🗨️「知床でクマを見かけたら、車を止めて写真を撮ってもいいの?」
斜里町のイワウベツ川沿いに、見物の車を止めさせないためのロープ柵と看板が設置されました。そして知床国立公園では、2023年10月13日から距離の数値が決まっています。著しい接近は30メートル未満、つきまといは50メートル未満。マナーの話ではなく、自然公園法の規制の話です。
[事件・事故] この記事の要点
2026年9月20日 発表
- 秋の連休に知床へ車で行く予定の人
- 知床の道路でヒグマを見かけたことがある人
- 野生動物の写真を撮りに国立公園へ行く人
柵が立ったのは登山道ではない
今回ロープ柵と看板が設置されたのは、斜里町のイワウベツ川沿いの道路にある駐停車スペースです。登山道の入口でも、山の中でもありません。狙いは登山者ではなく、車で来て見物する人のほうだということになります。
柵の長さや区間の数は、報じた各局のどれにも出ていません。知床財団や環境省の公式サイトにも、9月20日時点でこの設置についてのお知らせは出ていません。わかっているのは「その場所に、車を止めさせないための柵と看板が立った」というところまでです。
クマの出る地域で用意しておくもの
出没地域に住む・通勤するなら、音で存在を知らせるのが基本です。遭遇を避けるための備えを挙げます。
出没地域では散歩やゴミ出しでも音を出すのが基本です。消音機能があると、街中では鳴らさずに持ち歩けます。
鈴で避けるのが前提で、これは遭遇したときの最後の手段です。屋外作業や通勤路が山際にある場合の備えとして。
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「クマ渋滞」は10年前から呼ばれている
道路脇にヒグマが出ると、見ようとする車が次々に止まって列ができます。知床財団は2016年5月の活動報告で、これをそのまま「クマ渋滞」と呼んで注意を呼びかけています。つまり今回できた柵は、突然出てきた問題への対応ではなく、10年越しの現象にとうとう物理的な手が入った、という位置づけです。
そもそも半島にどれくらいのヒグマがいるのか。知床財団の説明はこうです。
長さ約70km、幅約20kmの知床半島には、500頭くらいのヒグマがいるのではないかと推測されています(知床財団「ヒグマのこと」)
目撃件数も、同じページに数字があります。2009年以降は毎年750件を超えていて、2012年度は2,150件。市街地に限っても、2015年度は斜里町ウトロ市街地とその周辺で43件、羅臼町の市街地で107件でした。年度が古い数字ですが、「めったに出ない」という土地ではないことは分かります。
近づいてよい距離は数字で決まっている
ここが、報じられた記事のどれにも書かれていない部分です。知床国立公園では、規制の対象になる距離がメートルで定められています。
| 行為 | 数値基準 | いつから |
|---|---|---|
| 著しい接近 | 離隔距離30メートル未満まで接近すること | 2023年10月13日から |
| つきまとい | 離隔距離50メートル未満を保ってつきまとうこと |
国立公園で距離の数値基準が入ったのは、知床が全国で初めてです。それまでは「著しく接近」という言葉しかなく、どこからがアウトなのか誰にも言えませんでした。いまは30メートルという線があります。道路の幅がふつう6メートルほどですから、路上から撮ろうとしている時点で、たいてい30メートルは切っています。
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