🗨️「Excelで1つのセルに担当者を何人も入れられるようになったって本当?」
本当です。Microsoft(マイクロソフト)は米国時間9月24日、1つのセルに複数の値を入れて、1つずつ絞り込みや計算に使える新機能「Lists(リスト)」を発表しました。ただし今使えるのは、Microsoft 365のサブスクリプションで「Beta Channel(ベータチャネル)」に参加しているWindows版とMac版だけです。公式は、正式版になるまで大事なブックでは使わないよう勧めています。
[IT・ネット] この記事の要点
2026年9月30日 発表
- 担当者・タグ・アンケートの複数回答などを、1つのセルに「、」や「,」でまとめて書いている人
- Microsoft 365を契約していて、新機能を早めに試したい人
1セル1データが変わる
Microsoftの公式ブログは、Excelの40年の歴史でセルに入れられる値はずっと1つだった、と書いています。今回のLists(リスト)は、そこを変える機能です。
たとえば案件の担当者が3人いる表。これまでは列を3つに分けるか、「田中, 佐藤, 鈴木」と1つのセルに文字で書くしかありませんでした。文字で書いた場合、Excelにとってはただの1つの文字列です。リストにすると、3人をまとめて1つのセルに置いたまま、1人ずつ絞り込みや計算に使えます。
AIを自分の側に置くなら、最初の1冊
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文字でまとめた場合との違い
| やりたいこと | 従来(文字でまとめる) | リスト |
|---|---|---|
| 入れ方 | 「,」や「、」でつないで入力 | 挿入メニューの List(リスト)かCtrl+J(コントロールキーとJ)で作り、カンマかセミコロンで区切って入力 |
| 中身の確認 | セルの文字を読む | セルのアイコンを選ぶと1つずつ表示 |
| フィルター | 文字列全体でしか選べない | 1項目ずつ選べる |
| 他のセルから参照 | 文字がそのまま返る | 「=B2」で値が別々のセルに広がる |
| 直し方 | 文字を打ち直す | ダブルクリックかF2で項目を足す・消す |
カンマで区切るかセミコロンで区切るかは、パソコンの地域設定で変わります。
便利になる作業の例
公式ブログが例に挙げているのは、次のような「1行に対して値がいくつもある」表です。
- 案件管理表の担当者・作業の流れ・節目の日付
- Forms(フォームズ)のアンケートで、1人が選んだ複数の時間帯
- 在庫表や顧客名簿のタグ・拠点
- ランニングの記録で、1回ごとに数が違う1kmごとのタイム
アンケートの例では、「14:00、14:30、15:00」のように1つの回答に入ってくる複数の選択肢を、1つのセルに入れたまま扱えるとしています。
数式の結果も1セルに
リストと一緒に、次の機能も入りました。
- 複数の結果を返す数式を { } で包むと、結果を1つのセルに収められる
- 配列の中に配列を入れられる。これまで途中で切れたり計算エラーになったりした数式が、全部の結果を返す
- 新しい関数 FLATTEN(フラットン)・HAS(ハズ)・HASANY(ハズエニー)・HASALL(ハズオール)
HASは「この人が担当に入っている案件か」を調べる関数、HASANYは「幹部の誰か1人でも入っているか」、HASALLは「必要な人が全員そろっているか」を調べる関数として紹介されています。FLATTENは、入れ子になった結果を1列に並べ直します。
入れ子の計算には、ブックの「互換性バージョン3」が必要です。[数式]→[計算方法の設定]で切り替えます。バージョン3では既存の数式の結果が変わる場合があると公式は書いています。
試せる人と試し方
提供先はBeta Channelだけで、順番に配っているため、条件を満たしてもすぐに出ないことがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Windows | バージョン2610(ビルド20520.20000)以降 |
| Mac | バージョン16.114(ビルド26092111)以降 |
| 必要な契約 | Microsoft 365のサブスクリプション(参加は追加料金なし) |
| 使えない版 | 買い切りのOffice(オフィス)2016・2019・2021・LTSC(法人向けの長期サービス版) |
個人・家族向けの契約なら、自分で更新チャネルを切り替えられます。会社や学校の契約は、管理者が止めていると切り替えられません。ブラウザーで使う版は、今回の案内に入っていません。
プレビュー中は、条件付き書式・入力規則のドロップダウン・グラフ・ピボットテーブル・Power Query(パワークエリ)・検索と置換が、リストの中身をまだ扱えません。公式ブログには次の一文があります。
We don’t recommend using them in important workbooks until they’re generally available.
(正式に提供されるまで、大事なブックでは使わないことを勧めます)
— Microsoft 365 Insider Blog
試すなら、コピーした練習用のブックで。Beta Channelのビルドは、Microsoftのサポート窓口の対象外です。
生活・仕事にどう効くか
- 担当者が複数いる案件表:これまで「田中, 佐藤」と文字でまとめたセルは、フィルターで「田中」だけを選べませんでした。リストにすると1人ずつ選べます。
- 今の仕事のファイル:プレビュー中はピボットテーブルやグラフがリストの中身を読みません。会社のブックはまだ従来どおりの作り方にしておくのが公式の勧めです。
結局どうすればよいか
- Excelの[ファイル]→[アカウント]で、今の更新チャネルとバージョンを確認する
- 試すなら、コピーした練習用のブックで、挿入メニューの「List(リスト)」かCtrl+Jで作ってみる
- 気づいたことは[ヘルプ]→[フィードバック]でMicrosoftに送れる
公式出典
- Microsoft 365 Insider Blog「Put multiple values in one cell with lists and arrays in Excel」(2026年9月24日発表)
- Microsoft Excel Blog「Excel now supports multiple values in a single cell」(2026年9月24日発表)
- Microsoft 365 Insider Frequently Asked Questions (FAQ)(2025年5月28日発表)
- ITmedia NEWS(補助)(2026年9月28日発表)
更新履歴
- 2026年9月30日 Microsoftの9月24日の発表で初版を公開
※本記事は2026年9月30日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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