🗨️「最低賃金は10月1日から上がるのですよね。自分の時給はいつ上がりますか。」
10月1日に上がるのは47都道府県のうち15です。残りの32は10月2日から12月2日にばらけていて、いちばん遅い沖縄は12月2日。10月1日の県とは62日ちがいます。発効日より前に働いた分はさかのぼりません。自分の県の日付は、この記事の一覧で確かめてください。
[話題] この記事の要点
2026年9月5日 発表
- 時給で働いている人(パート・アルバイト・派遣)
- 人を雇っている個人事業主・小規模の会社
- 10月からの生活費を見直そうとしている人
先に結論
- ✓ 10月1日に上がるのは47都道府県のうち15。残り32は10月2日から12月2日にばらける
- ✓ いちばん遅いのは沖縄の12月2日。10月1日の県とは62日ちがう
- ✓ 引上げ額がいちばん大きいのは佐賀の65円。東京・神奈川・大阪は54円で全国最小
10月1日に上がるのは、47のうち15だけ
厚生労働省は2026年9月3日、47都道府県すべてで地域別最低賃金の改定額が答申されたと発表しました。全国加重平均は1,177円で、いまより56円上がります。
ここまではニュースで流れたとおりです。問題はそのあとで、上がる日が県ごとに違います。
| 発効の時期 | 都道府県の数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 10月1日 | 15 | 北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・岐阜・愛知・三重・大阪・兵庫・香川 |
| 10月2日〜10月10日 | 12 | 長野・岡山・群馬・石川・滋賀・和歌山・鳥取・福井・奈良・福岡・山口・島根 |
| 10月11日〜10月31日 | 10 | 広島・秋田・静岡・福島・茨城・宮崎・鹿児島・青森・高知・山形 |
| 11月 | 7 | 山梨・徳島・愛媛・大分・長崎・佐賀・京都 |
| 12月 | 3 | 岩手・熊本・沖縄 |
10月中に上がるのは37都道府県。11月が7、12月が3です。10月1日の県と沖縄では、同じ「令和8年度の改定」なのに62日ひらきます。
あとからさかのぼって払われるのではないのですか。
さかのぼりません。新しい額が適用されるのは発効日以降の労働分からです。発効日の前に働いた分は、そのときの額のままです。
なぜ県ごとにずれるのか
理由は法律の書き方にあります。最低賃金法第14条は、地域別最低賃金の決定は公示され、その効力は公示の日から起算して30日を経過した日から生じると定めています。
県ごとに置かれている地方最低賃金審議会の審議が終わる時期が違うので、答申と公示の日が違います。そこから30日後が発効日になるので、審議が長引いた県ほど後ろへずれる、という順番です。
引上げ額がいちばん大きいのは佐賀の65円 東京は54円
「都会のほうがたくさん上がる」と思われがちですが、金額の上がり幅は逆です。
| 引上げ額が大きい | 額 | 引上げ額が小さい | 額 |
|---|---|---|---|
| 佐賀 | +65円 | 東京 | +54円 |
| 鹿児島 | +64円 | 神奈川 | +54円 |
| 高知・沖縄 | +63円 | 大阪 | +54円 |
東京の1,280円と宮崎の1,085円では、時給の差は195円です。改定前は1,226円と1,023円で203円ひらいていたので、8円だけ縮まりました。
時給が194円高い東京と、広さが2倍の沖縄
時給が高いほうが暮らしは楽か、というと、家賃を入れると景色が変わります。
週40時間、月173.33時間(労働基準法32条の法定労働時間から計算)で働いた場合の、額面の月収で並べます。
| 東京(1,280円) | 沖縄(1,086円) | |
|---|---|---|
| 月収(額面) | 221,867円 | 188,240円 |
| その3割 | 66,560円 | 56,472円 |
| ㎡単価(中央値) | 東京都北区 2,558円 | 沖縄市 1,088円 |
| 借りられる広さの目安 | 26.0㎡ | 51.9㎡ |
時給は194円高いのに、住める広さは半分という計算になります。㎡単価は総務省の家賃統計(共同住宅)の中央値で、東京都北区は103,100件、沖縄市は27,490件の集計です。
うちの会社、まだ時給が上がっていないのですが、言っていいものでしょうか。
まず自分の県の発効日を見てください。まだ来ていないなら、上がらないのが正しい状態です。過ぎているのに上がっていないなら、厚生労働省は「その差額を速やかに支払わなければなりません」と書いていて、払われない場合は最低賃金法違反として50万円以下の罰金の対象になります。
去年も同じことで迷った人がいる
Yahoo!知恵袋に、2025年8月14日の質問が残っています。求人の時給だけ先に上がっていて、いま働いている自分の時給はそのままに見える、という内容で、最後にこう書かれています。
「これを会社の方に聞いてもいいと思いますか?」
回答には、前の年に審議が長引いた岩手県は10月27日から、徳島県は11月1日からの施行だった、と書かれています。発効日のばらつきは、毎年おなじように人を迷わせています。制度の話より、言い出しにくさのほうが本当の困りごとになっている、という点は今年も変わりません。
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