🗨️「106万円の壁が10月になくなると聞きました。うちの手取りはどれくらい減りますか?」
厚生労働省が公表している月額給与98,000円の例では、扶養の範囲で働いていた人の手取りは月97,500円から83,500円になります。年に168,000円の減です。いっぽう国民健康保険と国民年金を自分で払っていた人は、76,300円から83,500円へ月7,200円増えます。同じ変更で、減る人と増える人が同時に出ます。
[税制・補助金] この記事の要点
2026年9月8日 発表
- 従業員51人以上の会社で週20時間以上働いている短時間労働者
- 配偶者の扶養に入って働き方を調整している人
- 世帯年収から住宅ローンの借入額を考えている人
10月に外れるのは4つの要件のうち1つだけ
「106万円の壁がなくなる」と聞いて、誰でも社会保険に入ることになると思った人が多いのですが、外れるのは加入要件のうち賃金の条件だけです。ほかの3つと企業規模の条件は残ります。
| 要件 | 2026年10月 |
|---|---|
| 所定内賃金が月額8.8万円以上 | 撤廃される予定 |
| 週の所定労働時間20時間以上 | 残る |
| 2か月を超えて雇用される見込み | 残る |
| 学生でないこと | 残る |
| 勤め先の従業員数51人以上 | 残る(36人以上になるのは2027年10月) |
賃金要件が外れる理由は、日本年金機構のページに書かれています。「最低賃金以上で週20時間以上働く場合は、所定内賃金が月額8.8万円以上となるため、この要件は令和8年10月に撤廃予定です」。最低賃金が上がった結果、週20時間働けば自動的に8.8万円を超えるようになったので、条件として意味がなくなった、という説明です。
じゃあ、週15時間のパートは今までどおりですか?
はい。週20時間の線は動きません。動くのは、週20時間以上働いていて月8.8万円に届いていなかった人の扱いです。
厚生労働省の表で、手取りはこう動く
厚生労働省は特設サイトで、月額給与98,000円の人の手取りを3パターン並べています。自作の試算ではなく、国が自分のサイトに載せている数字です。
| 項目 | 国保・国民年金 | 扶養の範囲 | 社会保険に加入 |
|---|---|---|---|
| 月額給与 | 98,000円 | 98,000円 | 98,000円 |
| 国民健康保険料 | 3,200円 | — | — |
| 国民年金保険料 | 18,000円 | — | — |
| 健康保険料 | — | 0円 | 5,000円 |
| 厚生年金保険料 | — | 0円 | 9,000円 |
| 手取り月額 | 76,300円 | 97,500円 | 83,500円 |
引き算だけで2つの答えが出ます。扶養に入っていた人は月14,000円・年168,000円の減。国民健康保険と国民年金を自分で払っていた人は月7,200円・年86,400円の増です。同じ制度変更で、損する人と得する人が同時に出ます。
減るほうには、引かれた分の見返りもあります。厚生労働省が挙げているのは、病気やけがで4日目から通算1年6か月・給与の3分の2が出る傷病手当金と、出産日以前42日から出産日後56日までの出産手当金、それに障害厚生年金と遺族厚生年金の対象になることです。
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