🗨️「隣の家の火事がうちに燃え移ったら、隣が弁償してくれるの?」
原則として、してもらえません。明治32年にできた失火責任法が、失火の場合は民法709条(不法行為の損害賠償)を適用しないと定めているからです。例外は火元に重大な過失があったときだけ。つまり、燃えた自分の家を直すお金は、自分がかけている火災保険から出すことになります。ただし賃貸で借りている部屋から出した火は話が別で、大家さんに対しては賠償の義務が残ります。
[事件・事故] この記事の要点
2026年9月12日 発表
- 隣家と距離が近い家に住んでいる人
- 賃貸住宅を借りている人
- 火災保険の内容を長く見直していない人
条文は2行しかありません
火事のニュースを見て「隣が火元だったら、うちはどうなるんだろう」と思ったことのある人は多いと思います。答えを決めているのは、127年前にできた短い法律です。
民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
失火ノ責任ニ関スル法律(明治32年法律第40号)
民法709条は「わざと、または不注意で他人に損害を与えた人は、その損害を賠償する責任を負う」という条文です。それを火事のときだけ、使わないことにすると書いてあります。
理由は木造の家が密集していた時代にあります。火を出した人に隣近所すべての損害を負わせたら、払いきれる額ではなくなる。だから賠償の連鎖を切りました。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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結果として、誰が払うのかが入れ替わります
| 場面 | 火元に請求できるか | 直すお金はどこから |
|---|---|---|
| 隣の家から燃え移った(重過失なし) | できない | 自分の火災保険 |
| 隣の家から燃え移った(重過失あり) | できる | 相手への賠償請求/自分の火災保険 |
| 自分が火元で、隣へ燃え移った(重過失なし) | —(賠償責任を負わない) | 隣の人が自分の火災保険で |
| 借りている部屋を自分が焼いた | — | 大家さんへの賠償義務が残る |
3行目を見てください。自分が火元になっても、重大な過失がなければ隣へ弁償しなくてよいことになります。心情としては受け入れにくいはずですが、法律はそう作られています。
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