岡崎市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は7か所です。
その7か所より先に、目に留まった数字がありました。市の内水の地図が想定している雨は1時間147ミリ。岡崎市で実際に観測された史上最大の雨は、146ミリです。
この記事でわかること
- ✓ 岡崎市の「道路冠水注意箇所」は7か所。4か所が県道、2か所が市道、1か所が「未認定道路」です
- ✓ 市の雨水出水浸水想定区域が想定する雨は1時間147ミリ。観測史上最大は2008年8月末豪雨の146ミリ
- ✓ 市は2つの豪雨の浸水実績図を出していて、住所を入れると自宅周辺を確認できます
箇所の数・種別・住所は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所」愛知県262か所と、箇所ごとの説明表7枚から自分で数えました。想定した雨と指定の根拠は岡崎市上下水道局「雨水出水浸水想定区域を指定しました」、実績の数字は同局「浸水実績図を作成しました」の各PDFです。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
7か所のうち4か所は、県が管理する道です
愛知県の一覧は262か所です。市町村別では名古屋市40、豊橋市19、田原市15、小牧市14、安城市14と続き、岡崎市は7か所。中核市としては少ないほうです。
その7か所を種別で分けると、県道が4か所(羽根アンダー、矢作アンダー、下三ツ木アンダー、正名アンダー)、市道が2か所(市道東名側道29号線、市道柱町線アンダーパス)、そして1か所が種別の欄に何も書かれていません。路線名の欄に「未認定道路」とある、藤川町の1か所です。
県道4か所の名前は、どれも「◯◯アンダー」。市道のうち柱町線だけが「アンダーパス」と書かれています。同じ市の中でも、県が付けた名前と市が付けた名前で呼び方がそろっていません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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想定の147ミリは、この街が実際に食らった146ミリとほぼ同じです

岡崎市上下水道局は、雨水出水浸水想定区域を水防法第14条の2第2項に基づいて指定しています。想定しているのは1時間147ミリの雨。およそ1000年に一度の規模とされる雨です。
いっぽう市が出している浸水実績図の説明には、こう書いてあります。「岡崎市内で観測史上最大の時間雨量146mmを記録した『平成20年8月末豪雨』」。1000年に一度として置いた想定と、18年前に実際に降った雨との差は、1ミリです。
147ミリという数字は市が決めたものではありません。国が全国を降り方の似た15の地域に分け、その地域で観測された最大の雨から設定しています。東海の四日市市も焼津市も同じ147ミリ。その「地域の最大」を作ったのが、岡崎のこの雨だという読み方もできます。
2つの豪雨の浸水実績図が、住所で引けます

岡崎市は、想定の地図とは別に、実際に浸水した範囲の図を2つぶん公開しています。平成20年8月末豪雨と、平成12年9月の東海豪雨です。
被害の数字も並べて出ています。平成20年8月末豪雨(8月28日〜30日)は床上浸水1,110戸・73ヘクタール、床下浸水2,255戸・333ヘクタール。東海豪雨(9月11日〜12日)は床上浸水414戸・64ヘクタール、床下浸水1,193戸・184ヘクタールでした。時間雨量は146ミリと79ミリです。
図は支所ごとに分かれていて、岩津・大平・岡崎・六ツ美・矢作・本庁の6枚ずつ。60分最大雨量図と時間雨量図も付いています。さらに市の地図サービス「わが街ガイド」では、住所を入れるだけでその周辺の浸水実績が出てきます。
想定の図は「これから起きるかもしれないこと」、実績の図は「もう起きたこと」です。家を探しているなら、両方を開いて重ねてください。

「未認定道路」が1か所あります
7か所のうち、藤川町字西川向の1か所だけが変わっています。種別の欄が「-」で、路線名の欄に「未認定道路」と書かれています。
未認定道路は、道路法の上で市町村道などとして認定されていない道のことです。この連載では三重県四日市市の赤堀アンダーパスでも同じ書き方を見ました。認定されていなくても、人と車が通っていて水がたまるなら、冠水注意箇所には入ります。
この場所の管理者は岡崎市です。認定されていない道でも、市が管理者として名前を出しています。標高は52.6メートルで、7か所の中でいちばん高い場所にあります。
標高は7.5メートルから52.6メートルまで

| 管理番号 | 種別 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|
| 愛知県-02-115 | 県道 | 下三ツ木アンダー | 下三ツ木町字法田 | 7.5m |
| 愛知県-02-181 | 県道 | 正名アンダー | 正名町吹野 | 8.9m |
| 愛知県-02-113 | 県道 | 羽根アンダー | 羽根町字中田 | 13.1m |
| 愛知県-02-114 | 県道 | 矢作アンダー | 矢作町字加護畑 | 14.6m |
| 愛知県-02-116 | 市道 | 市道東名側道29号線 | 大平町字二ノ沢 | 20.9m |
| 愛知県-02-249 | 市道 | 市道柱町線アンダーパス | 柱町 | 26.8m |
| 愛知県-02-117 | - | 未認定道路 | 藤川町字西川向 | 52.6m |
標高は説明表の住所から引いた代表点です。くぐる道の底は、これよりさらに低くなります。
低い4か所は、どれも矢作川と乙川が合流する西側の平地にあります。下三ツ木町が7.5メートル、正名町が8.9メートル。県道の4か所が、そのままこの低い側に並びます。
高い3か所は東側です。大平町、柱町、藤川町。東名高速道路の側道や、旧東海道に沿った丘の上で、標高は20メートルから52メートルあります。それでも水がたまるのは、まわりより低く掘り下げられているからです。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
管理者は県と市に分かれ、警察と消防は1つです
説明表の連絡先を数えました。管理者は愛知県西三河建設事務所が4か所、岡崎市が3か所。県道は県、市道と未認定道路は市が持っています。
いっぽう警察署は7か所とも岡崎警察署、消防署は7か所とも岡崎市消防本部でした。通報先は1つに決まります。市域が広くても警察と消防が割れない市は、この連載でも多くありません。
道に水がたまっているのを直したいときの窓口だけが、県道か市道かで変わります。名前に「アンダー」とだけ付いているものは県道、と覚えておくとほぼ当たります。
市の雨水出水浸水想定区域図には全体版と分割版(No.1〜4)があります。分割版のほうが拡大して見られるので、自宅を探すときはこちらが早いです。河川の破堤や越水による氾濫は考慮していないので、矢作川や乙川からあふれる場合は洪水ハザードマップを別に見ます。
もし車で水に入ってしまったら


7か所のうち5か所は名前に「アンダー」が入ります。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
2008年8月末豪雨のときは、床上浸水が1,110戸に達しました。1時間146ミリは、傘が役に立たないどころか前が見えない降り方です。危険を感じたら車を降りることも考えてください。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません(愛知県)
- 安城市 冠水 どこが危ないの? 台地の上なのに県内4番目の14か所、新幹線の下が1か所あります(愛知県)
- 津島市 冠水 どこが危ないの? 10か所とも市道で、9か所は標高が海面より低い場所にあります(愛知県)
- 四日市市 冠水 どこが危ないの? 内水の地図に対象外の地区が7つあり、13か所のうち2か所がそこです(三重県)
- 甲府市 冠水 どこが危ないの?(山梨県) 5か所とも鉄道との「立体部」で、同じ1時間147ミリ想定です
この記事のまとめ
岡崎市で道路が冠水しやすい場所は7か所です。県道が4か所、市道が2か所、残る1か所は「未認定道路」と書かれた藤川町の道でした。管理者は県と市に分かれますが、警察署は7か所とも岡崎警察署、消防署は7か所とも岡崎市消防本部です。
市の雨水出水浸水想定区域が想定する雨は1時間147ミリ。これは岡崎市の観測史上最大である2008年8月末豪雨の146ミリと、ほぼ同じ数字です。そのときの被害は床上浸水1,110戸・床下浸水2,255戸。市は東海豪雨とあわせて2つの浸水実績図を公開していて、住所を入れれば自宅周辺を確認できます。
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