🗨️「高速道路の逆走って、結局どれくらい起きているんですか」
2025年は297件で、集計を始めた2011年以降でいちばん多くなりました。国土交通省が9月9日の有識者委員会に出した資料に載っています。そして、この資料でいちばん変わったのは件数ではありません。逆走した人のうち65歳未満が約4割まで増え、事故に至ったケースでは65歳未満が65歳以上を上回りました。
[交通] この記事の要点
2026年9月16日 発表
- 高速道路をよく使う人
- 高齢の家族に運転を続けてもらうか迷っている人
- スマートICや料金所の手前で道を間違えた経験がある人
2025年は297件、2011年以降でいちばん多い
国土交通省が9月9日の有識者委員会に出した資料に、高速道路の逆走件数が載っています。2025年は297件。集計を始めた2011年以降で最多でした。
毎年200件前後で推移してきた数字が、この2年で跳ね上がっています。
| 年 | 逆走事案 | うち事故 |
|---|---|---|
| 2021年 | 200件 | 44件 |
| 2022年 | 204件 | 45件 |
| 2023年 | 224件 | 39件 |
| 2024年 | 259件 | 57件 |
| 2025年 | 297件 | 64件 |
1年を365日で割ると、およそ1.2日に1回、日本のどこかの高速道路で車が逆向きに走っているという計算になります。
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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事故になるのは2割。でも死亡事故では35倍になる
297件のうち、物損・負傷・死亡のいずれかに至ったのは22%でした。この割合自体は毎年21〜24%で、大きくは動いていません。
問題は、事故になったときの重さのほうです。同じ資料が、高速道路の事故全体と逆走事故を並べています。
| 区分 | 高速道路の事故全体 | 逆走事故 |
|---|---|---|
| 件数(2011〜2025年の累計) | 766,612件 | 645件(0.1%) |
| 重大事故(負傷・死亡) | 69,367件 | 234件(0.3%) |
| 死亡事故 | 1,993件 | 59件(3.0%) |
件数では0.1%しかないのに、死亡事故では3.0%を占めます。資料はこれを「死亡事故は約35倍、重大事故は約4倍」と書いています。逆走そのものはめったに起きないが、起きたときに死ぬ確率が桁ちがいに高い、ということです。
「逆走は高齢者の問題」が崩れた
この資料でいちばん変わったのは、件数ではなく年齢の内訳です。
2011〜2024年を通してみると、逆走した人は65歳未満が約3割、65歳以上が約7割でした。ところが2025年は、65歳未満が約4割、65歳以上が約6割。
さらに、事故に至ったケースに限ると差がはっきりします。
| 逆走事故の運転者 | 2011〜2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 65歳未満 | 約5割 | 約5割 |
| 65歳以上 | 約5割 | 約4割 |
2025年は65歳未満の割合が65歳以上を上回りました。「うちの親がそろそろ危ない」という話だけで済ませられる数字ではなくなっています。
私はこの逆転を、高齢者が減ったのではなく、若い層の逆走が増えたと読んでいます。同じ資料で「故意」の逆走が増えているからです。
動機は「故意」が増えている
資料は逆走の動機を3つに分けています。故意(逆走だと分かって始めた)、過失(間違えて始めた)、認識なし(最後まで逆走に気づかない)です。
2015〜2024年の累計では故意が約2割、過失が約4割、認識なしが約3割。2025年は故意が約3割に増えました。事故に至ったケースではもっと極端で、故意が約4割まで上がり、過失が約2割に減っています。
「認識なし」はどちらかといえば高齢の運転者に多い型です。それに対して故意は、行き先を通り過ぎた、出口を間違えた、といった場面で意図的に戻ろうとする行動で、年齢を問いません。
始まる場所は、料金所の前後が増えている
逆走がどこから始まるかも数えられています。いちばん多いのは分合流部・出入口部、次いで料金所前後、単路部です。
2025年に目立ったのは次の2つでした。
- 料金所前後が前年までより増えた。事故に限れば、2025年は料金所前後が分合流部を抜いて最多になった
- 一般道側との接続部が120件で過去最大。高速の出口から一般道へ合流する部分、入口料金所の手前と通過後を合わせた数字
つまり、高速道路の本線をひたすら走っている最中ではなく、料金所やインターの周りの、道が枝分かれしているところで起きているということです。ETCの普及で料金所をそのまま通り抜けるようになり、速度を落として周囲を見る機会が減ったことも関係していると私は見ています。
間違えたと気づいたら、その場で戻らない
実際に道を間違えたときにやることは決まっています。
- 転回しない。その場でUターンした瞬間に、逆走事故の当事者になる
- 路肩に停めて、道路緊急ダイヤル♯9910に通報する。係員が誘導してくれる
- 出口を通り過ぎたなら、次の出口で降りて戻る。乗り継ぎの料金調整がある区間も多い
逆走車に出会う側の備えもあります。対向から来る車は追い越し車線側を走ってくることが多いので、走行車線に寄る。ハザードランプで後続に知らせる。この2つです。
生活・仕事にどう効くか
- 運転:逆走は全体の0.1%しか起きないが、死亡事故に占める割合は3.0%。高速道路の事故全体と比べると、逆走の死亡事故は約35倍の起こりやすさになる。
- 家族:「逆走は高齢者の問題」で片づけられなくなった。2025年の逆走事故では65歳未満が約5割で、65歳以上を上回っている。
結局どうすればよいか
- 料金所を出た直後とスマートICの入口で、進行方向の矢印を1回見る
- 道を間違えたと気づいても、その場で転回せず路肩に停めて♯9910に通報する
- 逆走車に出会ったら追い越し車線を避け、ハザードで後続に知らせる
公式出典
- 国土交通省 第9回 高速道路での逆走対策に関する有識者委員会 資料Ⅰ 高速道路の逆走発生状況(2026年9月9日発表)
- 国土交通省 高速道路での逆走対策に関する有識者委員会(2026年9月9日発表)
更新履歴
- 2026年9月16日 初版を公開。2026年9月9日の有識者委員会 資料Ⅰの数値を記載。
※本記事は2026年9月16日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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