🗨️「ヤシガニには毒があるのですか?」
沖縄県は「すべてのヤシガニが有毒というわけではない」と説明しています。ただ今回は、宮古島市の飲食店でヤシガニ料理を食べた旅行者2人の血液から、ネリイホリンという自然毒が見つかりました。ヤシガニの食中毒で県が店を処分したのは、1999年以来27年ぶりです。
[事件・事故] この記事の要点
2026年10月18日 発表
- 宮古島・八重山など沖縄の離島へ旅行して、ヤシガニ料理を食べる予定の人
- ヤシガニを食べたあとに体調を崩した人
県が発表した中身
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 発表 | 10月17日、沖縄県 |
| 食べた日 | 9月2日の夕方 |
| 場所 | 宮古島市内の飲食店(レストラン) |
| 食べた人 | 県外から来た旅行者2人 |
| 症状 | 下痢、嘔吐、だるさなど。食べたその日のうちに出た |
| その後 | 2人とも入院し、退院。今は回復している |
| 原因 | ヤシガニ。2人の血液から動物性自然毒「ネリイホリン」が見つかった |
| 処分 | 宮古保健所が10月17日の1日間、営業停止を命じた |
出典:琉球放送・琉球新報(いずれも10月17日)。店の名前は、どちらの報道にも出ていません。症状が出た時刻は琉球放送が「食べて約30分後」、琉球新報が「同じ日の夜から」と伝えていて、報道で食い違っています。
琉球新報によると、2人は翌日にクリニックを受診しても良くならず、その次の日に別の病院に入院しました。血液の検査でネリイホリンが見つかり、食事や行動を調べた保健所が、ヤシガニが原因の食中毒と断定しました。

ヤシガニに毒はあるのか
県薬務生活衛生課の担当者は、琉球新報の取材に「すべてのヤシガニが有毒というわけではない。まれな例」と答えています。ヤシガニは沖縄では昔から食べられてきた生き物で、料理として出す店もあります。
県の説明では、ヤシガニが有毒な成分を含む植物を食べて、体の中に毒をためた可能性があるとしています。ただ、どの植物なのかは発表されていません。毒がたまる仕組みや、体のどの部分にたまるのかも、詳しくは分かっていないといいます。

よく火を通して料理すれば、毒は消えるんじゃないの?
そうとは言えないんです。ネリイホリンが加熱で壊れるかどうかは、県から発表されていません。今回も、店で料理されたものを食べて起きています。沖縄にいる別の有毒なカニの毒(麻痺性貝毒など)は熱に強く、煮ても分解されないと、県の衛生環境研究所が書いています。
県の処分は27年ぶり
ヤシガニの食中毒で沖縄県が店を処分したのは、1999年以来、約27年ぶりです。県は琉球放送の取材に「まれな食中毒だが、重症化することもある」と話しています。
海外では、もっと重い例が学術誌に出ています。2010年の論文は、南太平洋のニューカレドニアでヤシガニを食べた2人が亡くなった例を、ネリイホリンによる中毒と結論づけました。現地では、ヤシガニの毒をミフクラギという木の実と結びつける言い伝えがある、とも書いています。ただし、今回の宮古島の例で原因の植物がミフクラギだとは、県は言っていません。
県内のカニの食中毒は、ヤシガニだけではありません。県衛生環境研究所によると、2024年には離島の海岸で旅行客が捕まえたカニを宿で汁にして食べ、舌や唇、手がしびれて救急車で運ばれています。残っていた汁からは、貝の毒の規制値の約6倍にあたる麻痺性貝毒が出ました。
| 今回のヤシガニ | 2024年の有毒ガニ | |
|---|---|---|
| どこで | 宮古島市の飲食店 | 離島の海岸で捕まえて宿で料理 |
| 毒 | ネリイホリン | 麻痺性貝毒 |
| 毒のもと | 植物を食べてためた可能性(県) | 毒を作るプランクトンを食べてためる |
| 主な症状 | 下痢、嘔吐、だるさ | 舌・唇・手のしびれ |
| 見た目で分かるか | 方法は示されていない | 見分けられない(県衛生環境研究所) |
出典:琉球放送・琉球新報(10月17日)、沖縄県衛生環境研究所「衛環研ニュース第51号」(2026年2月)。同研究所は、沖縄にいる麻痺性貝毒のカニとして、ウモレオウギガニ、スベスベマンジュウガニ、ツブヒラアシオウギガニの3種を挙げています。
具合が悪くなったら
県は、ヤシガニを食べて体調が悪くなったら、すぐに医師の診察を受けるよう、県民と観光客に呼びかけています。今回の2人は、最初に受診したクリニックで良くならず、翌日に別の病院で入院しました。保健所は、2人の食事や行動を調べてヤシガニにたどり着いています。受診のときは、何をいつ食べたかを伝えてください。
沖縄県(那覇市を除く)で2025年に起きた食中毒は10件・304人でした。2026年は5月までに7件・37人です。今回の件は、食べたのが9月2日で、県の発表は10月17日でした。
生活・仕事にどう効くか
- 沖縄の離島への旅行:県によると、ヤシガニが毒を持つ仕組みや、毒が体のどこにたまるかは詳しく分かっていません。毒のあるものを見た目で選り分ける方法も示されていません。
結局どうすればよいか
- ヤシガニを食べて具合が悪くなったら、すぐ医療機関を受診する(沖縄県の呼びかけ)
- 受診のときは、ヤシガニを食べたことと、食べた時刻を伝える
- 海辺で捕まえたカニは、自分の判断で料理して食べない
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くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
更新履歴
- 2026年10月18日 初版を公開
※本記事は2026年10月18日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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