愛媛県宇和島市(うわじま)が内水(下水道で流しきれない雨)の浸水を地図にしているのは、中心部の城南地区です(市の避難情報のページに並ぶハザードマップのうち、内水の地図は下水道課の「城南地区内水ハザードマップ」の1枚)。
この地図が想定する雨は1時間63ミリ。気象庁の宇和島の観測所(住吉町)で1時間の雨が63ミリを超えた日は、1937年からの記録で8日あり、そのうち5日が2011年以降です(当サイトで数えた値。観測所1か所の値で、城南地区で降った量ではありません)。2026年7月5日はこの観測所で70.5ミリを記録し、愛媛新聞は市災害対策本部のまとめとして「中心部の商店街など複数地域で道路が冠水」したと報じました(市のサイトでは、この日のまとめは見つけられていません)。
この記事でわかること
- ✓ 国の「道路冠水注意箇所」(愛媛県27か所)に宇和島市は0か所。県道37号の下波(したば)〜大内は、2015年9月1日に道路冠水で約3時間通行止めになりました(市の答弁)
- ✓ 吉田町の御殿内・橋北は、市が2021年度から内水氾濫対策の調査をしてきた地区です(2022年9月の答弁)
- ✓ 市の安心安全情報メールの閲覧サイト(3,116件)に「冠水」を含む配信は0件。県道・国道の通行止めは、県の道路情報とカメラで確かめます
雨の日に「いま通れない道」を見るページ
- 県道・国道:愛媛県「愛媛県道路情報に関するリンク」から、国土交通省「道路情報提供システム」の通行規制へ
- 道路の様子:愛媛県「えひめの道ライブカメラ」(県内55か所)
- 避難の情報と川のカメラ:宇和島市防災ポータル、宇和島市ホームページ「宇和島市 気になる情報」(須賀川〈和霊(われい)〉などのカメラ、宇和島〈住吉町〉の潮位)
- 町の雨の強さ:市が置いた気象観測システム「POTEKA(ポテカ)」5か所(吉田支所・旧宇和海中学校〈下波〉など)の値を、POTEKA NETで誰でも見られます(市の案内)
市の安心安全情報メールは、2012年10月からの配信が情報サイトで読めます。2015年9月と2026年7月の県道の冠水による通行止めは、配信されていません。

「浸水」を含む111件は、「低い土地の浸水」への注意などの呼びかけです。県道・国道のどこが通れないかは、県の道路情報とカメラで見ます。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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国の一覧は0か所、記録に出てくる4つの場所
国土交通省 四国地方整備局の「道路冠水注意箇所」の愛媛県の一覧は27か所で、宇和島市は0か所です(当サイトで数えた値)。一覧に載っていないことは、冠水しないことを意味しません。
地図のA〜Dは、市議会の答弁や報道に名前が出てくる場所です。点は当サイトが施設や町の代表点などに置いた目安で、冠水した地点そのものではありません。

地図の記号と同じ順です
A 新辰野トンネル(県道37号 宇和島下波津島線)
2026年7月5日、冠水や土砂流入で通行止め(愛媛新聞が県南予地方局の話として報道)。緑の線は、下波の集落の東の端から大内のバス停までの県道(区間の目安)
点は、当サイトがOpenStreetMap(オープンストリートマップ)の県道のトンネルと地図サイトの位置を合わせて置いたもの
B 天赦公園(てんしゃこうえん)
城南地区。市の内水ハザードマップに出てくる中でいちばん深い色(0.50〜1.00メートル)の1マスが、このあたりにある(当サイトが地図から読み取った)
点はOpenStreetMapの公園の中心
D 旧御殿内保育園の前の市道(吉田町)
2013年3月の議会で議員が「約70センチの浸水」と述べた場所。市は排水路の断面を広げる工事を予定と答弁
点はOpenStreetMapに残る御殿内保育園の位置(保育園は2018年3月末で閉園)。浸水した市道そのものの位置ではありません
A〜Dは答弁や報道に名前が出た場所で、冠水する場所の全部ではありません。城南地区の内水ハザードマップの色の範囲は、市の地図を写さないため、この地図には入れていません。
城南地区の内水ハザードマップ、想定は1時間63ミリ
宇和島市ホームページ「宇和島市城南地区内水ハザードマップ」は、「50年に1回の確率で降る雨【1時間に63mmの降雨】」で浸水する深さを色で示しています。市の下水道が計画の対象にしている雨は、10年に1回の「1時間に53mm」です。須賀川や神田川からあふれる水は入っておらず、地図には「宇和島港や河川の水位によりこの図の浸水深以上となる可能性があります」とあります。
当サイトが地図を見ると、色の大半は0.15メートル未満の黄色で、辰野川沿いの桝形町(ますがたちょう)や鶴島小学校のまわり、天赦公園などに色が付いています。0.50〜1.00メートルの赤は、天赦公園のあたりの1マスだけでした。
読者
天赦公園のあたりは、今も水がたまるんですか?
2024年3月の議会で議員は「雨になると水がたまって池のようになっています」と述べました。市は、平成20年代前半に桜町付近と東高前で雨水管の工事をして公園に入る雨水を大幅に減らし、「現在では解消されているものと考えております」と答えています。

63ミリを超えた5日のうち、2016年9月20日(台風16号)について、当時の市長は議会で「一部地域で浸水被害や道路冠水」が出たと述べています。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します(道路の冠水・内水は出ません。県が2023〜2026年に指定した中小河川の区域が入っているかは確かめられていません)
県道37号の下波付近、2015年と2026年に通行止め
2015年9月1日の昼前、11時50分ごろから県道の下波〜大内のあいだが「道路冠水による通行どめ」になりました(2015年12月の議会での総務部長の答弁)。同じ県道の別の区間は土砂崩れで通行止めになり、2つの通行止めで972世帯・2,591人が陸路で孤立しました。下波〜大内の通行止めは、約3時間後に解けています。
2026年7月5日には、下波地区の県道の新辰野トンネルが「冠水や土砂流入により通行止め」になったと、愛媛新聞が県南予地方局の話として報じました。県や市の発表そのものは見つけられていません。当サイトがOpenStreetMapと地図サイトで確かめると、新辰野トンネルは下波の集落と大内のあいだの県道にあります。2015年に冠水した地点と同じかは、資料からは確かめられません。
大浦と吉田町、ポンプ場と排水路の対策(答弁の時点の計画)
大浦では2018年7月の豪雨で、雨水ポンプ場のポンプが止まりました。市は、排水能力を超える雨水が流れ込んで設備が浸水し、漏電したと説明しています。近年最大を超える雨に加えて、隣の広見川があふれ、見込んでいない川の水まで流れ込んだという説明です(2018年10月の答弁)。市は2019年3月、大浦地区で雨水公共下水道の事業化を図る計画だと答えました。
吉田町の御殿内では、2013年3月の議会で議員が、地元の自治会長から聞いた話として「最深部は市立御殿内保育園前の市道で約70センチの浸水」になると述べました。市は、排水路と市道が交わる11メートルの区間で水の通り道が狭いとして、断面を2倍ほどにする工事を予定すると答えています。
市は2021年度から橋北・御殿内地区の内水氾濫対策を調べてきました。2022年9月の議会では、前月に排水路とポンプ場の排水能力の検討結果がまとまり、まず橋北地区の整備方針を年内に決めたいと答えています。
読者
吉田町の対策は、もう終わったんですか?
会議録を「橋北」で検索して確かめられたのは、2022年9月の「年内には方針を決定したい」までです。御殿内の排水路の工事は、2014年12月の議会で、ほかの工事で迂回路が使えずまだ着手できていないと市が答えています。どちらも、工事が済んだかは確かめられていません。
\家の住所が川の洪水の区域か確かめる/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に入っているかを出します(内水と道路の冠水は出ません。県が2023年5月から2026年3月にかけて指定した市内の中小河川の区域が入っているかは確かめられていません)
よくある質問
宇和島駅の近くはどうですか
2014年12月の議会で議員が「宇和島駅周辺の常習浸水地域」として予讃線の踏切の下の水路などを挙げ、市はこの地域を「須賀川ダムの放流の影響を最も受けやすい地域の一つ」と答えました。大雨の際は内水より川の水位が高くなるため仮設ポンプで排水している、というのが答弁の時点の説明です。
2018年7月の豪雨で浸水した場所は
市の被害報の第30報(2018年7月30日17時現在)には、7月15日時点の調査中の数として、床上浸水1,478件・床下浸水519件とあり、表の見出しは「棟数(全域)」です。同じ数は第21報(7月19日17時現在)では「吉田地区のみ」とされ、第30報でも世帯数(床上910・床下319)には「吉田地区のみ」と注記があります。地区ごとの内訳は書かれていません。土砂災害が家屋などに影響した場所は153か所です(第66報)。この記事の大雨の道路冠水とは分けて、宇和島市ホームページ「大雨に伴う被害報告」で確かめてください。
津波の浸水の地図とは違うのですか
違います。南海トラフ地震の津波や高潮の浸水は、市の総合防災マップとWeb(ウェブ)ハザードマップで見ます。城南地区の内水の地図は、大雨で下水道の排水能力を上回った雨水の想定です。
愛媛県のほかの市の冠水の記事
公式出典
- 国土交通省 四国地方整備局「道路冠水注意箇所」愛媛県(27か所。当サイトで数えた値)
- 宇和島市ホームページ「宇和島市城南地区内水ハザードマップ」(PDF)/「避難情報発令区域について」/「市内中小河川の浸水想定区域図が指定されました」/「宇和島市洪水ハザードマップ」/「宇和島市総合防災マップ」/「宇和島市 気になる情報」/「超高密度気象観測システム(POTEKA)及び豪雨災害監視システム(AMECA)の設置について」(2022年7月26日更新)/POTEKA NET
- 宇和島市ホームページ「大雨に伴う被害報告」(平成30年7月豪雨 第21報・第30報・第66報)
- 宇和島市議会 会議録(2013年3月12日、2014年12月11日、2015年12月9日、2016年9月28日、2018年10月4日、2019年3月11日、2022年9月16日、2024年3月8日)
- 宇和島市安心安全情報メール(情報サイト)(2012年10月11日〜2026年9月9日の3,116件。当サイトで数えた値)/宇和島市防災ポータル
- 気象庁「過去の気象データ」宇和島:観測史上1〜10位の値(統計期間1937年1月〜2026年9月)/気象庁「地域気象観測所一覧」(観測所の所在地)
- 愛媛新聞「宇和島で時間雨量70.5ミリ、7月の観測史上最大 浸水や土砂崩れ相次ぐ」(2026年7月5日)
- 愛媛県「愛媛県道路情報に関するリンク」/国土交通省「道路情報提供システム」/愛媛県「えひめの道ライブカメラ」
- OpenStreetMap(県道・トンネル・公園・施設・バス停の位置。© OpenStreetMap contributors)/国土地理院 地理院タイル(地図)
この記事の数値は公表資料・会議録・報道を集計したものです(2026年9月26日取得)。冠水や通行止めは雨のたびに変わります。避難や通行の判断は、必ず宇和島市と愛媛県、国の最新の発表を確認してください。
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