🗨️「再建築不可の家は、2025年4月の法改正のあと、どこまでリフォームできますか」
結論からいうと、「再建築不可の家は2025年4月からリフォームできなくなった」は誤りです。キッチン・トイレ・ユニットバスの交換、手すりの取り付け、屋根や外壁のカバー工法は、今も建築確認が要りません。確認が要るのは、木造2階建てなどで、壁・柱・床・はり・屋根・階段のどれかを半分を超えて骨組みから直す工事です。確認を受けずに工事をすると、建築主も業者も100万円以下の罰金などの対象になります。
[不動産] この記事の要点
2026年10月21日 発表
- 再建築不可の家を持っている人
- 再建築不可の中古住宅を買って直したい人
- 古い木造2階建てのリフォームを考えている人
再建築不可の家とは
再建築不可の家とは、壊すと同じ場所に新しい家を建てられない家のことです。建築基準法43条は、家の敷地が「道路」に2m以上接していなければならないと定めています。42条でいう道路は、原則として幅4m以上のものです。路地の奥の家や、階段でしか行けない家は、この条件を満たしていないことがあります。
神戸市の住宅・土地統計調査(2023年)では、敷地が道路に接していない住宅が9,500戸ありました。5年前の6,300戸から3,200戸増えています。幅4m未満の道にしか接していない住宅は、市の住宅全体の25.2%です。
| 敷地が接している道(神戸市・2023年) | 住宅の数 |
|---|---|
| 道路に接していない | 9,500戸 |
| 幅2m未満の道 | 34,300戸 |
| 幅2〜4m未満の道 | 150,000戸 |
| 幅4m以上の道 | 536,800戸 |
2025年4月の法改正
2025年4月から、木造2階建ての家の大規模なリフォームに建築確認が必要になりました。それまで木造2階建ては「4号建築物」と呼ばれ、リフォームの確認は不要でした。改正で「新2号建築物」に分けられ、2025年4月以降に工事を始めるものから手続きの対象になっています。
| 家の種類(改正後) | 例 | 大規模なリフォームの建築確認 |
|---|---|---|
| 新2号建築物 | 木造2階建て、延べ面積200㎡を超える木造平屋 | 必要 |
| 新3号建築物 | 延べ面積200㎡以下の木造平屋 | 不要 |
「大規模なリフォーム」とは、建築基準法の大規模の修繕・大規模の模様替のことです。家の主要構造部、つまり壁・柱・床・はり・屋根・階段のうち、1種類以上について半分を超える範囲を直す工事を指します。半分かどうかは部位ごとに測ります。
| 部位 | 「半分を超えるか」の基準 |
|---|---|
| 壁 | 壁の総面積 |
| 柱・はり | 総本数 |
| 床・屋根 | 総水平投影面積 |
| 階段 | その階ごとの総数 |
再建築不可の家は、もうリフォームできなくなったのですか。
結論からいうと、そうではありません。確認が要るのは「主要構造部の半分を超えて手を入れる工事」だけで、水回りの交換や仕上げの張り替えは今までどおりできます。私は、再建築不可の家を直すなら、部位ごとに半分を超えない計画を先に組むのが現実的だと考えます。
確認が要らない工事
国土交通省は、リフォームで確認が要るかどうかを写真つきの事例集にまとめています。キッチン・トイレ・ユニットバスの交換は「すべて建築確認不要」です。バリアフリーのための手すりやスロープの取り付けも、構造上重要でない間仕切り壁だけを直す工事も、確認は要りません。

| 工事 | 建築確認 |
|---|---|
| キッチン・トイレ・ユニットバスの交換 | 不要 |
| 手すり・スロープの取り付け | 不要 |
| 構造上重要でない間仕切り壁だけの改修 | 不要 |
| 屋根・外壁のカバー工法(上から重ねる) | 不要 |
| 屋根ふき材・外装材など仕上げ材だけの改修 | 不要 |
| 既存の床・階段に仕上げ材をかぶせる | 不要 |
確認が要る工事
確認が要るのは、骨組みまで手を入れて、その部位の半分を超える工事です。屋根なら垂木まで、床なら根太まで手を入れる改修がそれに当たります。高知県の運用基準は、合板などの下地を半分を超えて撤去すると該当する、と書いています。

| 部位 | 確認が要る工事の例 |
|---|---|
| 屋根 | 垂木まで及ぶ改修で、総水平投影面積の半分を超える |
| 壁 | 壁を構成する主要な材まで及ぶ改修で、総面積の半分を超える |
| 床(最下階を除く) | 根太まで及ぶ改修で、半分を超える |
| 階段 | 半分を超えて架け替える |
| 柱・はり | 半分を超える本数を交換する |
確認は、工事を始める前に終えておく必要があります。確認を受けずに工事をすると、建築主も工事をした業者も、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(建築基準法99条)。延べ面積100㎡を超える家の大規模なリフォームは、建築士が設計と工事監理をすることも必要です。
再建築不可の家で確認が要る工事をしたいときに、確認がどう扱われるかは、家ごとの道や敷地の状況で変わります。判断がつかないときは、市の建築指導の窓口(特定行政庁)に相談するよう、国交省の事例集も書いています。工事の契約より前に相談しておくと、計画を部位ごとに半分以下へ組み直す余地が残ります。
神戸市垂水区の塩屋は、坂と細い路地の先で建て替えが難しい土地が多く、壊さずに直して住み継ぐ家が多い町です。市の補助を使った改修の事例もまとめています。
よくある質問
Q. 再建築不可の家でキッチンやお風呂を替えられますか。
A. 替えられます。キッチン・トイレ・ユニットバスの交換は、2025年4月以降も建築確認が要りません(国土交通省の事例集)。
Q. 屋根の葺き替えに建築確認は要りますか。
A. 木造2階建てなどで、垂木まで手を入れて屋根の面積の半分を超えると必要です。屋根ふき材だけの交換や、上から重ねるカバー工法なら要りません。
Q. 平屋でも確認が要りますか。
A. 延べ面積200㎡以下の木造平屋(新3号建築物)は、大規模なリフォームでも確認は要りません。200㎡を超える平屋は必要です。
生活・仕事にどう効くか
- 要らない:キッチン・トイレ・ユニットバスの交換、手すり、屋根・外壁のカバー工法。
- 要る:新2号で、垂木・根太・柱など骨組みまで手を入れ、部位の半分を超える工事。
- 罰則:確認なしの工事は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(建築主・業者とも)。
結局どうすればよいか
- 家が木造2階建てか、平屋なら延べ面積が200㎡を超えるかを確かめる
- 工事が部位ごとに半分を超えるかを、見積もりの段階で業者に確かめる
- 迷ったら、契約の前に市の建築指導の窓口に相談する
公式出典
更新履歴
- 2026年10月21日 初版を公開
※本記事は2026年10月21日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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