豊田市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は13か所です。
13か所の標高を引いて、手が止まりました。いちばん低いところで24.8メートル。13か所とも、20メートルより高い場所にあります。この連載で数えてきた市の中で、いちばん高い並びでした。
この記事でわかること
- ✓ 13か所とも標高24.8メートル以上。低い土地だから水がたまる、ではありません
- ✓ 内水の地図が2枚あり、重要事項説明で使うのはどちらかを市が書いています
- ✓ 自動で通行止めにするエアー遮断機は、市内2か所にしかありません
箇所の数・種別・住所は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所」愛知県262か所と、箇所ごとの説明表13枚から数えました。地図と機器の話は豊田市上下水道局企画課と建設部道路維持課のページです。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
13か所とも、標高20メートルより高い場所にあります

愛知県の一覧は262か所あります。名古屋市40、豊橋市19、田原市15と続いて、豊田市は13か所です。
その13か所の住所を国土地理院の標高データに通すと、いちばん低いのが名岡線アンダー(生駒町宝)の24.8メートル。いちばん高いのが東海環状自動車道アンダー(松平志賀町)の63.3メートルでした。
この連載では、標高がマイナスの市も数えてきました。愛知県の津島市は10か所すべてがマイナスから0.1メートルの間にあります。豊田市はその対極です。水がたまるのは土地が低いからではなく、まわりより掘り下げてあるからです。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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13か所のうち12か所は、何かの下をくぐる道です
| 管理番号 | 区分 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|
| 愛知県-02-143 | 市道 | 名岡線アンダー | 生駒町宝24-7 | 24.8m |
| 愛知県-02-199 | 市道 | 愛知環状鉄道アンダー(永覚町) | 永覚町須池 | 28.8m |
| 愛知県-02-145 | 市道 | 国道248号鴛鴨南アンダー | 鴛鴨町半内14-7 | 30.1m |
| 愛知県-02-144 | 市道 | 国道248号鴛鴨アンダー | 鴛鴨町畔畑324 | 33.5m |
| 愛知県-02-141 | 国道248号 | 鴛鴨アンダーパス | 鴛鴨町長根 | 34.7m |
| 愛知県-02-200 | 市道 | 国道155号バイパスアンダー | 上丘町長根 | 39.5m |
| 愛知県-02-202 | 市道 | 小坂若林線アンダー | 御幸町1丁目 | 44.0m |
| 愛知県-02-258 | 市道 | 高橋細谷3号線アンダー | 丸山町 | 45.1m |
| 愛知県-02-142 | 県道 | 永覚アンダーパス(東名ガード下) | 永覚町上長根3-19 | 45.3m |
| 愛知県-02-197 | 市道 | 愛知環状鉄道アンダー(豊栄町) | 豊栄町10丁目 | 48.1m |
| 愛知県-02-198 | 市道 | 愛知環状鉄道アンダー(豊栄町) | 豊栄町10丁目 | 48.1m |
| 愛知県-02-259 | 市道 | 逢妻男川右岸道路 | 細谷町 | 57.6m |
| 愛知県-02-201 | 市道 | 東海環状自動車道アンダー | 松平志賀町宮山 | 63.3m |
住所と名称は説明表に書かれたものです。標高は住所から引いたので、実際の底はこれより低くなります。
名前を見ていくと、12か所に「アンダー」「アンダーパス」「ガード下」が付いています。くぐる相手は、国道・高速道路・鉄道・都市計画道路。愛知環状鉄道が3か所、国道248号が3か所、東名と東海環状自動車道が1か所ずつです。
唯一ちがうのが、細谷町の「逢妻男川右岸道路」。名前に何もくぐる言葉が入っていません。13か所のうち、この1つだけが川ぞいの道です。
同じ道の上と下が、別々に登録されています
鴛鴨町に3か所あります。141は国道248号そのもの、144と145はその国道の下をくぐる市道です。上を走る国道も、下をくぐる市道も、それぞれ1件として数えられています。
豊栄町10丁目にも2か所あります。197と198で、住所も「愛知環状鉄道アンダー」という名前も同じ。違うのは路線名だけ(大清水高岡線と笹原弥栄線)です。同じ線路の下を、2本の市道がくぐっているということになります。
管理者は13か所のうち11か所が豊田市、2か所が愛知県豊田加茂建設事務所です。警察は13か所とも豊田警察署。消防は13か所とも豊田市消防本部ですが、県が管理する2か所だけ、説明表の電話番号が別になっています。
内水の地図が2枚あり、重要事項説明で使うのは片方です

豊田市は、内水の地図を2枚出しています。1枚目は「内水浸水想定区域図(計画降雨)」で、想定している雨は1時間69ミリ。10年に1回程度の雨です。
2枚目が「雨水出水浸水想定区域図(想定最大規模降雨)」。こちらは24時間の総雨量836ミリで、1000年に1回程度。そしてこの2枚目にだけ、市が注記を付けています。「水防法に基づく雨水出水浸水想定区域図です。不動産取引における重要事項説明は、以下の資料をご確認ください」。
内水の地図が2枚ある市で、どちらが重要事項説明のものかを書いてくれている市は多くありません。家を買うとき、借りるときに見せられるのは2枚目のほうです。どちらも一級河川・二級河川(安永川以外)の洪水は考慮していない、とも書かれています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
1時間69ミリと24時間836ミリ、単位がそもそも違います
ここで気をつけたいことがあります。この連載では「1時間147ミリ」「1時間153ミリ」と、1時間あたりの雨量で地図を引いている市を数えてきました。同じ愛知県でも、岡崎市は1時間147ミリです。
豊田市の2枚目は24時間の総雨量で置かれています。市は「浸水想定(洪水、内水)の作成のための想定最大外力の設定手法」(平成27年7月・国土交通省)に基づいて設定した、と書いています。
つまり隣の市と数字を並べても、意味が通じません。836と147を比べても、どちらが厳しいかは出てこない。地図を見るときは、まずその地図が何ミリの雨で引かれているかを確かめる、という話になります。
自動で通行止めにする機器は、市内2か所だけです

豊田市には「道路の冠水対策」という専用のページがあります。市が置いている機器は3種類で、どれも水深15センチで通行止めと分かる設定にそろえてあります。
電光表示板は、冠水5センチを超えると「冠水注意」、15センチを超えると「冠水通行止」。「冠水」と「通行止」を交互に表示します。冠水深標示は、路面や側壁にいま何センチ浸かっているかを書いたものです。
そしてエアー遮断機。水深15センチで作動して自動的に通行止めになり、空気で膨らむので誤って進入しても車が傷つきません。ただし市はこう添えています。「鴛鴨町石根、生駒町宝のアンダーパス2箇所にのみ設置されています」。
この2か所を国の一覧と突き合わせると、生駒町宝は名岡線アンダーの住所とぴたり一致しました。もう一方の鴛鴨町石根は、13か所の住所の中にありません。近いのは「鴛鴨畔畑石根線」という路線名を持つ144ですが、住所は鴛鴨町畔畑です。残る箇所に、自動で閉まる仕組みはありません。
水に入ってしまった車から出るまで


市は水深の目安も載せています。30センチで車が動かなくなる。50センチでドアが開かなくなる。1メートルで車が浮いて流される。この3行は愛知県のページからの引用だと市が明記しています。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでも、セダンが走れなくなる水深とドアが開かなくなる水深はほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 岡崎市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 同じ県でも、想定する雨は1時間147ミリです
- 津島市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 10か所ともマイナスから0.1メートル。豊田市の対極です
- 名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません(愛知県)
- 桑名市 冠水 どこが危ないの?(三重県) 堤防を横切る道が3か所ある市です
- 岐阜市 冠水 どこが危ないの?(岐阜県)
この記事のまとめ
豊田市で道路が冠水しやすい場所は13か所で、13か所とも標高24.8メートル以上。この連載でいちばん高い並びです。12か所が国道・高速道路・鉄道・都市計画道路の下をくぐる道で、鴛鴨町には国道248号そのものとその下をくぐる市道2本が別々に入っています。
内水の地図は2枚あり、1時間69ミリの計画降雨と、24時間総雨量836ミリの想定最大規模降雨。重要事項説明で使うのは後者だと市が書いています。冠水対策の機器は電光表示板・エアー遮断機・冠水深標示の3種類で、どれも水深15センチが基準。自動で通行止めになるエアー遮断機は、鴛鴨町石根と生駒町宝の2か所だけです。
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