退去立会いでサインする前に、「傷があることの確認」か「修繕費を負担する合意」かを本文まで読みます。同じ確認書という名前でも、署名で確かめている内容が違うためです。
署名前に見ること
- ✓ 傷の確認と費用の了承を分ける
- ✓ 写真・入居時の記録・契約書を用意
- ✓ 納得できない費用は内訳を確認する
確認書の読む場所
国土交通省の原状回復ガイドラインQ14は、単に損傷があることを確認しただけなら、費用負担まで了承したことにはならないと説明しています。一方、損傷とその分の負担を了承した場合は、基本的にその確認内容をもとに負担額を決めるとしています。
用紙のタイトルが「退去確認書」でも、末尾に「原状回復費用の支払いに同意する」「異議を申し立てない」とあれば、その文までが確認対象です。「ここは確認だけ」と口頭で説明されたときも、紙に何が書かれているかを照らします。
| 用紙の内容 | 確かめること |
|---|---|
| 傷の場所・写真番号 | 現物と一致するか。入居前からの傷ではないか |
| 借主負担の同意 | どの傷・工事を了承するのか |
| 金額や精算方法 | 単価、数量、負担割合、敷金との差額 |
| 署名欄の周辺 | 裏面、別紙、特約を含めた合意範囲 |

当日に用意する物
契約書、原状回復や清掃の特約、入居時のチェック表、入居前後の写真を手元に用意します。部屋が空になったら、床・壁・建具・水回りを撮り、傷だけの接写に加えて、どの部屋か分かる全体写真も残します。
例えば床の小さな傷を撮るなら、部屋全体、傷のある区画、近接の3段階で記録すると位置関係が伝わります。これは撮影方法の例です。撮影日時の分かる原本を保存し、送付用に加工した画像だけを手元に残すことは避けます。

読者
傷があるのは確かなので、修理代も全部認めたことになりますか。
傷の存在と、借主が負担する範囲は分けて確認します。いつできた傷か、通常の使用によるものか、契約に特約があるかも確認対象です。
鍵は受け渡す本数と日時を控え、リモコンなど貸与品も確認します。立会いの所要時間や電気・水道の扱いは管理会社によって異なるため、予約時の案内に従います。インターネットで見た一律の日程を基準にせず、解約日と明渡し日がどう扱われるかを確かめてください。
納得できない請求
「原状回復一式」とだけ書かれている場合は、対象箇所、施工範囲、単価、数量、借主の負担割合の内訳を求めます。傷を付けたことを認めた場合でも、部屋全体を新品にする費用まで当然に負担するとは限りません。契約書の特約も合わせて確認します。
国土交通省は、クロスの費用などについて、経過年数や通常損耗を考慮し、グレードアップの費用を借主が負担する必要はないと説明しています。ガイドライン自体は法律ではありませんが、負担を話し合う際の基準になります。
「サインは絶対に無効」「サインしたら全額確定」のどちらとも一律には言えません。合意した内容、特約、損傷の原因を資料で確認します。
当日の説明だけでは確認できないときは、その場で理解していない内容に同意せず、書面と見積もりを受け取って確認する旨を伝えます。訂正や留保を加える場合も、一方だけの書き込みで済ませず、相手と確認し、同じ内容の控えを受け取ります。
\負担の基本を具体例で確認/
署名した後の確認
署名済みなら、最初に確認書の写しと請求明細をそろえます。「何も覚えていない」まま支払う・拒否するのではなく、同意した箇所と、今回初めて請求された箇所に分けます。電話で話した日、担当者、説明の内容も時系列で控えてください。
署名はしたものの、損傷箇所を確かめただけだったのか、費用負担まで了承したのか不明なら、国土交通省Q14の説明と書面を照合します。故意・過失によるものでない傷の費用や特約の効力は個別に判断されるため、単に署名の有無だけで結論を出さないでください。
相談時は、賃貸借契約書、特約、署名済み確認書、見積もり、入退去時の写真をまとめます。消費者ホットライン188から地域の消費生活センターへ相談できます。原状回復の相談先への連絡と、契約で決まる明渡し・鍵の返却の期限は、分けて管理します。
当日を終える前に
傷の写真を相手と確認し、費用に同意した部分と確認中の部分を明らかにして、書類の控えを受け取ります。後日見積もりが届くなら、送り先と時期、問合せ先を確かめます。確認できていない欄を、急いで埋める必要はありません。
立会いで残したいのは、「問題なし」か「全部払う」かの二択ではありません。どの傷を一緒に見て、どの費用がまだ決まっていないかが後から分かる記録です。
情報確認:2026年10月22日。制度や申込方法は変更されることがあります。実際の契約・申請では、本文の公式案内と手元の書面を確認してください。
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