日本の空き家は、いま7.2軒に1軒です。総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査(確報集計、2024年9月25日公表)で、総住宅数6,504万7千戸のうち空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%と確定しました。
ただし、この7.2軒に1軒を「街の7軒に1軒が誰も住まない廃屋」と読むと実態を間違えます。家の周りを見回してもそこまで廃屋が見当たらないのは当然で、賃貸募集中や売り出し中の家を除いた放置されがちな空き家に絞ると、約17軒に1軒まで減るからです。
先に結論
- 日本の総住宅数は6,504万7千戸、うち空き家は900万2千戸で過去最多
- 空き家率は13.8%=約7.2軒に1軒(過去最高)
- 賃貸用・売却用・別荘などを除いた空き家は385万6千戸・5.9%=約17軒に1軒
- 出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」確報集計(2023年10月1日時点、2024年9月25日公表)
日本の空き家は7.2軒に1軒(空き家率の全国平均は13.8%)
「何軒に1軒が空き家か」への答えは、割り算1回で出ます。総住宅数6,504万7千戸÷空き家900万2千戸=約7.2。パーセントに直した13.8%が、「空き家率の全国平均」と呼ばれている数字です。
空き家900万2千戸は過去最多、13.8%は過去最高です。住宅・土地統計調査は5年ごとに行われる国の基幹統計なので、次の全国調査の結果が出るまで、公式の最新値はこの確報のままです。
900万戸のうち、放置されている空き家は385万6千戸
「空き家が900万戸もあるなら、家は余っていて安く買えるはず」。この読み方が実態とずれる理由は、900万2千戸の内訳にあります。
900万2千戸には、入居者を募集している賃貸の部屋、売り出し中の家、別荘などの二次的住宅が含まれます。合わせて約515万戸、空き家全体の約57%は「市場に出ているか、持ち主が使っている家」です。
これらを除いた「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」、いわゆる放置されがちな空き家が385万6千戸・住宅全体の5.9%。換算すると約17軒に1軒で、冒頭の7.2軒に1軒とは別枠の数字になります。
そしてこの385万戸の側は、相当部分が売り物として市場に出てきません。「900万戸余っている」ことと「買える家が余っている」ことは、別の話です。
2023年7月にYahoo!知恵袋へ投稿された相談が、この構造をそのまま映しています。住みたい地域で空き家を10軒見つけたのに、不動産屋で売りに出ていたのは1軒だけ。投稿者は「住んでないのなら売ってほしいのに、、」と書いています。ベストアンサーに付いたのは、相続人の同意がそろわず売るに売れない家の実例でした。
私は、空き家問題の中心はこの385万戸、つまり売りにも貸しにも出ないまま傷んでいく家にあると見ています。買いたい人がいても届かない在庫は、統計の上では「余っている家」でも、市場の上では存在しないのと同じだからです。
空き家が増えてるなら、待てば安く買える?(100エリアで検証)
速報値と確報値の違い——ネットの空き家の数字は3世代混在している
この記事を用意する段階で、答えをAIがまとめて表示するタイプの検索に「日本の空き家は何軒に1軒か」と聞いてみました。返ってきたのは「空き家849万戸・空き家率13.6%、およそ7〜8軒に1軒」。ひとつ前の2018年調査の数字です。
同じ調査を引いているのに答えが割れるのは、数字の公表が3段階に分かれているからです。いまネットに載っている「日本の空き家」は、次の3世代に分かれます。
- 2018年調査の値:空き家848万9千戸・空き家率13.6%(1世代前)
- 2023年調査の速報値:総住宅数6,502万戸(2024年4月30日公表)
- 2023年調査の確報値:総住宅数6,504万7千戸・空き家900万2千戸・13.8%(2024年9月25日公表)
検索上位の解説記事にも、書かれた時期のまま2018年値や速報値で止まっているページが残っています。いまネットで見かける空き家の数字は、2018年値・速報値・確報値の3世代が混在しています。
資料や記事で引用するなら、「2024年9月25日公表の確報集計」と公表日ごと書いておくと、世代違いの数字と混ざりません。この記事の数字もすべて確報値です。
空き家は5年で51万戸増えた(13.6%→13.8%)
| 項目 | 2018年調査 | 2023年調査(確報) |
|---|---|---|
| 総住宅数 | 6,240万7千戸 | 6,504万7千戸 |
| 空き家数 | 848万9千戸 | 900万2千戸(過去最多) |
| 空き家率 | 13.6% | 13.8%(過去最高) |
| 換算 | 約7.4軒に1軒 | 約7.2軒に1軒 |
増加は5年で51万戸。率にすると13.6%から13.8%へ0.2ポイントの動きですが、長い目で見ると1993年からの30年間で空き家の数は約2倍になりました。
都道府県ごとの確報値は、総務省統計局の確報集計ページに一覧があります。ただし県単位の空き家率は、その県にあるあなたの実家の値段を教えてくれません。同じ県の中に、値上がりする市区と空き家が積み上がる市区が同居しているからです。空き家が過去最多なのに家の値段が上がる仕組みは、100エリアの15年分の地価で検証した次の記事にまとめています。
空き家は過去最多なのに、家の値段が上がるのはなぜ?(100エリアの15年データ)
このエリアの相場はいくらですか?
住所を入れると、国の成約データから土地・戸建て・マンションの坪単価の目安が出ます。無料です。
空き家になりがちな築古の戸建ては、いま実際いくらで売れているか
全国平均の次に気になるのは「で、うちの実家はいくらなのか」のはずです。当サイトで国土交通省の不動産取引価格情報から、神戸市の中古戸建ての坪単価を集計しました。対象は2024年10月〜2026年3月に成立した取引で、母集団は1982年以降に建った新耐震基準の家だけ・築3年以上。1981年以前の旧耐震は含みません。
| 区と築年帯 | 坪単価(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 垂水区・築41年超(1982〜84年頃築) | 39.1万円 | 11件 |
| 東灘区・築31〜40年 | 98.3万円 | 5件 |
| 長田区・築31〜40年 | 31.4万円 | 14件 |
垂水区では、築41年超の戸建ての坪単価の中央値が39.1万円。同じ区の築10年以内は坪106.5万円なので、築41年超は築10年以内の37%です。3分の1近くまで下がる、とも読めますが、裏を返せば「空き家予備軍」と呼ばれがちな築40年台の家が、この1年半で11件、坪39万円前後で実際に売買されています。新耐震に限った集計とはいえ、値段はゼロではありません。
そして場所の差は、築年の差より大きく開きます。同じ築31〜40年でも、東灘区は坪98.3万円(5件と少なめで幅はあります)、長田区は坪31.4万円。同じ神戸市内・同じ築年帯で、戸建ての坪単価は3.1倍違います。全国平均の13.8%や県別の空き家率をいくら眺めても、この差は見えません。
実家を385万6千戸の側に入れないためにできることは、貸すか売るかの市場に載せること、そして載せる前に値段を知っておくことの2つです。載せないまま放置した場合に何が起きるかは、次の記事にまとめています。
よくある質問
空き家率の全国平均は何%ですか?
13.8%です(2023年10月1日時点、令和5年住宅・土地統計調査の確報集計)。総住宅数6,504万7千戸のうち空き家が900万2千戸で、約7.2軒に1軒にあたります。
空き家率が最も高いのは徳島県と、あと何県ですか?
和歌山県です。テレビの検定クイズにも出題された組み合わせで、両県とも約21%、およそ5軒に1軒の水準で並んでいます。県別の正確な確報値は、総務省統計局の確報集計ページで確認できます。
空き家はどのくらいのペースで増えていますか?
前回2018年調査の848万9千戸から、5年間で51万戸増えて900万2千戸になりました。1993年からの30年間では約2倍です。
実家の「いまの値段」を数字にしておく
実家がいずれ空き家になりそうなら、17軒に1軒の側へ入る前に、いまの値段だけでも数字にしておくと、貸す・売る・住むの判断が具体的になります。査定は無料で、売ると決めていなくても使えます。
出典とデータの条件
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)」(2023年10月1日時点、2024年9月25日公表)。総住宅数・空き家数・空き家率・「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」の値はすべてこの確報値です。
出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」(2018年)。848万9千戸・13.6%はこの調査の値です。
出典:神戸市の坪単価は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報のうち2024年10月〜2026年3月に成立した中古戸建て取引を当サイトで集計した中央値です。1982年以降築(新耐震基準)・築3年以上のみを対象とし、旧耐震の建物は含みません。件数が1桁の区分は幅を持って読んでください。
出典:読者の声はYahoo!知恵袋2023年7月17日投稿(本文中にリンク)から、一字一句そのまま引用しています。


コメント