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迷走台風24号はなぜ折り返す? 5日夜に奄美の近くで南へ反転、「台風を動かす風が弱い」と解説したのは気象庁ではなく民間2社

🗨️「台風24号、奄美まで行ってから戻ってくるの? 迷走してるってこと?」

台風24号は迷っていません。気象庁が9月3日0時45分に出した予報では、4日に東シナ海まで北北西に進んだあと、5日21時に奄美群島近海で南南東へ向きを変え、6日は沖縄の南、7日は日本の南へと来た道を戻ります。戻るあいだ同じ海域に居座るので、太平洋側の雨は長引きます。ウェザーニュースと日本気象協会は理由を「台風を動かす上空の風が弱まる」と解説していますが、気象庁の発表文にその理由は一行も書かれておらず、気象庁はそもそも「迷走台風」という言葉を使いません。

[災害] この記事の要点

発表日・更新日

2026年9月3日 発表

影響を受ける人
  • 奄美群島・沖縄本島・大東島地方に住んでいる人、9月3日〜7日に行き来する予定のある人
  • 9月3日〜6日に西日本から東日本の太平洋側で屋外の予定や現場仕事がある人
  • 「なぜ戻るのか」を検索して、気象庁の説明を探している人
目次

気象庁の予報では、4日間かけて行って戻る

「台風は北へ進むもの」。今回の予報は、そうなっていません。気象庁が9月3日0時45分に出した台風第24号(クロヴァン(Krovanh))の予報では、進む向きが4日21時まで北北西、5日21時に南南東へ変わります。

気象庁の台風経路図。2026年9月3日0時発表の台風24号の予報円が、奄美の西で北上をやめ、来た方向へ折り返して重なって描かれている
気象庁の台風経路図(2026年9月3日0時)。右上の24号は、4日21時の予報円の先で5日21時・6日21時・7日21時の予報円が南へ戻り、来た道の上に重なっています。左下は華南へ向かう18号です。
出典:気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#5/27.5/129.5/&contents=typhoon)を画面キャプチャ
時点中心の位置進む向き・速さ中心気圧
9月3日0時(実況)南大東島の南約190km北北西 20km/h994hPa
9月3日12時南大東島の西約150km北北西 20km/h994hPa
9月4日0時奄美市の西南西約120km北北西 20km/h994hPa
9月4日21時東シナ海北北西 ゆっくり994hPa
9月5日21時奄美群島近海南南東 ゆっくり(ここで反転)994hPa
9月6日21時沖縄の南南南東 ゆっくり996hPa
9月7日21時日本の南東 ゆっくり996hPa

奄美の西まで北北西に進み、奄美群島近海で南南東へ向きを変え、沖縄の南まで戻って、最後は東へ。4日から7日までの4日間で、来た道をほぼそのまま戻る予報です。最大風速は18m/sで5日間変わらず、台風の基準である17m/s(34ノット)をわずかに超える強さのままです。

9月2日23時、X(旧ツイッター)にこんな投稿がありました。「Uターンどころじゃない『折り返し』 コースって何⁉️ 迷走台風ってのは時々聞くが、行ったら同じコース逆戻りって中々無いぞ」。予報の数字を見るかぎり、この人の言うとおりです。

予報円の半径は24時間後の120kmから117時間後の460kmまで広がるので、折り返す場所と時刻は、後ろへ行くほど幅をもって見る必要があります。日ごとの位置は台風24号はどこへ?に並べています。

台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの

風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。

和気産業 ガラスの飛散防止フィルム 46cm×185cm(WF-005)
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窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。

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土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。

アイリスオーヤマ 防災リュック 1人用 33点セット(防災士監修)
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気象庁の発表文に「なぜ戻るのか」は書かれていない

「気象庁が理由をちゃんと説明しているはず」。9月3日の時点で、公開されている文書のどれにも書かれていません。

全般気象解説情報(台風第24号)は、9月2日朝の第3報も夕方の第4報も同じ一文です。「台風第24号は、今後は北上し、4日にかけて南西諸島に近づいた後、動きが遅くなるでしょう。」遅くなる、までで止まっています。

気象予報士向けの資料も同じです。9月2日15時40分の短期予報解説資料は「北上した後は動きが遅くなる」。同日10時の週間天気予報解説資料は「5日から6日にかけて、高気圧が日本海から千島近海へ移動する」「期間を通して、南シナ海から日本の南付近が低圧部となる」と気圧配置までは書いていますが、それが台風をどう動かすかは書いていません。

「なんで弾き飛ばされてるんだろう」という投稿が9月3日未明のXにありました。何が弾いているのかは、気象庁の文からは読めません。

読者

気象庁が理由を書かないのは、気象庁にも分かっていないからですか?

おかあさん

そうとは言えません。気象庁の一般向け解説には「台風を移動させる上空の風が弱い場合や、風の予想が安定していない場合には、進路予報が難しくなります」とあります。ただし、今回の24号に当てはまるとまでは言っていません。

理由を書いているのはウェザーニュースと日本気象協会

ウェザーニュースは9月2日10時44分の記事でこう書いています。「九州の南まで進んだ後は東西の高気圧の間に挟まれ台風を動かす上空の風が流れが弱くなるため、動きが複雑になる可能性があります。」(原文のまま)。

日本気象協会(tenki.jp)の石榑亜紀子気象予報士は、同じ日の15時53分の記事でこう説明しています。「台風は自ら進む力を持たず、周辺の風に流されるように移動します。今回は台風を動かす風が弱くなるため、南西諸島付近に近づいたあと、動きが遅くなる可能性があります。」

2社に共通するのは「台風を動かす風が弱くなる」の一点で、「東西の高気圧に挟まれる」と書いたのはウェザーニュースだけです。公開されている理由の説明は、9月3日の時点でこれがすべてです。

南シナ海の台風第18号(ソウデル)との引っ張り合いを疑う人もいるでしょう。「藤原の効果」も、気象庁は「個々の事例については相互作用の程度を明確に示せない」として解説に用いない語で、24号についてそれを言っている出典はありません。

灰色の空の下、岩に打ちつけて白く砕ける波
台風の中心が離れていても、周りの海はうねりを伴ってしけます。台風が同じ海域に居座るあいだ、これが続きます(写真: Pexels)

気象庁は「迷走台風」という言葉を使わない

気象庁の予報用語では「迷走台風」は「用いない」語で、備考は「台風が迷走しているわけではないので用いない。」。気象庁が使うのは「複雑な動きをする台風」です。迷っているのは台風ではなく、流す風のほうが弱い。民間2社の解説も同じ方向を向いています。

9月なのに「夏台風」の動き、雨だけは「秋台風」

「夏の台風は迷走台風っていうけど夏・・なの?」。9月2日22時のXの投稿です。同じ夜には秋の台風だと書く投稿もありました。

気象庁の解説はこうです。「8月は発生数では年間で一番多い月ですが、台風を流す上空の風がまだ弱いために台風は不安定な経路をとることが多く、9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。」予報用語でも、夏台風は「秋台風に比べて動きが遅く、複雑な動きをするものが多い」、秋台風は「日本付近にある秋雨前線の活動を強め、大雨を降らせることがある」です。

24号は9月1日9時の発生です。暦は秋、動きは「遅くて複雑」の夏台風の型。ところが雨は秋台風の型で、短期予報解説資料は「3日からは、台風の東側を北上する一段と湿潤な空気が前線の南側に流れ込み、西〜東日本の太平洋側を中心に非常に激しい雨が長く続くおそれがある」としています。

ここからは私の見方です。この台風は、夏台風の足の遅さと秋台風の雨を両方持っていると見ています。近畿の雨は台風24号は近畿に来る?に、9月が上陸の最多月である理由は台風シーズンに備えよに書いています。

読者

動きが遅いということは、風は弱いんですよね。安心していいですか?

おかあさん

風は最大18m/s、最大瞬間25m/sで7日まで変わらない予報です。安心できないのは風より雨で、同じ海域に4日間居座るぶん、前線の南側に湿った空気を送り続けます。台風の中心が遠いことと、雨が遠いことは別です。

過去の迷走台風:2016年の台風10号は10日以上迷走して岩手に上陸

行って戻る台風は初めてではありません。2016年(平成28年)の台風第10号について、国土交通省東北地方整備局は「10日以上迷走した台風10号は、1951年(昭和26年)の気象庁が統計開始以降、史上初めて東北地方の太平洋側に上陸。」と記録しています。気象庁の記録では、8月30日に暴風域を伴ったまま岩手県に上陸し、東北地方を通過して日本海に抜けました。

2018年(平成30年)の台風第12号が本州を東から西へ横断したときは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が上空の「寒冷渦」との相互作用だと解説しました。24号について寒冷渦を挙げている出典はありません。2018年の理由を2026年に当てはめることはできません。

「Uターンどころじゃない『折り返し』」。予報の数字は、たしかにそう書いてあります。ただ気象庁の言葉ではそれは「複雑な動き」で、動かす風が弱いという説明も民間2社のものです。5日21時の「南南東」が次の発表でも残っているか。そこが分かれ目です。

i 2026年9月3日0時45分発表の台風情報と、9月2日発表の気象庁の解説資料にもとづきます。台風情報は原則3時間ごとに更新されるので、行動を決めるときは最新の発表を見てください。

生活・仕事にどう効くか

  • 予定:4日から7日までの4日間、台風は奄美の西〜沖縄の南の同じ海域を行って戻る予報。先の時刻ほど予報円が広く(117時間後で半径460km)、折り返す場所と時刻は幅をもって見る。
  • :気象庁の短期予報解説資料(9月2日15時40分)は、3日から西〜東日本の太平洋側を中心に「非常に激しい雨が長く続くおそれがある」としている。台風の中心が遠いことと、雨が遠いことは別。
  • 情報の見方:気象庁の発表文に「なぜ」は書かれていない。「どこへ・いつ」は気象庁の台風情報、「なぜ」はウェザーニュースと日本気象協会の解説、と読み分ける。

結局どうすればよいか

  • 気象庁の台風情報を5時・17時の更新後に見て、5日21時の進む向きが「南南東」のまま残っているかを確かめる
  • 太平洋側で3日〜6日に予定がある人は、台風の位置ではなく雨の情報(キキクル・レベル3大雨警報)で判断する
  • 折り返すあいだ雨が長引くので、ベランダの排水口と家の前の側溝の落ち葉を今日のうちに取る

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公式出典

更新履歴

  • 2026年9月3日 初版を公開

※本記事は2026年9月3日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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