🗨️「うるう秒が廃止されて「うるう時間」になると、何がいつから変わるのですか?」
2027年5月20日から、世界の時刻の基準である協定世界時(UTC)に、うるう秒を入れなくなります。これまで地球の自転とのずれは1秒以内に保ってきましたが、これを1時間(3,600秒)まで認めます。ずれが1時間に近づくのは数百年以上先とされ、私たちの時計やスマホの表示が変わることはありません。
[科学] この記事の要点
2026年10月15日 発表
- 時刻を秒単位で合わせて動くシステムを扱う人(金融・通信・電力・交通)
- パソコンやサーバーの時刻合わせ(NTP)を管理している人
決まったこと
| 項目 | これまで | 2027年5月20日から |
|---|---|---|
| うるう秒 | ずれが大きくなると1秒足す(1972年から27回) | 入れない |
| 自転とのずれの上限 | 1秒未満 | 3,600秒(1時間) |
| 協定世界時(UTC) | ときどき1秒の段差が入る | 段差のない「連続したUTC」 |
出典:国際度量衡局(BIPM)の決議案C(決定事項の部分)とサイエンティフィック・アメリカン(10月15日)。決議案は「連続したUTCは2027年5月20日に発効する」「UT1とUTCの差の最大値は3,600秒(1時間)とし、数世紀にわたるUTCの連続性を確保する」と書いています。5月20日は、単位の大切さを知ってもらう「世界計量記念日」です。
なぜ1秒ずつではだめなのか
原子時計で刻む時刻と、地球が1回まわる長さは少しずつずれます。これまでは、ずれが1秒近くになると「うるう秒」を1秒足して合わせてきました。最後に入ったのは2017年1月1日で、日本では午前8時59分59秒のあとに「8時59分60秒」が入りました。
ところが地球の自転は2020年以降速まっていて、今度は1秒を「引く」必要が出てくると見られています。決議案は、専門家の会合の見積もりとして、1秒を引く「負のうるう秒」が必要になる確率は2035年までに30%に達すると書いています。負のうるう秒は一度も行われたことがなく、準備には「2000年問題と同じくらいの投資が要る」とまで書かれています。
1秒くらい、ずれても困らないんじゃないの?
人は困らなくても、時刻を合わせて動く機械が困ります。決議案は、交通・電力・通信・宇宙の分野が「今後いっさい調整のない連続したUTC」を求めていると書いています。2012年にうるう秒を入れたときも、大手のウェブサービスなどで障害が起きました。
「うるう時間」はいつ来るのか
報道では、ずれを1時間まで認める仕組みを「うるう時間」と呼んでいます。ただし決議案に書かれているのは上限を1時間に広げることまでで、ずれが1時間に近づいたときにどう合わせるかは決めていません。
サイエンティフィック・アメリカンは、1時間の調整が必要になるのは1,000年以上先と科学者が見込んでいると伝えています。決議案も、1時間の上限で「数世紀」はUTCが連続すると書いています。いま生きている人が「うるう時間」に出会うことはまずありません。
日本の時計とスマホ
日本標準時は、情報通信研究機構(NICT)が協定世界時に9時間を足して作っています。うるう秒がなくなっても、この関係は変わりません。電波時計、スマホ、パソコンの時刻はこれまでどおり自動で合います。
変わるのは、うるう秒を入れるかどうかの発表と、そのたびの準備がなくなることです。2017年のときは、NTT(エヌ・ティ・ティ)東日本・西日本の時報「117」も1秒を足す対応をしました。こうした対応が2027年5月20日以降は要らなくなります。うるう秒をめぐる経緯は、8月のうるう秒は2027年5月20日に止まる?でまとめています。
生活・仕事にどう効くか
- ふだんの時計:日本標準時は協定世界時に9時間を足した時刻のままです。うるう秒が入らなくなるだけで、表示される時刻は何も変わりません。
- システム障害:2012年にうるう秒が入ったときは、大手のウェブサービスなどで障害が起きたと報じられています。今後はこの「1秒の挿入」そのものがなくなります。
結局どうすればよいか
- ふだんの生活でやることはない。電波時計やスマホはそのまま使える
- システムを管理している人は、2027年5月20日以降、うるう秒の予告が出なくなる前提で手順書を見直す
公式出典
- BIPM「Draft Resolution C On the technical actions needed to ensure the continuity of UTC」(第28回CGPM)(2026年6月30日発表)
- Scientific American(10月15日)(2026年10月15日発表)
- 共同通信(8月24日配信)(2026年8月24日発表)
- NTT東日本「うるう秒」挿入に伴う117(時報)の対応について(2016年12月16日発表)
更新履歴
- 2026年10月15日 初版を公開
※本記事は2026年10月15日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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