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金沢市で土地を探すなら、町ごとに坪単価が3.5倍ちがいます

金沢市で土地を買うとき、市全体の相場である1坪26.4万円で予算を組むと、駅西本町では坪56.2万円なので届かず、山科では坪15.9万円なので余ります。同じ市内、同じ1坪で3.5倍の開きです。

金沢市には2024年10-12月から2025年10-12月までに431件の土地取引があり、成約3件以上の町だけで57町ぶん並びます。1つの市で57町。ここまで細かく分かれると、「金沢市の相場はいくら」という1つの数字は、どの町の予算づくりにも使えません。

国土交通省が公表している実際の成約価格を、町ごとに並べ直しました。候補地がどのあたりに立っているかを先に見てください。

先に結論

  • 金沢市の土地は1坪26.4万円(中央値・431件)。1区画は200㎡=60.5坪が中央値です
  • 成約5件以上の町どうしで比べると、駅西本町56.2万円と山科15.9万円で3.5倍。市の1つの数字は、どの町の予算にも当てはまりません
  • 「東力町」と「東力」、「三口町」と「三口新町」、「駅西本町」と「駅西新町」のように、よく似た町名が別の行で並びます。数字は大きく離れます
  • 北間町の坪4.3万円は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場としては読めません
  • 建物込みなら中古戸建て85.6万円/坪、新築戸建て102.2万円/坪(どちらも延床面積あたり)。土地の坪単価とは分母が違うので引き算できません
目次

金沢市の土地は1坪26.4万円。1区画60.5坪で概算1,600万円

2024年第4四半期から2025年第4四半期までに金沢市で成約した土地の坪単価は、中央値で26.4万円でした。坪単価が極端に外れた8件を除いたうえでの431件です。除いたあとでも、幅は1坪2.8万円から175.2万円まで開いています。

1区画の面積の中央値は200㎡、坪にすると60.5坪です。坪単価の中央値をこの広さに当てると、土地代は概算で1,600万円になります。ただし坪単価と面積は別々に取った中央値なので、この金額で売れた1件が実在するわけではありません。予算の当たりをつけるための概算として使ってください。

窓口で「金沢の土地は坪26.4万円くらいですね」と言われたとします。431件の真ん中を指す言葉としては外れていません。ただし候補地が駅西本町なのか山科なのかで、同じ60.5坪でも土地代はまったく別の金額になります。予算の話をするときは、市名ではなく町名まで下ろしてから計算してください。

町別に並べると駅西本町56.2万円と山科15.9万円で3.5倍

成約3件以上の町は57あります。57本の棒を並べると読めなくなるので、成約が7件以上あった9町に、見出しの倍率に使った駅西本町(5件)を足した10町を抜き出しました。

駅西本町56.2万
北安江51.2万
弥生43.0万
増泉33.1万
諸江町31.1万
横川29.8万
米泉町27.4万
観音堂町27.1万
三口新町25.5万
山科15.9万

金沢市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。成約3件以上の57町から、成約7件以上の9町と、見出しの倍率に使った駅西本町(5件)を抜き出しました。濃い色の2本が、見出しの3.5倍に使った駅西本町と山科です

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは57町のうち10町だけなので、候補地の住所で確かめてください。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

金沢市の土地相場を住所から調べる(無料)

見出しに出した3.5倍は、成約が5件以上ある町どうしの比較です。上端が駅西本町の56.2万円(5件)、下端が山科の15.9万円(12件)。どちらもグラフに入れてあります。

住宅地とみられる町の端どうしで取れば、差はもっと開きます。駅西本町と松寺町の7.9万円を並べると7.1倍です。ただし松寺町の成約は3件しかありません。3件の中央値は1件の外れ値で動くので、資金計画の基準にするなら3.5倍のほうを使ってください。倍率の大きい数字を見出しに置かなかったのはこの理由です。

成約数がいちばん多いのは横川の14件で29.8万円。市全体の26.4万円より上に来ます。2番目に多い山科は12件で15.9万円、3番目の諸江町は10件で31.1万円でした。取引が集まっている町の中でも、これだけ離れます。件数が多い町ほど市の真ん中に寄る、という関係にはなっていません。

市全体の26.4万円は、57町のどこかにぴったり当てはまる数字ではありません。候補地が北安江(8件・51.2万円)なのか三口新町(9件・25.5万円)なのかで、60.5坪の土地代は別の話になります。同じくらいの件数がある町どうしでも、これだけ離れます。

北間町の坪4.3万円を「安い住宅地」と読まない

坪単価が市の中央値26.4万円の4分の1を下回る町が1つあります。北間町の4.3万円(3件)です。

この数字には、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるための区域で、家を建てるには原則として自治体の許可が要ります。農地であれば転用の手続きが挟まります。

坪4.3万円は安い住宅地の値段ではなく、住宅地として使えない土地が混ざった数字です。

この記事が「金沢市でいちばん安い町」を見出しに置いていないのは、そのためです。北間町のほかにも、松寺町7.9万円(3件)、鈴見台9.9万円(3件)、千木町9.9万円(4件)、大場町10.2万円(3件)、南森本町13.6万円(4件)と、市の中央値から大きく下に離れた町が並びます。どれも成約は3件か4件で、1件の内容が中央値を動かす規模です。

売り出し中の土地で、周辺よりはっきり安いものを見つけたときは、値段より先に地目と都市計画上の区分を確かめる順番になります。市の窓口か仲介会社に聞けばその場で分かります。ここを飛ばして価格だけで飛びつくと、契約後に「建てられない」という話が出てきます。

「東力町」と「東力」が別の町として並んでいる

金沢市の町別集計には、名前のよく似た町が別の行で並びます。同じ地区だと思って読むと、坪単価を丸ごと取り違えます。

件数 坪単価の中央値
駅西本町 5件 56.2万円
駅西新町 3件 36.4万円
東力町 3件 36.4万円
東力 6件 25.3万円
三口町 3件 29.4万円
三口新町 9件 25.5万円

一字ちがうだけで、坪単価は別物になります。

「泉」の付く町も5つに分かれます。泉野出町43.0万円(3件)、泉本町36.4万円(3件)、西泉33.1万円(4件)、増泉33.1万円(7件)、米泉町27.4万円(7件)。上端と下端でこれだけ離れています。

物件情報に書かれた町名を、記憶にある似た町名で置き換えて読まないでください。チラシの「東力」を「東力町」と思い込んだまま60.5坪の土地代を見積もると、資金計画がまるごとずれます。件数が3件の行は1件の取引で中央値が動くので、そこも合わせて見てください。

公示の27.3万円と成約の26.4万円。これは値下がりではない

金沢市の地価公示は住宅地74地点で、坪単価の中央値は27.3万円です。実際に成約した土地の中央値26.4万円との差は-3.0%でした。金沢市はこの2つがほぼ重なる市です。

ただし、重なっているからといって「相場が動いていない」と読むことはできません。公示は住宅地として選ばれた標準地の評価額、成約は実際に売れた土地の価格で、数えている対象が違います。金沢市の431件には、先に見た農地や山林が混ざる町の取引も入っています。母集団の違う2つを引き算しても、時間の変化は出てきません。

公示価格は、候補地の周辺に標準地があるときの目安として使う数字です。予算そのものは、候補の町の成約価格で組むことになります。

中古戸建て85.6万円と新築戸建て102.2万円。分母は建物の延床坪です

建物まで含めて買う場合の金沢市の数字を並べます。

種別 成約価格(中央値) 件数 単価の分母
土地 26.4万円/坪 431件 土地の面積
中古戸建て 85.6万円/坪 137件 建物の延床面積
新築戸建て 102.2万円/坪 53件 建物の延床面積

同じ「坪単価」でも、土地と戸建てでは割っている面積が違います。土地の26.4万円は成約総額を土地の面積で割った値、戸建ての85.6万円は成約総額を建物の延床面積で割った値です。この2つを引き算しても、建物代は出てきません。 並べて比べられるのは、中古戸建てと新築戸建てのあいだだけです。

中古戸建ては下位25%が57.5万円、上位25%が106.5万円。新築戸建ては93.3万円から115.7万円です。中古の上位25%は、新築の下位25%を上回っています。 2つの価格帯は重なっていて、坪単価だけでは新旧が分かれません。

中古を買って直す道を選ぶと、坪単価の低いほうから入って、直す費用の側を自分で決められます。ただし工事費は物件ごとに変わるので、成約価格の表からは出てきません。内見で「ここは直せば使える」と思った部屋も、金額を出してみると新築の予算に届いていることがあります。買う前に工事費を出しておくと、土地を買って建てる案と総額で並べられます。1社の見積もりだけでは、その金額が高いのか安いのかも判定できません。

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工事費が出てはじめて、中古を直す案と新築を総額で並べられます

中古マンションは築年で数字が変わる

金沢市の中古マンションは117件で、中央値は1㎡あたり26.7万円でした。築年帯で分けると景色が変わります。

築年帯 件数 中央値
0-10年 11件 73.3万円/㎡
11-20年 19件 37.5万円/㎡
21-30年 27件 28.6万円/㎡
31-40年 56件 15.3万円/㎡

この築年は2026年を基準にした区切りです。築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年より前に建った物件は元のデータから外してあるので、この表には入っていません。

件数がいちばん集まっているのは築31-40年の56件で、1㎡あたり15.3万円。市の中央値26.7万円とは別の水準です。117件のうち成約がいちばん集まっているのがこの帯なので、「金沢のマンションは1㎡26.7万円」という言い方は、探している築年によって当たり外れが大きくなります。

広さで分けると、70〜90㎡が30.3万円/㎡(52件)、50〜70㎡が26.2万円/㎡(27件)、90㎡以上が26.7万円/㎡(11件)、30〜50㎡が18.8万円/㎡(11件)、30㎡未満が9.3万円/㎡(16件)でした。件数がいちばん集まっているのは70〜90㎡の52件です。借りる側の相場は1㎡あたり1,759円です。

私はこう見ています

「金沢市の相場は坪いくらですか」という質問は、答えを聞いても予算づくりには使えません。駅西本町と山科で3.5倍、東力町36.4万円のとなりに東力25.3万円、そして北間町の4.3万円は住宅地の数字として読めない。431件を町別に割ると、そういう形が出てきます。

私は、市の中央値は「自分の候補地がその線の上か下か」を確かめるためだけの数字だと考えています。線そのものを予算にすると、駅西本町では候補が出てこず、山科では土地に払いすぎます。金沢市のように57町ぶんのデータが並ぶ市では、平均像を1つ出すこと自体が判断を鈍らせる方向に働くと見ています。

公示と成約の差が-3.0%と小さいことも、私は「市全体で見れば穏やか」という話であって、町ごとの判断材料にはならないと見ています。ここは私の読みなので、持ち帰ってほしいのは根拠にした数字のほうです。

予算を決める前にやる3つのこと

1. 町名まで決めてから坪単価を当てる。 市の26.4万円ではなく、候補の町の数字で計算します。グラフに出した10町以外でも、住所を入れれば周辺の実勢から出ます。

2. 似た町名を取り違えていないか確かめる。 駅西本町と駅西新町、東力町と東力、三口町と三口新町。物件情報の町名を1字ずつ照らし合わせてください。

3. 土地から建てる案と、中古を買って直す案を総額で並べる。 土地は坪26.4万円(土地面積あたり)、中古戸建ては坪85.6万円、新築戸建ては坪102.2万円(どちらも延床面積あたり)。分母が違うので、比べるのは総額どうしです。

金沢市の学区を町名から調べる
金沢市の土地相場を住所から調べる(無料)

どちらもこのサイトのページです。登録も入力も要りません

市全体をならした数字は金沢市の不動産相場にまとめています。候補を2つか3つの町に絞ったら、金沢市の学区一覧で町名から通学先も確かめておくと、あとで町を選び直さずに済みます。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地431件、中古戸建て137件、新築戸建て53件、中古マンション117件
  • 土地431件は、坪単価が極端に外れた8件を除いた集計です。除いたあとの幅は1坪2.8万円から175.2万円
  • 1区画の面積の中央値200㎡(60.5坪)と坪単価の中央値26.4万円は、別々に取った値です。掛け合わせた1,600万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 町別の集計は成約3件以上の町のみで57町。件数の少ない町の中央値は1件の取引に動かされるので、見出しの3.5倍は成約5件以上の駅西本町(5件)と山科(12件)で取っています。松寺町(3件)まで含めると7.1倍になりますが、基準には使っていません
  • グラフに出したのは57町のうち、成約7件以上の9町と、見出しの倍率に使った駅西本町(5件)の合計10町です
  • 北間町(3件)は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあるため、住宅地の相場としては扱っていません
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うため、引き算はできません
  • 中古マンションの単価は、成約総額を専有面積(㎡)で割った値です。築年帯はデータ生成時点の2026年基準で、1982年より前の物件は元データから除外されています
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。金沢市内の住宅地74地点の中央値。成約価格とは母集団が違うため、両者の差は値上がり・値下がりを示すものではありません
  • 賃貸:金沢市の募集賃料69,450件から算出した1㎡あたりの中央値
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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