秋吉台の洞窟にすむ新種「アキヨシホラアナナガコムシ」は、触角と尾角を除く体長が最大13mmあり、ナガコムシ科で世界最大と確認されました。すべての虫の中で最大という意味ではありません。京都大学と山口県美祢市の研究グループが、10月27日に研究成果を公表しました。
新種の大きさと場所
| 項目 | 今回の研究で確認した内容 |
|---|---|
| 和名 | アキヨシホラアナナガコムシ |
| 生息地 | 山口県美祢市・秋吉台の複数の洞窟 |
| 最大の体長 | 13mm(触角と尾角を含めない) |
| 世界最大の範囲 | ナガコムシ科 |
| 成果の公表 | 大学発表10月27日/論文のオンライン公開10月9日 |
13mmは1.3cmです。体の先につく長い触角と、おしりの先に伸びる2本の尾角は、体長を測る際に含めていません。写真で全体が長く見える印象と、比較に使った体長は分けて読む数字です。
研究グループは、体の形を詳しく比べた結果に加え、遺伝子解析の結果からも、既知の種と異なると判断しました。大きな個体を見つけただけで、新種と呼んだという発表ではありません。

画像の出典と利用条件
撮影:村上崇史(2021年9月4日、秋吉台「大久保の小穴」)。出典:京都大学の研究発表。形態を説明するため、公式発表の写真を引用。70年以上を経て命名
このナガコムシの存在は、少なくとも1953年には知られていました。しかし、分類学的な研究が行われず、学名が付いていない状態が続いていたと大学は説明しています。
今回は、美祢市の環境保全専門員が秋吉台の複数の洞窟で採集した個体を、京都大学の研究者らと調べました。和名は生息地の秋吉台にちなみ、アキヨシホラアナナガコムシと名付けられています。
学名はパシフィカンパ・ドデカス(Pacificampa dodecas)です。研究者の説明では、背中に生えている毛の本数に由来し、語の音には個体の大きさを初めて見たときの驚きも込めたとしています。
存在の確認、採集、種の判定、論文の公開、大学からの発表には、それぞれ異なる日付があります。今回のニュースは、昔から存在が知られていた洞窟の生き物に、新種としての名前と位置付けが与えられたという内容です。
洞窟で暮らす生き物
ナガコムシ科はコムシ目に含まれ、主に土の中や地下環境にすむ仲間です。腹部の末端に2本の細長い尾角をもつのが特徴で、今回の新種も洞窟の環境で暮らす動物として調べられました。
大学の説明によると、今回の新種が含まれる属は東アジアに広く分布していますが、本州からの正式な記録はありませんでした。これまで世界最大とされていたのは九州北部の地下環境にすむ別種で、今回の新種がその体長を上回りました。
「世界最大」の対象はナガコムシ科です。ムカデや甲虫など、体のつくりや分類が異なる虫もすべて含めた大きさの順位ではありません。比較の範囲まで合わせて読むと、13mmという数字の意味が分かります。
秋吉台の地下環境
秋吉台はおよそ12km×8kmに広がる石灰岩の地域で、地下には450を超える洞窟があります。複雑な洞窟のつながりの中には、地表と異なる環境に適応した生き物が暮らす地下の生態系が形成されています。
研究グループは今回、遺伝子の比較からナガコムシ科の仲間同士の関係も調べ、従来の分類のまとまりを見直す手がかりを得たとしています。新しい名前が1つ増えたことに加え、既存の種の分け方を考える材料にもなった研究です。
公表資料には生き物の写真と、撮影者、撮影した洞窟の名称が示されています。一方、今回の発表は一般向けの採集体験や洞窟探検の募集ではありません。研究で使った写真と、観光施設としての公開状況を混同せずに読む内容です。
結局どうすればよいか
- 大学の研究発表で実物写真と分類の説明を読む
公式出典
更新履歴
- 2026年10月29日 公式発表と原資料を確認し初版公開
※2026年10月29日午前に確認した公式情報です。資料の公表日と出来事が起きた日は本文に区別して記載しています。
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