国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、岐阜県内に148か所。そのうち岐阜市は14か所で、大垣市の18か所に次ぐ県内2番目の多さです。
14か所の名前を並べると、すぐに目につくことがあります。12か所が「地下道」という同じ呼び名でした。残る2つは県道の交差点の名前です。
そして、この14か所に国道は1つもありません。市道が12、県道が2。管理しているのは岐阜市と岐阜土木事務所です。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は岐阜県148か所、岐阜市は14か所で県内2位
- ✓ 14か所のうち12が「地下道」、国道は0か所
- ✓ 市の内水の地図は1時間74ミリ、過去に実際に降った最大の雨で作られている
箇所数は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【岐阜県】」を1行ずつ数えたものです。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、その地点そのものの高さではありません。
14か所のうち13か所は、標高13メートルより低い場所です

| 名称 | 住所 | 参考標高 |
|---|---|---|
| 機動隊前地下道 | 薮田中2丁目 | 8.1m |
| 市橋鏡島3号線地下道 | 今嶺4丁目 | 8.1m |
| 六条大溝地下道 | 六条大溝1丁目 | 8.2m |
| 今嶺(文殊茶屋新田線) | 今嶺1丁目 | 8.4m |
| 新荒田橋右岸地下道 | 茜部新所3丁目 | 8.7m |
| 芋島地下道・芋島第2地下道 | 芋島4丁目 | 13.1m |
| 岩田西地下道 | 岩田西2丁目 | 27.2m |
いちばん低いのが8.1メートル、いちばん高いのが27.2メートル。ただし27.2メートルの岩田西をのぞくと、残る13か所は8.1メートルから13.1メートルの中に収まります。
差が5メートルしかないということは、高いから安全・低いから危ないという読み方ができないということです。効いているのは海からの高さではなく、まわりと比べてどれだけ掘り下げてあるかです。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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岐阜県の148か所に、トンネルもガードもありません
呼び名を県全体で数えてみました。148か所の内訳は「アンダー」が92、「地下道」が30です。トンネル、ガード下、ずい道、隧道という呼び名は1つもありませんでした。
同じ資料でも、東京都の153か所は「アンダー」43、「トンネル」25、「ガード」11、「地下道」5、「ずい道」1とばらけます。呼び名は現地の慣習で決まるので、県が変わると言葉ごと変わります。
そのなかで岐阜市は「地下道」に寄っています。県内にある30の地下道のうち、12が岐阜市です。「うちの近くにアンダーパスは無い」と思っていても、地下道なら同じものです。
説明表に、設備の欄がありません
国のリストは1か所ごとに「個別箇所説明表」がぶら下がっています。住所、管理者、警察と消防の電話番号、備考、現地の写真が載る紙です。
岐阜市の14枚を開いてみると、備考の「関連設備」がどの1枚にも書かれていませんでした。同じ様式で、大阪市は65か所すべてに水位センサーや排水ポンプの有無が書かれています。
これは設備が無いという意味ではありません。資料に書かれていない、というだけです。県によって、同じ書式のどこまでを埋めるかが違います。
通報先が、線路のどちら側かで変わります
備考に何か書いてあったのは、14か所のうち3か所だけでした。祈年町地下道と、市橋鏡島3号線地下道と、市橋門田地下道。3枚とも同じ一文です。
JR東海道線を境に北側は岐阜中警察署、南側は岐阜南警察署の管轄となる。また消防署に関しても、同様である。
くぐる道は線路の下を通り抜けます。つまり、入口と出口で連絡先が変わります。水に囲まれてから調べることではないので、通る道が決まっているなら先に見ておく話です。
市の内水の地図は、1時間74ミリで作られています

岐阜市は防災の冊子にハザードマップをまとめていて、市域を11のブロックに分けています。内水、つまり下水や水路があふれるほうの地図について、市はこう書いています。
平成2年以降の集中豪雨の際の浸水記録をもとに作成したものです(中略)検討には、1時間に74㎜の豪雨(検討時点での、平成2年以降の最大時間雨量)を使用しました
ここが他の市と大きく違います。同じ手順で調べてきた市は、内水の想定に「1000年に1度」級の雨を置いていました。横浜市が1時間153ミリ、東大阪市が147ミリ、大津市が147ミリ、鳥取市が130ミリ、盛岡市が120ミリです。
岐阜市の74ミリは、想定ではなく実際に降った最大の雨です。市自身も「本マップで示した範囲や深さを超えることがありますので注意が必要です」と添えています。洪水のほうの地図は水防法にもとづく浸水想定区域図を使っていて、作り方が別です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月13日、国道16号の千葉市中央区村田町のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省によると、原因は「非常用電源設備の不作動」。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
これを受けて8月14日から、全国の直轄国道にあるアンダーパスなど102か所が緊急点検されました。中部地方整備局の対象は10か所で、1か所で異常が見つかっています。
ただし対象は国が直接管理している国道だけです。岐阜市の14か所は市と県が見ていて、この点検には入っていません。

この住所は浸水しやすい場所ですか
洪水・内水・土砂・地震で、見る資料はそれぞれ別に置かれています。1枚ずつ確かめるのは手間なので、住所を入れるだけでまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

地下道に共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは市ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの? 国の一覧に名前がある全国52市を1つずつ調べました
- 大垣市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は17か所です
- 名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません
- 大阪市 冠水 どこが危ないの? 65か所のうち43か所に「冠水実績あり」と書いてあります
この記事のまとめ
岐阜市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは14か所。県内148か所のうち2番目に多く、12か所が「地下道」で、国道は1つもありません。標高は8.1メートルから27.2メートルまでですが、13か所は8.1〜13.1メートルの中に収まります。
説明表の設備欄はどれも空で、備考があるのは3か所だけ。その3か所には、線路を境に警察署と消防署の管轄が変わると書かれています。市の内水の地図は、過去に実際に降った最大の1時間74ミリで作られています。
公式出典
- 国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【岐阜県】」148か所・個別箇所説明表
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」別紙1(令和8年8月21日)
- 岐阜市「岐阜市総合防災安心読本」および「各ハザードマップの解説」(P54)
- ハザードマップポータルサイト「内水浸水想定区域 掲載状況一覧」63件
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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