🗨️「紅海が封鎖されると、日本に住んでいる自分には何が関係あるんですか」
アジアとヨーロッパを結ぶ船がスエズ運河を通れなくなり、アフリカの南端を回るからです。2024年に同じことが起きたとき、スエズ運河の通航は月2,200〜2,300隻から1,000隻前後へ半減し、上海からロッテルダム向けのコンテナ運賃は40フィートで3,000ドル台から8,267ドルまで上がりました。運賃は最後に店頭の値札へ乗ります。
[国際] この記事の要点
2026年9月16日 発表
- 輸入品の値上がりが気になる人
- 海外から部品を取り寄せている事業者
- ガソリン価格の先行きを見ている人
船が通れなくなると、アフリカの南端を回る
紅海は、アジアとヨーロッパを最短で結ぶ通り道です。インド洋から紅海に入り、北の端にあるスエズ運河を抜けると地中海に出ます。
その紅海の南の入口が、バブ・エル・マンデブ海峡です。イエメン側とアフリカ側に挟まれた、いちばん狭いところで30キロほどの水路。ここが安全に通れないと、船は紅海に入る意味がなくなります。
代わりの道は1本しかありません。インド洋からアフリカ大陸の南端、喜望峰をぐるりと回って大西洋へ出る航路です。スエズを抜けるより、はるかに遠回りになります。

2024年に、実際に半減した
「もし封鎖されたら」という話ではありません。2024年に一度、同じことが起きています。
ジェトロ(日本貿易振興機構)がまとめた分析に、通航隻数の数字が残っています。
| 航路 | それ以前 | 2024年2月以降 |
|---|---|---|
| スエズ運河 | 月2,200〜2,300隻 | 月1,000隻前後 |
| 喜望峰ルート | 月1,422隻(前年同期) | 月2,530隻 |
スエズが半分以下に減り、喜望峰が8割近く増えました。同じ船が、別の道へ移っただけです。
運賃は2.5倍になった
遠回りすれば、燃料も日数も余計にかかります。それは運賃に乗ります。
ドゥルーリー社のワールドコンテナ指数によると、上海からロッテルダム向けの40フィートコンテナ運賃は、2024年5月前半の3,000ドル台から、7月第3週に8,267ドルまで上がりました。ジェノバ向けも同じ時期に7,727ドルです。
2か月あまりで2.5倍。この上がり方が、時間をおいて輸入品の仕入れ値に入り、最後に店頭の値札になります。
日本に効いてくるのは3つ
日本からヨーロッパへ向かう船も同じ航路を使うので、影響の出方は決まっています。
- 納期が延びる。取り寄せの部品や商品が、これまでと同じ日数では着かなくなる
- 輸入品の値段に乗る。運賃は原価なので、しばらく遅れて価格に出る
- 原油の値動きが荒くなる。産油国の周辺で船の安全が問題になると、市場が反応する
3つ目については、実額を自分で確かめられます。資源エネルギー庁が毎週、全国のガソリンスタンドの小売価格を調査して公表しているので、報道の見出しではなくそこを見るほうが確実です。
今回は「同時に」起きているのが違う
2024年と2026年で条件が変わっている点が1つあります。ペルシャ湾の出口であるホルムズ海峡の情勢も同時に不安定になっていて、迂回路の選択肢が減っていることです。
海運業界紙の報道では、紅海に戻る計画を立てていた大手船社が、その計画を取り下げたと伝えられています。ただしこれは各社の経営判断で、公式に発表された航路計画ではないので、確定した話としては扱いません。
確かなのは、船が喜望峰を回っているあいだ、運賃と納期は元に戻らないということです。
生活・仕事にどう効くか
- お金:2024年の同じ局面で、上海発ロッテルダム向けの40フィートコンテナ運賃は3,000ドル台から8,267ドルへ上がった。運賃は仕入れ値に乗るので、店頭価格に遅れて出てくる。
- 物流:喜望峰回りは距離が伸びるぶん、荷物が着くまでの日数が延びる。取り寄せの納期が動く。
結局どうすればよいか
- 海外から取り寄せる予定があるなら、納期に余裕を見ておく
- ガソリンや灯油の価格は、資源エネルギー庁の週次調査で実額を確認する
公式出典
- ジェトロ 紅海情勢悪化による物流への影響(地域・分析レポート)(2024年9月3日発表)
- 資源エネルギー庁 給油所小売価格調査(2026年9月16日発表)
更新履歴
- 2026年9月16日 初版を公開。ジェトロの分析レポートの数値で、迂回が起きたときに何が動くかを整理した。
※本記事は2026年9月16日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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