🗨️「熊本市の約6000万円の詐欺は、どんな電話で始まって、どこがおかしかったの?」
熊本市の50代の女性は、日本郵政を名乗る電話から始まり、SNSで警察官を名乗る男に「口座の残高を減らした方がいい」と言われて、指定された場所に現金を複数回置き、約6000万円をだまし取られました。警察は電話やSNSで、現金を預かったり暗証番号を聞いたりしません。
[事件・事故] この記事の要点
2026年10月8日 発表
- 自宅の固定電話に「カード類の不正」や「警察」の電話が来た人
- 離れて暮らす親が、一人で電話を受ける家族
日本郵政から始まった電話
熊本市の50代の女性が、日本郵政や警察官を名乗る相手に、約6000万円をだまし取られました。RKK(アールケーケー)熊本放送とKAB(ケーエービー)熊本朝日放送の報道によると、最初の電話は9月中旬、自宅の固定電話にかかってきました。流れは次のとおりです。
| 順番 | 相手 | 言われたこと・させられたこと |
|---|---|---|
| 1 | 日本郵政を名乗る男(固定電話) | カード類で不正をしている、と告げる |
| 2 | 県外の警察を名乗る別の男(SNSの音声通話) | 身に覚えがないと答えると代わる。警察官の制服姿の男の写真がSNSで届く |
| 3 | 同じ男 | 身の潔白を証明するため口座の残高を減らした方がいい、減らすのは一時的で返ってくる、と説明 |
| 4 | SNSでの指示 | 指定された場所に現金数百万円ずつを複数回置く。10月上旬までに計約6000万円 |
| 5 | 相手と連絡が取れなくなる | 今週、女性が警察に相談して発覚 |
振り込みではなく、指定の場所に現金を置く渡し方でした。口座のお金が「一時的に」動くだけだ、という説明が、現金を用意する理由になっています。被害者が特定される情報は、報道では出ていません。
警察が言わないこと
「警察がSNSで連絡してくるなら、新しい捜査のやり方なのだろう」と思う人もいますが、そうではありません。警察庁は、メッセージアプリで連絡することはない、と明記しています。今回のやり取りで出てきたことを、警察庁と熊本の警察の説明に並べます。
| こう言われたら | 警察の説明 |
|---|---|
| 「カードを不正に使っている」と電話で告げる | 電話で捜査対象になっていると伝えることはない(警察庁) |
| SNSやメッセージアプリで連絡してくる | メッセージアプリで連絡することはない(警察庁) |
| 制服姿の写真、警察手帳や逮捕状の画像が届く | 警察手帳や逮捕状の画像を送ることはない(警察庁) |
| 突然のビデオ通話 | 個人のスマートフォンに突然ビデオ電話をすることはない(警察庁) |
| 「口座の残高を減らして」「現金を預けて」 | 警察が現金を預かったり、銀行の暗証番号を聞いたりすることはない(警察、RKK)。電話で取り調べを行うこともない(警察庁) |
| 実在する警察署の番号が表示される | 本物と決めつけず、警察署や #9110 に確認する(警察庁) |
熊本県警は、電話でお金の話が出たら詐欺と考え、家族や警察にすぐ相談するよう呼びかけています(KAB)。
切ったあとにかける番号
警察を名乗る電話は、その場で切ります。かけ直すのは、相手に教えられた番号ではなく、自分で調べた警察署の番号か、警察相談専用電話の #9110 です。
犯行に使われる電話番号には、警察署を装った末尾「0110」が見られ、その多くは国際電話番号だと警察庁は説明しています(令和7年3月末時点の資料)。固定電話は、国際電話の発着信を無料で休止できる国際電話不取扱受付センターに申し込めます。申請書類は最寄りの警察署で受け取れます。今回の電話が国際電話だったかどうかは、報道に書かれていません。
熊本県警は10月7日に、詐欺の被害防止を呼びかける動画を公式チャンネルに公開しています。
熊本と全国の被害額
| 範囲 | 件数 | 被害額 |
|---|---|---|
| 熊本県(令和8年8月末) | 212件 | 約24億3,761万円 |
| 全国の特殊詐欺(令和7年) | 27,832件 | 約1,423.1億円 |
| 全国のニセ警察詐欺(令和7年) | 11,014件 | 1,005.0億円 |
熊本の数字は熊本県警の集計で、「電話で『お金』詐欺」の件数です。全国の数字は警察庁の確定値で、ニセ警察詐欺は件数で特殊詐欺の39.6%、被害額では70.6%を占めています。被害額の7割が、警察官をかたる手口に集まっています。KABの報道では、熊本県内の被害額は前の年の同じ時期より約9億円増えています。
熊本県警の犯罪抑止対策室は、公式Xでもニセ警察官への注意を呼びかけています。
警察官を名乗る者から、「あなたが犯罪に加担している証拠がある」などと追い詰められ、「容疑を晴らすため」の行動を指示されて、お金をだまし取られる被害が多発しています。 ニセ警察官のダマシが始まる前に、『犯人の電話をブロック!!!🚓』 https://t.co/LzUVEoBapx……… pic.twitter.com/vb5N9Of3yi
— 熊本県警察本部 犯罪抑止対策室 (@kumapp_hanyoku) 2025年7月5日
生活・仕事にどう効くか
- 電話の順番:日本郵政を名乗る電話から入り、SNSで警察を名乗る別の男に代わっています。警察は最初の電話には出てきません。
- お金の動かし方:振り込みではなく、指定された場所に現金を置く渡し方でした。口座の残高を減らすことは、警察の捜査ではありません。
結局どうすればよいか
- 警察を名乗る電話やSNSの連絡は、その場で切る
- 自分で調べた警察署の番号か、警察相談専用電話の #9110 にかけ直す
- お金や口座の話が出たら、決める前に家族に話す
公式出典
- RKK熊本放送「『口座残高を減らして』偽警察官らに現金約6000万円渡す 熊本市の50代女性が特殊詐欺被害に」(Yahoo!ニュース配信)(2026年10月8日発表)
- 熊本朝日放送(KAB)「日本郵政や警察を名乗る手口…熊本市の女性が約6000万円だまし取られる被害」(Yahoo!ニュース配信)(2026年10月8日発表)
- 警察庁 SOS47「ニセ警察詐欺に注意!」(2024年12月18日発表)
- 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年6月5日発表)
- 熊本県警察「電話で『お金』詐欺の被害状況(県内)」(2026年9月11日発表)
更新履歴
- 2026年10月8日 初版を公開
※本記事は2026年10月8日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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