、吉野川の洪水(外水氾濫)の地図とは別です。
「吉野川 アンダーパス」はどこのことですか
県の資料や報道に出てくるのは、徳島市の吉野川橋の北詰(応神町古川)と南詰(上助任町)のアンダーパスで、吉野川市のものではありません。北詰は「高潮位や洪水時に路面冠水による通行止めが発生しやすい状況」と県が2012年2月の県議会の委員会資料に書き、路面のかさ上げを中心とする対策に着手するとしていました。南詰では、高さ制限のゲートにトラックの積み荷や荷台が当たる事故が報じられています(徳島新聞の2024年12月17日と2025年8月6日の記事)。徳島市の国の一覧5か所は、記事の終わりの「徳島市 冠水 どこが危ないの?」にまとめています(吉野川橋のアンダーパスは国の一覧に入っていません)。
徳島県のほかの冠水の記事
公式出典
- 国土交通省 四国地方整備局「道路冠水想定箇所」徳島県(一覧と説明表 徳島県-02-007・徳島県-02-009。2026年9月26日取得)/国土交通省「道路防災情報WEBマップ」/徳島県警察「道路における冠水想定箇所(アンダーパス)」
- 吉野川市公式サイトの次のページ:「吉野川市ハザードマップ・マイ・タイムラインなど」(2025年4月14日公開。市内全域・各地区の内水氾濫、防災ハザードマップ冊子)/「吉野川市雨水出水浸水想定区域」(2025年3月28日公開。区域図は令和7年吉野川市告示第29号、水防法第14条の2第2項)/「吉野川市防災情報」/「防災行政無線の内容を電話で確認することができます」/「サイトの利用について」
- 吉野川市 河川監視カメラシステム
- 吉野川市議会 会議録検索:平成23年6月定例会(2011年6月13日)/平成23年第2回臨時会(2011年10月11日)/平成23年12月定例会(2011年12月13日)/平成26年9月定例会(2014年9月1日)/平成27年9月定例会(2015年8月31日)/平成28年12月定例会(2016年11月28日)/平成29年3月定例会(2017年3月7日)/平成29年6月定例会(2017年6月20日)/令和5年9月定例会(2023年9月4日)/令和6年9月定例会(2024年9月17日)
- 国土地理院「重ねるハザードマップ 内水(雨水出水)浸水想定区域(想定最大規模)掲載状況一覧」(吉野川市は一部地域・2025年12月15日公開)/国土地理院 地理院タイル(地図)
- 徳島県「県管理道路の通行規制状況等について」/徳島県県土防災情報/国土交通省「道路情報提供システム」
- 徳島県 県土整備部「一般県道土成徳島線「吉野川橋北詰アンダーパス」の冠水対策の工事着手について」(平成24年2月定例会(事前)県土整備委員会資料)/徳島新聞「吉野川橋南詰めのアンダーパスが一時通行止め 高さ制限の鉄製ゲートが破損」(2024年12月17日)・「トラックの荷台がゲートに衝突、吉野川橋南詰めのアンダーパス 一時全面通行止め」(2025年8月6日)
- OpenStreetMap(A・Bと1・2の道路・線路・地名・学校の位置。© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです。冠水や通行止めは雨のたびに変わります。避難や通行の判断は、必ず吉野川市と徳島県、国の最新の発表を確認してください。
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