マンションの専用庭は、その部屋だけが使える場所でも、好きに改造できる土地とは限りません。物置やウッドデッキを買う前に、管理規約と専用庭の使用細則を確認します。
購入前に見ること
- ✓ 専用で使う権利と土地の所有は別
- ✓ 物置・植栽・工事は実物件のルールで確認
- ✓ 使用料と日常の手入れ費は分けて見る
専用と所有の違い
国土交通省のマンション管理・再生ポータルは、特定の区分所有者が使う共用部分などについて専用使用権を説明し、具体的な対象は個々のマンションの規約を確認するよう案内しています。専用庭もその代表例です。
販売図面に「専用庭付き」とあっても、その面積が住戸の専有面積に上乗せされるという意味ではありません。住戸、敷地の権利、専用庭の範囲は別の項目です。図面の色やフェンスだけで判断せず、管理規約の別表や配置図で境界を確かめます。

読者
うちしか出入りできないなら、一戸建ての庭と同じでは。
出入りできる人が限られることと、土地を自由に変えられることは別です。排水や避難、建物の修繕に関わる場所かも確認してください。
置く前の確認表
管理規約で大枠を確認したら、専用庭使用細則、工事申請のルール、過去の管理組合のお知らせを読みます。「庭を使ってよい」と「固定する工事をしてよい」は同じではありません。迷う計画は寸法と設置方法が分かる図を添えて、管理会社を通じて管理組合へ照会します。
| 使い方の例 | 先に確認する内容 |
|---|---|
| 鉢植え・菜園 | 地面を掘れるか、植えてよい植物、排水 |
| 物置・収納庫 | 設置の可否、高さ、大きさ、固定方法 |
| デッキや人工芝 | 工事申請、点検・撤去、排水への影響 |
| 子どもの遊び場 | 音、水の使用、利用時間、境界の安全 |
| ペット | 飼育細則と庭での使用制限 |

この表は許可される行為の一覧ではありません。同じ鉢植えでも、避難や点検の通路をふさぐ置き方かどうかで確認内容が変わります。ペット可のマンションでも、専用庭で放すことまで許可されているとは限りません。規約に書かれていなければ、自分で可と判断しないで照会します。
例えば高さのある収納庫を置く計画なら、幅・奥行き・高さ、基礎やアンカーの有無を伝えます。取り外せる物なのか、地面や外壁に加工する物なのかが分かると、管理組合も該当するルールを確認しやすくなります。これは申請内容の例であり、設置を勧めるものではありません。
使用料と手入れ
専用庭使用料の有無と金額は、管理規約・使用細則・重要事項説明書で確認します。国土交通省の標準管理規約はひな形で、そのまま全物件の請求額を決めるものではありません。無料の庭も含め、現に適用されているルールで判断します。
使用料がある場合は、管理費・修繕積立金と分けて毎月の負担に加えます。例えば使用料が月800円なら年9,600円、10年で96,000円です。これは仮の金額による単純計算で、将来の改定や草刈り等の費用を含みません。面積の広さだけでなく、維持の手間も比較してください。
使用料を払っていることと、草刈りや清掃を誰がするかは別の確認項目です。日常の管理、植栽、排水設備、外構の修繕について担当範囲を読み分けます。
入居前なら、現在の庭の状態を写真で残し、売主の置いた物の撤去、植木の管理、枯れた枝の処理を誰がするかを確認します。専用庭に水道がある場合も、使用量の精算や漏水時の連絡先まで確認しておくと、入居後に管理会社へ聞き直す事項を減らせます。
\庭以外の維持費も合わせて確認/
買う時と売る時
購入時は、専用使用できる人、承継の扱い、使用料、管理の負担をまとめて確認します。「庭だけを他人に貸せる」「売却後も庭だけ使える」などと自己判断せず、規約の権利関係を担当者に説明してもらいます。
売主が設置したデッキや収納庫があれば、許可の有無、買主へ引き継げる物か、修繕時に誰が撤去するかも確認対象です。内見時に置いてあったという事実だけでは、設置の適法性や管理組合の承認まで分かりません。
資料をもらう順番
まず販売図面で専用庭の範囲を確認し、次に現行の管理規約と使用細則、最後に使用料や修繕の資料を確認します。国土交通省が公開する標準管理規約の最新版は令和7年10月17日改正ですが、実際のマンションが同じ内容に改定済みとは限りません。
私は、専用庭の良さは広さだけでは決めにくいと見ています。やりたい使い方が認められ、手入れできる範囲が分かって初めて、暮らしの中で使える面積になります。置きたい物を買ってから規約を探すより、購入前に計画を図にして確認する順番です。
情報確認:2026年10月22日。制度や申込方法は変更されることがあります。実際の契約・申請では、本文の公式案内と手元の書面を確認してください。
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