🗨️「横浜で冠水しやすい道路はどこ? 今夜から明け方の雨で、どこを通らないほうがいい?」
国土交通省関東地方整備局が令和8年6月1日にまとめた道路冠水注意箇所は、神奈川県内で128か所。横浜市域は30か所です。ただし数の並びは人口の順ではありません。人口10万人の伊勢原市が13か所で、人口156万人の川崎市の12か所より多い。しかも伊勢原の13か所のうち9か所は、同じ国道271号をくぐる道です。横浜地方気象台は6日夕方から雷を伴い激しく、7日は明け方まで非常に激しく降る所があると発表しています。
[災害] この記事の要点
2026年9月6日 発表
- 6日夜から7日朝にかけて車で移動する人
- 7日の朝、車で通勤・送迎する人
- アンダーパスやガード下を毎日通る人
神奈川の128か所は、どの市に何か所あるのか
数えたのは国土交通省関東地方整備局です。「道路冠水注意箇所マップ【神奈川県・川崎市・横浜市・相模原市】」の令和8年6月1日作成版に、No.1からNo.128まで欠番なしで並んでいます。市町村ごとに数えると、こうなります。
| 市町 | 箇所 | 参考:人口 |
|---|---|---|
| 横浜市 | 30 | — |
| 伊勢原市 | 13 | 100,455人 |
| 藤沢市 | 13 | — |
| 川崎市 | 12 | 1,564,663人 |
| 相模原市 | 11 | — |
| 小田原市 | 10 | — |
| 平塚市 | 9 | — |
| 厚木市/茅ヶ崎市/大磯町ほか | 6/5/4 ほか | — |
名前が出てくるのは21市町で、合計128。伊勢原市と川崎市の人口はどちらも2026年5月1日現在の推計値です。人口が15倍以上ちがう2つの市で、冠水しやすい道路の数は伊勢原のほうが1つ多い。この並びは、街の大きさで決まっていません。
横浜市のページには26か所と書いてありました。30とどっちが正しいんですか。
どちらも正しいです。26は横浜市が管理している道の数で、30は市域にある全部。差の4か所は国が管理しています。
国のリストで横浜市管理と書かれているのはNo.69からNo.93とNo.124で、ちょうど26か所。横浜市の「道路冠水想定箇所について」(令和7年7月18日現在)が出している26か所と一致します。残りの4か所は高島トンネル、原宿トンネル、瀬谷区目黒町の目黒交差点付近の側道、磯子区新杉田町で、こちらは国道です。数え方が違うだけで、食い違ってはいません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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伊勢原の13か所のうち9か所は、同じ1本の道の下
伊勢原市の内訳を、PDFに書かれた通称名のまま並べます。
- 岡崎(二ツ橋北側国道271号線アンダー)
- 上平間・下平間(伊勢原インター南側国道271号線アンダー)
- 沼目・沼目6丁目(八反地橋南西側国道271号線アンダー)
- 沼目7丁目、沼目(筒川・沼目橋の南側と北側、いずれも国道271号線アンダー)
- 下糟屋、見附島、石田2か所(すべて国道271号線アンダー)
13か所のうち9か所が国道271号のアンダーです。国道271号は小田原厚木道路で、自動車専用道路です。市を横切る高速道路の下を、市道や農道、認定外道路がくぐっている。そのくぐる道が9本ぶら下がっているという構造です。残る4か所は岡崎第2地下道、下糟屋地下道、桜台小田急アンダー、そして国道246号の伊勢原市串橋です。
私は、この9か所の並びが、冠水のリスクは「街の性格」ではなく「道の作り」で決まることを一番よく示していると考えています。高速道路や鉄道が街を横断すると、それをくぐる低い道が必ず生まれます。伊勢原は農地が多く、くぐる道が農道や認定外道路のまま残った。だから数が増えました。
武蔵小杉が浸水した場所は、このリストに入っていない
川崎市の12か所のうち、中原区にあるのは3か所だけです。小杉町3丁目269番地、木月3丁目42番地先、木月伊勢町8番地先。後ろの2つは東急東横線のガード下です。
2019年の台風19号で武蔵小杉が水に浸かったのは、上丸子山王町の一帯でした。その上丸子山王町も、隣の新丸子東も、128か所のリストに1つも入っていません。全128行を見ましたが、どちらの地名も出てきません。
あれだけ大きく報道された場所が、なぜ入っていないんですか。
このリストがアンダーパスを数えた名簿だからです。武蔵小杉の浸水は、川の水が排水管を逆に上がってきた内水氾濫でした。
くぐる道に水がたまる話と、川の水が下水から逆流してくる話は、別の現象です。同じ「浸水」という言葉でくくると、リストに載っていないから安全だと読み違えます。
リストに1か所も無い12市町村がある
神奈川県内の市町村は33。国のリストに名前があるのは21市町なので、12市町村はゼロです。逗子市、三浦市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、中井町、開成町、真鶴町、湯河原町、愛川町、清川村。
ここを読み違えないでください。ゼロは「水が出ない町」という意味ではありません。くぐる道が無い、というだけです。坂の多い町なら、水は道にたまらず低いほうへ流れていきます。流れた先で何が起きるかは、このリストの守備範囲の外にあります。
ついでに、128か所のうち5か所はアンダーパスですらありません。川崎区浮島町の浮島公園前交差点付近、瀬谷区目黒町の目黒交差点付近の側道、横須賀市本町三丁目交差点付近、伊勢原市串橋、磯子区新杉田町。ただ低いだけの場所です。令和8年版では2か所が新しく加わりました。小田原市早川二丁目1番地4号地先と、横浜市磯子区新杉田町の聖天川西側交差点です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
リストに載っている場所は、実際に浸かっている
鶴見区の例が分かりやすいです。鶴見中央と豊岡町を結ぶJR線のガード下は、2026年7月17日の大雨で25センチほど冠水しました(タウンニュース鶴見区版 8月27日)。この地点は国のリストのNo.69、「鶴見区鶴見中央二丁目(東海道線下)」にあたります。
同じ記事で、潮田から駒岡方面へ頻繁に向かうという住民が、こう話しています。
大雨の際には速度を落としてかなり注意して通っている
2009年以降に全面通行止めになった例はないものの、片側一車線の通行規制は4回記録されていて、7月17日の大雨でも実施されました。横浜市はこうした場所に冠水警報装置を置いていて、20センチ以上の冠水が確認されると担当区の土木事務所へ連絡が入る仕組みになっています。
つまり、リストは机上の想定ではありません。載っている場所で、今年すでに水が来ています。
6日夜から7日明け方が山場
横浜地方気象台が6日10時40分に出した見通しは次のとおりです。6日は夕方から雷を伴い激しく降る所があり、西部では夜遅くに非常に激しく降る所もある。7日は前線が本州付近に北上し、明け方まで雷を伴い非常に激しく降る所がある。海上も6日から7日にかけて波が高くなります。
「非常に激しい雨」は1時間に50ミリ以上80ミリ未満を指します。この降り方が短時間でも当たると、くぐる道の水位は数分で変わります。
水がたまった道に入ってしまうと、水圧でドアが開かなくなります。JAF(ジャフ)の実験では、走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。そこから先の話は、下の関連記事にまとめてあります。
生活・仕事にどう効くか
- 夜の運転:冠水は水面が見えないまま深くなる。神奈川の128か所のうち123か所は鉄道や高速道路をくぐるアンダーパスで、周りより低い場所に水が集まる構造になっている。
- 7日朝の通勤:雨のピークは6日夜から7日明け方。通勤時間帯には雨が弱まっていても、くぼ地の水が引くのはそのあとになる。
- 住まいを選ぶとき:リストに名前が無い市町村が12ある。載っていないのは安全という意味ではなく、くぐる道が無いという意味でしかない。
結局どうすればよいか
- 通る予定の道がリストに入っていないか、関東地方整備局の道路冠水注意箇所マップで先に見ておく
- 水がたまっているアンダーパスには入らない。引き返す判断は、入る前にしかできない
- 横浜市内は冠水警報装置が付いている場所がある。表示が出ていたら別の道を選ぶ
- 自宅や職場の住所そのものの浸水リスクは、ハザードマップで別に確認する
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【神奈川県・川崎市・横浜市・相模原市】令和8年6月1日更新」(2026年6月1日発表)
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ」一覧ページ(2026年9月6日発表)
- 気象庁 横浜地方気象台 神奈川県の天気概況(2026年9月6日10時40分発表)(2026年9月6日発表)
- 横浜市「道路冠水想定箇所について」(令和7年7月18日現在)(2026年2月26日発表)
- タウンニュース鶴見区版「アンダーパス冠水注意 千葉豪雨では死者も」(2026年8月27日発表)
- 伊勢原市「人口と世帯(推計人口・毎月1日)」(2026年5月1日発表)
- 川崎市「川崎市の世帯数・人口」(2026年5月1日発表)
- 神奈川県「神奈川県内の市町村」(2026年9月6日発表)
更新履歴
- 2026年9月6日 初版を公開(箇所数は令和8年6月1日作成のPDF、気象は9月6日10時40分発表の内容)
※本記事は2026年9月6日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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