🗨️「生野区の倒壊した家屋は、所有者が分かった。いつ撤去されるの?」
撤去の日程はまだ決まっていません。大阪市は10月8日の発表で、所有者と連絡が取れたとして、危険な状態の除去と私道上のがれきの撤去を早急に行うよう指導していると説明しました。前の私道は一部が通れないままで、解除のめどは立っていません。
[空き家] この記事の要点
2026年10月9日 発表
- 生野区中川西1丁目の周辺に住み、この私道を通っている人
- 倒れた家と壁を共有する長屋や、隣り合う家に住んでいる人
- 近所に傷んだ空き家や長屋があり、崩れないか心配している人
所有者判明までの経過
| 日付 | 出来事 | 出どころ |
|---|---|---|
| 10月1日(木) | 近所の住民が119番に連絡したと報じられた | 読売テレビ(10月6日) |
| 10月4日(日) | 11時ごろ、家屋の一部が倒壊。前の私道が通れなくなった。けが人はなし | 大阪市(第1報) |
| 10月5日(月) | 11時ごろ、市職員が現地を確認。19時ごろ、カラーコーンと注意喚起の掲示 | 大阪市(第1報) |
| 10月7日(水) | 所有者と連絡が取れる状況になり、市が必要な対策を講じるよう指導 | 大阪市(第2報) |
| 10月8日(木) | 11時ごろ、市職員が所有者と現地で立ち会い。13時20分ごろ、残っていた部分の一部ががれきの上に落下。人的被害はなし | 大阪市(第2報) |
| 10月8日(木) | 所有者が、がれきの撤去と建物の解体の意向を示した。作業の日程は未定 | 読売テレビ(10月8日) |
市の発表の言い方は「所有者と連絡が取れる状況となり」です。「判明」と伝えたのは報道で、読売テレビによると、区役所の情報などを照会して分かりました。所有者は市から連絡があるまで、倒壊を把握していなかったといいます。
当サイトが10月6日に出した初報の記事では、持ち主がはっきりしないと書き、第2報は出ていないと書きました。その後に所有者と連絡がつき、第2報も出たため、この2点は変わっています。
撤去の日程と前の道
作業の日程は、市の発表にも報道にも出ていません。第2報が示すのは、所有者への指導までです。前の私道について、第1報は「通行できない」、第2報は「一部が通行できない」と書いています。市の位置図は、倒れた家屋の前の路地の一区間を通行制限区間としていますが、長さは書かれていません。

関西テレビは、隣の家の住人が危険なため自宅で寝泊まりできず、別の場所で暮らしていると伝えています(10月6日放送)。
MBS(毎日放送)は、弁護士の話として、前の道が私道で、がれきも個人の財産にあたるため、行政が無断で手を付けにくいと伝えています。読売テレビによると、市は所有者が分からなかった間、強制撤去も検討していました。
空家法で、持ち主が分からないときに市が代わりに壊す手続きは「略式代執行」です。条文は、その条件を、過失がなく措置を命じる相手を確知できないとき、としています(22条10項)。条文の上では、所有者と連絡が取れた今は、この条件に当てはまりません。市がどの法律で進めるかは、発表に書かれていません。
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長屋は空き家に数えられない?
「20年近く誰も住んでいない家は、空き家のはず」と考えるのがふつうです。関西テレビは、この家に20年近く人が住んでいなかったとされると伝えています(近隣住民の話として「10年以上」という読売テレビの報道もあります)。それでも空き家に当たらないと説明されたのは、空家法が建物ごとに見るためです。
空家法の「空家等」は、建築物で、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの、と定義されています(2条1項)。国と大阪市の資料は、長屋を次のように扱っています。
| 資料 | 長屋について書いてあること |
|---|---|
| 国のガイドライン(国土交通省・2026年9月3日改正) | 隣の住戸との界壁が二重になっているなど、住戸ごとに別個の建築物なら、それぞれが空家法の「建築物」にあたる。別の項では、他の法令なら空家等以外の建築物も対象になりうるとして、例に「長屋等の一部の住戸が空室となっている建築物」を挙げている |
| 大阪市生野区のアクションプラン(第3期) | 空家法の空家等は「建築物内の全ての住戸・店舗等が空室」のものとされ、長屋で一部住戸のみが空室のものは含まれない。こうした長屋を「一部居住長屋」として対象に加え、倒壊の危険があるものは建築基準法に基づく指導の対象としている |
| 住宅・土地統計調査(総務省・2023年10月1日) | 生野区の空き家は20,890戸、空き家率は22.8%で市内2位(市全体は16.1%)。住戸を単位に数える標本調査で、そのままでは住めない「廃屋」は住宅に入れない。区の計画書は、この統計には長屋の一部空室も入ると説明している |
1棟でつながった長屋で、どこかの住戸に人が住んでいれば、空いた1戸は空家法の「空き家」に入らない。これが大阪市の資料の説明です。国の基本指針とガイドラインを通して読むと、長屋に触れているのは上の2か所で、この結論そのものを書いた一文はありません。
空き家率22.8%は統計の数字で、法律上の「空家等」の数ではありません。関西テレビは、この家は22.8%に含まれていないと伝えていますが、統計は標本調査の推計値で、個々の家が入っているかどうかは外からは確かめられません。
報道が食い違う点
この件は、市が空き家と判断したのかどうかが、報道ごとに違って読めます。当サイトの10月6日の記事も、ABCテレビ(朝日放送テレビ)の報道をもとに書きました。
| 出どころ | 伝えていること |
|---|---|
| 大阪市の発表(10月5日・8日) | 空家法や「空き家」への言及はない。第2報は所有者への指導を伝えている |
| 当サイトの10月6日の記事(ABCテレビの報道) | 倒れた部分を別の建物として扱い、空家法の空き家にあたると判断 |
| 関西テレビ(10月6日放送) | 長屋全体を1棟と数え、どこかに居住者がいれば空き家にならないため、空き家には該当しないと判断。同じ記事の別のページでは、倒壊部分を個別の建物と判断し、強制撤去などを検討 |
| MBS(10月7日) | 市はこの建物を当初「長屋構造」と見ていたため、空き家とは認識しておらず、対応に遅れが出たという事情がある |
報道を順に並べると、倒れる前は長屋として扱って空き家に数えず、倒れたあとは倒れた部分を別の建物として扱った、と読めば筋は通ります。ただ、これは報道の文面を並べた読み方で、市が説明した内容ではありません。市がどの法律でどう扱っているかは、確認できていません。
近所の人が今できること
長屋や、壁を共有する家に住んでいる人は、ひびや傾きに気づいた日付と写真を残しておくと、窓口に伝えるときの材料になります。関西テレビの取材に、倒れた家の隣の住人は、両家の間にひびが入っていたと話しています。倒れた原因は発表されていません。
窓口には、最初に「長屋の一部で、ほかの部屋には人が住んでいる」と伝えます。通報先と、市が壊すまでの段階は隣の空き家が崩れそう/通報先は市の空き家窓口にあります。
がれきや落下物で家や車が傷んだときは、持ち主への請求と、自分の火災保険を使う順番が問題になります。
生活・仕事にどう効くか
- 前の道を通るとき:私道の一部が通れない状態が続く。市は解除のめどが立っていないとしている
- 撤去までの時間:所有者が撤去と解体の意向を示したと報じられたが、日程は未定。市は所有者に早急な措置を指導している
- 離れた家を持つ人:所有者は市から連絡があるまで倒壊を把握していなかったと報じられた。国のガイドラインは、所有者探しに登記簿・住民票・固定資産税の情報などを使うとしている
結局どうすればよいか
- 市の掲示とカラーコーンの先には入らない。10月8日にも残っていた部分が落ちている
- 現場についての問い合わせは、大阪市 計画調整局 建築指導部 監察課(06-6208-9310)へ
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
公式出典
- 大阪市 報道発表「生野区中川西1丁目6番付近における家屋の一部倒壊に伴う通行制限について(第2報)」(2026年10月8日発表)
- 大阪市 報道発表「生野区中川西1丁目6番付近における家屋の一部倒壊に伴う通行制限について(第1報)」(2026年10月5日発表)
- 大阪市生野区「生野区空家等対策アクションプラン(第3期)」(2026年5月27日発表)
- 国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」(2026年9月3日発表)
- 総務省・国土交通省「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」(2026年9月3日発表)
- e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」
- 大阪市「令和5年住宅・土地統計調査結果(確報)<大阪市> 結果の概要」
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説」
- 読売テレビ「“倒壊家屋”の所有者が判明 大阪市にがれきの撤去・建物解体の意向示す」(2026年10月8日発表)
- 関西テレビ「住宅が倒壊し道路封鎖 20年近く人が住んでいなくても「空き家」に該当せず」(FNNプライムオンライン)(2026年10月7日発表)
- MBSニュース「【危険な空き家】突然『倒壊』も撤去進まず…行政が手を出せない事情とは?」(2026年10月7日発表)
更新履歴
- 2026年10月9日 初版を公開
※本記事は2026年10月9日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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