🗨️「八郎山(はちろうさん)トンネルが開通したって聞いたけど、あれどこにあるの?」
和歌山県の南のはし、串本町と那智勝浦町のあいだの山の中です。県道234号 長井古座線のトンネルで、長さは711メートル。2026年9月20日の午後4時に通れるようになりました。もともとは2023年12月に開く予定で、2年9か月遅れています。
[交通] この記事の要点
2026年9月21日 発表
- 串本町・那智勝浦町・古座川町に住んでいる人
- 紀伊半島の南部を車で走る人
- 南海トラフ地震のときの逃げ道を気にしている人
場所は串本町と那智勝浦町のあいだ、山の中
八郎山トンネルは、和歌山県道234号 長井古座(ながいこざ)線のトンネルです。和歌山県の調査報告書に書かれている場所と規模はこうなっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 那智勝浦町中里から串本町上田原をまたぐ |
| 路線 | 和歌山県道234号 長井古座線 |
| トンネル延長 | 711メートル |
| 幅(路肩を含む) | 6.5メートル |
| 工法 | NATM |
| 当初の供用予定 | 令和5年12月 |
紀伊半島の南のはしです。この一帯は海沿いの国道42号が事実上1本しかなく、そこが止まると行き来ができなくなります。山の内側を抜ける道が1本増えた、というのが今回の意味です。
供用開始は2026年9月20日の午後4時。今回開いた区間を含めて、約3.4キロが通れるようになりました。
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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検査に合格して引き渡されたあとで、空洞が見つかった
このトンネルが3年近く遅れた理由は、工事のやり直しです。ただ、遅れの出方がふつうではありません。
和歌山県の技術検討委員会の調査報告書(令和6年6月・概要版)には、経緯がこう書かれています。
完成検査・引渡し(R4.9.29)の後、照明設置工事の際に覆工コンクリートに空洞が存在していることが判明(R4.12.14)
― 和歌山県「県道長井古座線 八郎山トンネル 技術検討委員会 調査報告書【概要版】」令和6年6月
2022年9月29日に完成検査を通って引き渡され、2022年12月14日に、照明を付ける工事をしていて空洞に気づいた。順番はこうなっています。
検査に合格したことと、中身が設計どおりであることは、この現場では一致していませんでした。
壁の厚さは、いちばん薄いところで3センチ
その後の調査で何が分かったのか。報告書の数字をそのまま並べます。
| 調べたこと | 結果 |
|---|---|
| トンネルの中心線のズレ | 設計より左へ、最大144ミリ |
| トンネルの高さ | ほぼ全区間で不足。最大47ミリ不足 |
| 壁(覆工コンクリート)の裏の空洞 | 全スパンの約7割で発生。空洞の厚さは最大17センチ |
| 壁の厚さ不足 | 全スパンに存在。いちばん薄いところで3センチ |
| 鉄の支え(鋼アーチ支保工)の位置 | ある区画では中心から約100ミリ左にズレ、間隔が370ミリ狭い |
| 床のコンクリート | ある区画付近で支保工が内側へ269ミリ食い込み、厚さが不足 |
「一部が甘かった」という話ではありません。壁の厚さ不足は全スパン、つまりトンネルの全長にわたっていました。
さらに報告書には、本来やるべき計測について「計測A、吹付けコンクリート厚の測定をほとんど行わず、虚偽のデータを提出」と書かれています。
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