押入れに置いた除湿剤に、水がたまらない。この不安には答えが出ています。中の粒が固まり始めていれば吸湿している、気温や湿度が低ければ液になるまで時間がかかる。生協の商品検査資料もメーカーもそう説明しています。
困るのはその先です。たまらないまま、あと何か月置いていいのか。白元アースの「黒のNECO(ネコ)」は除湿量が約1000mLあり、同じシリーズの450mLと比べると、メーカーが書く使用期間の下限が2か月ちがいます。
しかも箱の使い方の図とメーカーのサイトとで、交換の合図が別のことを言っていました。運営者は買っていないので使用感は書けません。公式の表記と一次資料だけを並べます。
白元アース
ドライ&ドライUP(アップ) 黒のNECO 1000mL
標準除湿量 約1000mL使用期間 4〜8か月塩化カルシウム+活性炭
押入れやクローゼットに置く、使い捨てタイプの湿気とりです。
画像:Amazon.co.jp の商品ページより(クリックでAmazonの商品ページが開きます)
この記事で確かめたこと
- ✓ 容量が大きいほど水はたまりにくい。公式の使用期間も450mLは2〜6か月、1000mLは4〜8か月。
- ✓ 箱の図は「目安水位まで」、公式サイトは「たまらなくても1年以内に必ず交換」。
- ✓ たまった液は水ではなくアルカリ性の塩化カルシウム水溶液。植物にかけると枯れる。
\容量と入数を商品ページで見る/
1000mLが4個入ったセットです
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水がたまらないのは、容量が大きいほど起きやすい
「たまらない」ではなく「途中で止まる」と書いた人もいます。9,360回読まれた質問です。
除湿剤を置いているのと置いてないのとでは、かなり除湿の効果は違いますか? 除湿剤自体に水は溜まるのですが、8割くらいたまったら急にたまらなくなります。
コープきんきの商品検査資料は、「除湿剤に水がたまりません。本当に湿気を吸ってるの?」という声にこう答えています。
中の粒が固まり始めていたら吸湿している証拠です。水がたまるまでの時間は、周りの湿度や温度、風通しによっても変わります。また除湿剤のサイズ(容量)が大きいほど時間もかかります。
最後の一文が効いてきます。白元アースのドライ&ドライUPシリーズは同じ成分・同じ形の湿気とりを容量ちがいで出していて、公式の「使用期間」が別の数字です。

450mLと550mLは下限が2か月、1000mLだけ下限が4か月です。黒のNECOで「たまらない」と感じるのは、容量の側から見れば起きて当たり前の現象ということになります。
公式の注意書きには、もうひとつ見落としやすい一行があります。「薬剤の粒がなくなっても液はたまります」。粒が消えた時点がゴールではありません。粒と水位は別々に進みます。
箱の図とサイトで、交換の合図が別のことを言っている
パッケージの使い方は5コマで、最後の5コマ目はこうです。「おとりかえ目安水位まで液がたまったらおとりかえ。」水位が交換の合図になっています。
ところが商品ページの使用期間の欄には、別の説明があります。
4~8か月(同じ使用場所であっても季節や湿気の状態で異なります。)※温度や湿気によっては、おとりかえ目安水位まで液がたまらない場合がありますが、使用開始後1年以内に必ず新しい商品とおとりかえください。
箱だけを見ていると、水位が上がらないかぎり交換の合図は来ません。サイトには、たまらなくても1年で区切るという期限があります。置いた日を覚えておかないと、この期限は使えません。
水位で見るなら「目安水位まで」、日付で見るなら「4〜8か月、遅くとも1年以内」。早いほうで替えると考えると迷いません。
取り上げたきっかけ
この商品を知ったのは、家電Watchでライターの藤原千秋氏が書いた記事です。藤原氏はこの商品を「通常商品のほぼ倍量の水分を吸湿する、どデカサイズである点がとにかく白眉である」と書いたうえで、置き型除湿剤そのものをこう位置づけています。
「置き型除湿剤」とは、部屋の湿気を劇的に消し去る魔法の道具ではない。「このタンス、こんなに湿っていたの?!」といった住まいの癖を可視化する、いわば小さな観測器なのである。
どんな商品か




画像:Amazon.co.jp の商品ページより
画像はAmazon.co.jpの商品ページのものです。プラスチックの使用量は同社のコンパクト品と比べて約80%削減したとされています。
主な仕様
| 商品名 | ドライ&ドライUP 黒のNECO 1000mL |
|---|---|
| 標準除湿量(水換算) | 約1000mL(温度25℃、湿度80%の場合) |
| 使用期間 | 4〜8か月(使用開始後1年以内に必ず交換) |
| 成分 | 塩化カルシウム、活性炭 |
| 希望小売価格 | オープン(公式に金額の記載を確認できませんでした) |
白元アースの商品ページより。公式の内容量表記は1000mL×2です。
たまった液は、水ではない
捨て方は「シンクで水と一緒に排水口へ」。なぜ水と一緒なのかを書いているのが、化学製品PL相談センターの資料です。
除湿剤の下に溜まった液体は、水ではなく、アルカリ性の塩化カルシウムの水溶液なのです。
同じ資料は、原液のまま流すと配管を傷める可能性があること、木製品に染みこむと塩化カルシウムが湿気を吸い続けて拭いても乾かないこと、皮革や絹では繊維が変質して元に戻らないことを挙げています。こぼしたら濡らした布で溶かし、乾いた布で水気を取る作業を根気強く繰り返す、とあります。
白元アースの注意書きも同じ方向です。たまった液は植木や花にかけない(枯れることがあります)、ハサミやシンクに付いたままだとサビるおそれがある。1000mLの容器が4つなら、家に置いている液は最大4リットルになります。
液が皮膚についたまま長時間放置すると化学やけどを起こすおそれがある、と化学製品PL相談センターは書いています。拭き取りには炊事用の手袋をすすめています。
注意点。公式の用途に「部屋」は入っていない
白元アースが挙げる用途は、押入れ・洋服ダンス・クローゼット・下駄箱・流しの下の5つ。部屋は入っていません。使用方法の欄にも「密閉性の高い環境でご使用いただくと、より効果的です」とあり、使用基準は「一般家庭の押入れに1〜2個が目安」。並べる前提にはなっていません。
部屋に置いたらどうなるかは、66,886回読まれた知恵袋に答えがあります。
除湿剤は1,2畳以下程度の、密閉された空間の除湿に向いています。開放された室内では、除湿すべき肝心の空気が、人の出入りや窓や扉の開閉などで、頻繁に入れ替わるので、後から後から新たな湿気がやってきて、タンクにすぐたくさん水が溜まるけれど、肝心の部屋の湿度はちっとも下がりません。
高さも決まっています。化学製品PL相談センターは「湿気は空気よりも重く、空気が循環しにくいところにたまりやすいので、押入れやクローゼットの中では下の隅に置くのが効果的です」としています。上の段ではなく、下の奥です。
もうひとつ。衣類や皮革製品が白い透湿シートに触れる場所では使わないよう公式が求めています。詰め込んだ押入れでは、この条件が先に崩れます。
こんな人は見てもよさそう
交換の回数を減らしたい人には向きます。450mLを年に何度も入れ替えているなら、1000mLに替えると使用期間の下限が2か月から4か月に伸びます。藤原氏の「ズボラと相性がいい」はここを指しています。
逆に、水位の変化で湿気の多さを見たい人には向きません。大容量ほど水位は動きにくく、様子がわかるまで時間がかかります。部屋全体を乾かしたい人も用途の外です。
この記事で確認した情報源
- ・白元アース「ドライ&ドライUP 黒のNECO1000mL」商品ページ(使用期間・除湿量・使用基準・成分・使用上の注意。)
- ・白元アース「ドライ&ドライUPコンパクト450mL」商品ページ(使用期間2〜6か月・除湿量450mL。)
- ・コープきんき 商品検査資料「除湿剤に水がたまる訳」No.1609-04(粒と水位の関係、容量と時間の関係。)
- ・化学製品PL相談センター アクティビティノート第335号(たまった液の正体、こぼしたときの対処。)
- ・家電Watch「平たくて邪魔にならない除湿剤 ズボラと相性よし」(藤原千秋氏。知ったきっかけの記事。)
- ・Amazon.co.jp 商品ページ(黒のNECO 1000mL×4個)(商品画像と入数の確認に使いました。)
以上が、公式の表記と一次資料だけで確かめられた範囲です。
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