国と県の想定では、千曲川があふれると長野市の大字穂保や大字赤沼などは、町・字の中心が10〜20mの区域に入ります。
2019年10月の東日本台風では、その穂保で堤防が約70mにわたって決壊し、長野新幹線車両センターなど一帯が浸水しました。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が1〜2週間続く町・字の中心は8か所で、うち飯山市が7か所、須坂市が1か所
- ✓ 記録に残る最大の水害は1742年(寛保2年)の「戌の満水」。千曲川流域の死者は2,800人前後とされる
- ✓ 国・県・市町村の信濃川水系緊急治水対策プロジェクトは、遊水地と立ヶ花狭窄部などの河道掘削を令和13年度(2031年度)までに終える計画。千曲川中流・下流の遊水地は令和9年に一部で運用を始める予定
千曲川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は千曲川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
国と県の想定の雨は、どちらも流域に2日間で396mmです。
10〜20mの区域は、長野市北東部の千曲川の両岸から須坂市・小布施町・中野市にかけてと、飯山市に広がります。
上流でも、千曲市の上山田温泉一丁目・二丁目は、町・字の中心が10〜20mの区域に入ります。

2019年に決壊した穂保は、拡大図の立ヶ花の観測所より上流の千曲川左岸(長沼地区)にあります。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
長野市は町・字の中心310か所のうち74か所が区域に入ります。
内訳は10〜20mが4か所、5〜10mが37か所、3〜5mが13か所、0.5〜3mが16か所、0.5m未満が4か所です。
千曲市は42か所のうち33か所が入り、33か所とも3m以上です。須坂市と飯山市の各11か所、小布施町の4か所も、すべて3m以上です。中野市は7か所のうち6か所が3m以上です。

1〜2週間の区域は、長野市北東部の千曲川左岸と飯山市にあります。
町・字の中心で1〜2週間なのは、飯山市の大字木島・大字坂井など7か所と、須坂市の大字中島です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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千曲川の過去の水害と最近の大雨

千曲川河川事務所によると、長野市津野の「みょう笑寺」の本堂の柱には洪水位の跡があり、いちばん上が戌の満水の水位です。
2019年は10月13日1時8分に穂保で越水し、1時15分に「氾濫発生情報(長野市穂保)」が出ました。
国の調査委員会は、決壊の主な原因を「越水」と推定しています。
長野市の浸水は約1,541haで、長沼・豊野・古里地区が934haでした。
長沼・豊野地区では住家の全壊が1,000件以上に上っています(市の災害記録誌、2021年3月末時点)。
信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの全体事業費は約2,865億円で、事業期間は令和元年度から令和13年度です。
千曲川河川事務所は、中野市と飯山市にある狭窄部のために、流域では昔から大きな被害が出てきたと書いています。
2026年9月の台風第25号では、川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)で、生田・杭瀬下・立ヶ花とも水防団待機水位に届きませんでした。

今の水位を見る場所

国の洪水予報の基準は、上田市の生田、千曲市の杭瀬下、中野市の立ヶ花です。
川の防災情報には長野市内の千曲川本川の水位観測所が無いので、長沼や須坂市・小布施町は立ヶ花、千曲市は杭瀬下、上田市は生田を見ます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
2019年の千曲川の氾濫で、新幹線はどうなったか
穂保の決壊で浸かった一帯にはJR東日本の長野新幹線車両センターも入り、新幹線車両10編成が浸水しました(国土交通省)。
長野市の災害記録誌が引く長野県災害対策本部の資料では、E7系(イーセブンけい)新幹線の8編成が廃車になっています。
「新幹線の車両基地なら浸水しない場所にある」とは言い切れません。
国交省が全国28か所の新幹線車両基地と電車留置線を調べると、「計画規模」の雨でも浸水が想定されたのが2か所あり、長野新幹線車両センターはその1つでした。
国交省は2020年5月、長野新幹線車両センターの対策に、電気設備のかさ上げと、検修庫の開口部への止水板や止水壁の設置を挙げています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む長野市 冠水 どこが危ないの? 国のリスト29か所、26か所は市道です ›
あわせて読む上田市 冠水 どこが危ないの? 国のリストは7か所です ›
ここで扱った浸水想定は、長野県と国が千曲川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 千曲川河川事務所「主要洪水の概要」
- 千曲川河川事務所「既往洪水」
- 千曲川河川事務所「令和元年東日本台風(台風第19号)による千曲川・犀川出水状況」
- 千曲川河川事務所「出水情報(洪水予報・犀川上流水位情報・出水状況)」
- 北陸地方整備局 千曲川堤防調査委員会 報告書
- 長野市「令和元年東日本台風 長野市災害記録誌」第2章 被害概要
- 国土交通省「新幹線における車両及び重要施設に関する浸水対策について」(令和2年5月27日)
- 国土交通省「新幹線における車両及び重要施設に関する浸水対策」別添
- 国土交通省「新幹線における車両及び重要施設に関する浸水対策」とりまとめ
- 千曲川河川事務所「令和2年7月豪雨による千曲川・犀川出水状況」(2020年7月22日)
- 北陸地方整備局「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト 緊急治水対策プロジェクトの概要【令和7年度版】」
- 千曲川河川事務所「千曲川・犀川浸水想定区域図とは」
- 長野県「水防法に基づく洪水予報河川・水位周知河川」千曲川(令和2年3月10日公表)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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