🗨️「9月になったら、ガソリン代はまた上がるのでしょうか?」
2026年8月25日、高市早苗首相が、ガソリン価格の上昇を抑えるための補助について、9月以降も継続する方針を表明しました。全国平均で1リットルあたり170円程度に抑える、という目安もそのまま維持されます。
いま行われているのは「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」という制度で、2026年3月19日に始まりました。今回の表明は、この措置を9月以降も続けるために、財源として「中東情勢等の対応の予備費」を活用する、という内容です。
ただし、ひとつだけ先にお伝えしておきたいことがあります。これは「全国のどのガソリンスタンドでも170円になる」という意味ではありません。あくまで全国平均を170円程度に抑えるための補助であり、実際に給油するときの値段は、地域やお店によって違います。
ガソリン補助金、9月以降も継続へ
高市首相は8月25日、記者団の取材に対して次のように述べました。
中東情勢は依然として不透明であり、原油価格の見通しは困難な状況だ
国民の皆様の命と暮らしを守り、経済活動に支障を生じさせないよう、中東情勢等の対応の予備費を活用して、ガソリン価格を引き続き全国平均リッター170円程度に抑制していくこととした
FNNプライムオンライン、共同通信の報道より(2026年8月25日)
発表の中身を整理すると、こうなります。
| 表明日 | 2026年8月25日 |
| 表明したのは | 高市早苗首相 |
| 方針 | ガソリン価格を全国平均1リットル170円程度に抑える補助を、9月以降も継続 |
| 理由 | 中東情勢が依然として不透明で、原油価格の見通しが立てにくいため |
| 財源 | 「中東情勢等の対応の予備費」を活用し、必要な基金規模を確保 |
| 指示 | 赤沢経済産業相に対し、片山財務相と所要の調整を進めるよう指示 |
「新しい制度が始まる」のではなく、「3月から続いている補助を、9月以降も止めずに続ける」という話だと考えると、わかりやすいと思います。
現在のガソリン価格は?
資源エネルギー庁が毎週行っている石油製品価格調査によると、2026年8月17日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は1リットルあたり169.8円でした。前の週から0.3円の値下がりです。
高市首相も25日、この169.8円という数字に触れています。目安としている170円程度の範囲に、いまのところ収まっている状態です。
補助として実際に出ている金額(支給単価)は、8月20日から8月26日に適用される分で次の通りです。
| 油種 | 支給単価(1リットルあたり) |
|---|---|
| ガソリン | 26.0円 |
| 軽油 | 26.0円 |
| 灯油 | 26.0円 |
| 重油 | 26.0円 |
| 航空機燃料 | 10.4円 |
出典:資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」特設サイト(2026年8月19日更新)
参考までに、この措置が始まる直前、2026年3月16日時点の全国平均は190.8円でした(経済産業省資料)。そこから補助が入って、いまの170円前後という水準になっています。
なお、価格調査は毎週行われ、公表までに数日かかります。この記事の数字も、お読みの時点では更新されているかもしれません。最新の値は資源エネルギー庁の公表ページでご確認ください。
「170円で固定」されるわけではない
ここがいちばん誤解されやすいところなので、少し丁寧に書きます。
政府がやっているのは、石油の元売り会社などにお金を出して、その分だけ店頭価格が下がるようにすることです。価格そのものを法律で「170円にしなさい」と決めているわけではありません。目標にしているのも、全国のガソリンスタンドの価格を平均した数字です。
ですから、次のようなことが起こります。
- すべてのガソリンスタンドが170円になるわけではありません
- 地域差があります。輸送にコストのかかる離島や山間部などは、高くなりやすい傾向があります
- 店舗差があります。同じ市内でも、道路を1本はさんだだけで値段が違うことは珍しくありません
- セルフかフルサービスか、会員価格やアプリ割引があるかどうかでも変わります
- 原油価格や為替(円安・円高)の動き次第で、全国平均そのものも上下します
「170円」は、あくまで政策の目安です。給油したときのレシートに170円と印字されることを約束するものではない、と考えておくのが正確です。
なぜ補助を続ける?
背景にあるのは中東情勢です。
日本が使う原油の多くは、中東から船で運ばれてきます。そのため、産油国の周辺で情勢が不安定になると、「この先、必要な量がきちんと届くのだろうか」という不安が広がり、原油の取引価格が上がりやすくなります。日本は原油のほとんどを輸入に頼っているので、その値上がりがガソリン価格まで伝わってきます。
今回の補助も、2026年2月末以降の情勢悪化を受けて3月19日に始まったものです。高市首相は25日、「中東情勢は依然として不透明であり、原油価格の見通しは困難な状況だ」と述べました。先が読みにくいからこそ、いったん止めるのではなく続ける、という判断だといえます。
財源に使われる「予備費」は、あらかじめ細かい使いみちを決めずに確保しておく予算のことです。想定外の事態にすばやく対応するためのもので、今回は「中東情勢等の対応の予備費」がこれに充てられます。高市首相は、必要な基金の規模を確保するため、赤沢経済産業相に対して片山財務相と調整を進めるよう指示しました。
私たちの生活への影響
車通勤・送迎・買い物
ガソリンをたくさん使うご家庭ほど、価格が抑えられることの意味は大きくなります。毎日の通勤、子どもの送り迎え、習い事、週末のまとめ買い。電車やバスの本数が少ない地域では、車がないと生活が回らない、という方も多いと思います。
たとえば月に100リットル給油する家庭なら、1リットルあたり10円違うだけで、ひと月あたり1,000円ほど変わる計算です(あくまで単純計算です)。年間で考えると、それなりの金額になります。
ただし気をつけたいのは、これは「ガソリンが安くなる」政策ではなく、「急な値上がりを抑える」政策だということです。今より下がることを約束するものではありません。
物流・宅配・営業車
トラック輸送や宅配、営業車での外回りでは、燃料費がコストの一部を占めます。燃料の値段が急に跳ね上がる状況が抑えられれば、事業者にとっては見通しを立てやすくなる面があります。
ただ、送料や商品の値段が下がる、と決まったわけではありません。送料も物価も、燃料費だけで決まるものではないからです。人件費、車両の維持費、保険料、荷物の量、そのときの需要。いろいろな要素が重なって決まります。「補助が続く=送料が下がる」とは考えないほうがよさそうです。
不動産・引っ越し
不動産の仕事も、実はよく車を使います。物件のご案内、現地の写真撮影、鍵の受け渡し、看板の設置、役所での調査。1日に何件も回れば、それだけ燃料を使います。引っ越しや大型家具の配送も同じです。
とはいえ、ここでも燃料費は数ある要素のひとつにすぎません。ガソリン補助が続くことが、そのまま引っ越し費用の値下げや不動産価格の変化につながるわけではない、という点は押さえておきたいところです。作業する人の数、時期(3月は繁忙期です)、距離、荷物の量のほうが、金額への影響は大きくなります。
ガソリン補助金はいつまで?
結論から書きます。終了時期は、現時点では公表されていません。
8月25日の表明で示されたのは「9月以降も継続する」という方針までです。「いつまで続けるのか」「どの段階で終了したり縮小したりするのか」については、今回の発表では明らかにされていません。資源エネルギー庁の特設サイトにも、緊急的激変緩和措置の終了予定日は掲載されていません。
また、補助の支給単価は毎週見直され、原油価格や為替の動きに応じて増減します。実際、8月20日からの単価は、その前の週より拡大しました。制度そのものの扱いも、今後の情勢次第で変わる可能性があります。
「いつまで続くのか」を知りたいときは、うわさや予測ではなく、資源エネルギー庁の公表内容や政府の正式発表を確認するのが、いちばん確実です。
まとめ
- 2026年8月25日、高市首相がガソリン補助を9月以降も継続する方針を表明しました
- 目安は全国平均1リットル170円程度。財源には「中東情勢等の対応の予備費」を活用します
- 8月17日時点の全国平均は169.8円でした(資源エネルギー庁調査)
- 「170円で固定」ではありません。地域差・店舗差があり、実際の店頭価格は違います
- 中東情勢や原油価格の動き次第で、今後の政策が変わる可能性はあります
- 終了時期は、現時点では公表されていません
- 最新の価格や制度の中身は、資源エネルギー庁など公式の情報でご確認ください
参考・出典
政府・公的機関
- 資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」特設サイト:https://nenryo-teigakuhikisage.go.jp/
- 資源エネルギー庁「石油製品価格調査 調査の結果」:https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/results.html
- 資源エネルギー庁「日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い? 中東情勢を踏まえた燃料油の『緊急的激変緩和措置』」:https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fuel_price_shien_2026.html
- 経済産業省「中東情勢を踏まえた燃料油・石油製品の安定供給確保」(内閣官房 中東情勢に関する関係閣僚会議 資料):https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chyutoujyousei/dai1/pdf/siryou4.pdf
報道
- FNNプライムオンライン「【速報】ガソリン補助金継続へ『引き続き170円程度に』高市総理が表明 赤沢経産大臣に片山財務大臣と調整を指示」(2026年8月25日):記事を見る
- 共同通信「首相、ガソリン価格170円維持を表明」(2026年8月25日/沖縄タイムス掲載):記事を見る
更新履歴
2026年8月25日 公開(8月25日の高市首相の表明、および資源エネルギー庁による8月17日時点の全国平均価格169.8円をもとに作成)

