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神戸市北区の土地は同じ区の中で7.8倍ちがいます

神戸市北区で土地を買うとき、北五葉なら坪46.3万円、有野町なら坪6.0万円です。同じ北区の中で、土地の値段が7.8倍ちがいます。

区全体の中央値は坪22.6万円ですが、この数字が当てはまる町は13町のうち2つだけでした。「北区の相場」を1つの数字で覚えて出かけると、候補地の売り出し価格を見るたびに見当が外れます。

国土交通省が公表している北区の宅地成約95件を町ごとに並べると、値段の層がはっきり分かれます。もうひとつ、北区の宅地は1区画230㎡(69.6坪)で、神戸市のほかの区の同じ集計とくらべていちばん大きい区画でした。この2つが、北区で家を探すときの前提になります。

先に結論

  • 北区の宅地は坪22.6万円(中央値・95件)。この水準の町は13町のうち2つだけです
  • 北五葉46.3万円と有野町6.0万円で7.8倍。どちらも取引が5件以上ある町どうしの比較です
  • 「台」「葉」が入る8町は坪14.2万円から46.3万円、「◯◯町」と書く5町は1.2万円から23.1万円に散らばります
  • 1区画は230㎡(69.6坪)。坪単価の中央値と掛けた土地代は概算で1,575.5万円です
  • 山田町下谷上3.3万円と道場町1.2万円は、住宅地の値段として使えません
目次

北五葉46.3万円、有野町6.0万円。同じ北区で7.8倍

取引が3件以上あった13の町を、坪単価の高い順に並べました。

北五葉46.3万
藤原台南町32.9万
有野台28.1万
星和台26.4万
八多町23.1万
鈴蘭台北町21.3万
柏尾台17.2万
緑町15.4万
鈴蘭台南町15.2万
鈴蘭台西町14.2万
有野町6.0万
山田町下谷上3.3万
道場町1.2万

神戸市北区の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の13町)。濃い色の2本が、本文で比べている北五葉と有野町です。

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は区全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

神戸市北区の土地相場を住所から調べる(無料)

倍率を出すときは、取引の件数が多い町どうしで比べます。北五葉は9件で坪46.3万円、有野町は6件で坪6.0万円。7.8倍です。グラフの下から2つはさらに安いのですが、そちらは住宅地の値段として読めません。理由はこのあとの見出しで書きます。

個別の取引まで見ると、北区の宅地の坪単価は2.6万円から62.8万円まで開いています。区の中央値22.6万円の前後にいるのは、八多町23.1万円と鈴蘭台北町21.3万円の2町だけでした。残りの11町は、中央値よりはっきり上か下のどちらかに寄っています。

「台」「葉」と書く町と、「◯◯町」と書く町で水準が分かれます

13町を町名の書き方で2つに分けると、値段の帯が変わります。

「台」か「葉」が入る町は、北五葉46.3万円・藤原台南町32.9万円・有野台28.1万円・星和台26.4万円・鈴蘭台北町21.3万円・柏尾台17.2万円・鈴蘭台南町15.2万円・鈴蘭台西町14.2万円の8町です。この8町は、いちばん安い町でも坪14.2万円より下に落ちませんでした。

「◯◯町」とだけ書く町は、八多町23.1万円・緑町15.4万円・有野町6.0万円・山田町下谷上3.3万円・道場町1.2万円の5町。上は23.1万円で止まり、下は1.2万円まで伸びます。同じ区の中で、下側の裾の長さがまったく違います。

ここで断っておきます。町名の書き方から町の成り立ちを決めつけることはできません。実際、緑町の15.4万円は鈴蘭台西町の14.2万円より高く、2つの帯は重なっています。この記事のデータにあるのは町名と坪単価だけで、その町がいつどう造られたかまでは分かりません。

使い方としては、表記を手がかりにして地図を開く、が正しい順番だと私は考えています。候補の町を地図で見て、区画と道路が揃った形で並んでいるのか、田畑や山林と混ざっているのかを自分の目で確かめる。値段の差は7.8倍あるので、この見分けだけで予算の桁が変わります。

いちばん安く見える2つの町は、住宅地の値段として使えません

山田町下谷上の坪3.3万円と道場町の坪1.2万円は、区の中央値22.6万円の4分の1にも届きません。この2町は、グラフの中でも別格に安く見えます。

この水準の取引には、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるために決められた区域で、家を建てられる条件が限られます。安く見える数字が、家を建てられる土地の値段とは限らないということです。

道場町は8件、山田町下谷上は5件と、取引の数そのものは少なくありません。それでも「北区でいちばん安い町」としては読まないでください。この2町を候補にするなら、値段を見る前に、その土地に家を建てられるかどうかを確かめる話が先に来ます。

1区画は230㎡。土地代は概算で1,575.5万円

北区の宅地1区画の面積の中央値は230㎡(69.6坪)でした。神戸市のほかの区の同じ集計とくらべても、北区がいちばん大きい区画です。

坪単価の中央値22.6万円と面積の中央値69.6坪を掛けると1,575.5万円になります。これは概算です。2つの中央値は別々に取った値なので、この金額の土地が実際に売られていたわけではありません。買える土地の見当をつけるための目安として使ってください。

69.6坪は、建物と駐車場と庭を別々に取れる広さです。同時に、買ったあとに手のかかる面積でもあります。庭の草刈り、外構、駐車スペースの舗装。狭い区画の感覚で予算を組むと、土地の代金以外のところで足りなくなります。

地価公示より6.4%高い。これは値上がりではありません

北区の地価公示(住宅地48地点)の中央値は坪21.3万円。実際に売れた宅地の中央値は22.6万円で、差は+6.4%です。

この差を「値上がり」と読まないでください。公示価格は標準地として選ばれた48地点の評価額で、成約価格は実際に売買が成立した95件の値段です。測っている対象そのものが違います。片方の数字が上がったという話ではありません。

使い道はあります。公示と成約が大きく離れる市もあるなかで、北区の差は6.4%です。ニュースで見た公示価格を出発点にして、そこから町ごとの差を上下に振る、という組み立てができます。

中古戸建て102.3万円、新築戸建て116.7万円。直す面積も一緒に増えます

北区の種別ごとの数字を並べます。

種別 成約価格(中央値) 件数
宅地(土地) 22.6万円/坪 95件
中古戸建て 102.3万円/坪 92件
新築戸建て 116.7万円/坪 53件
中古マンション 13.6万円/㎡ 52件
賃貸(1㎡あたり) 1,453円 19,370件

中古戸建ての坪単価は中央値102.3万円で、真ん中の半分は66.1万円から120.2万円に入ります。新築戸建ては中央値116.7万円、真ん中の半分は104.4万円から132.2万円。中古の上のほうと新築の下のほうは同じ帯に重なっていて、状態のよい中古と新築が並んで売られている形です。

戸建ての坪単価は成約総額を建物の延床坪数で割った値で、土地の坪単価22.6万円は土地面積で割った値です。分母が違うので、この2つを直接引き算することはできません。

ここで北区の広さが効いてきます。1区画69.6坪の土地に建つ家は、狭い区画の家より大きくなりやすい。中古を買って手を入れる場合、壁も床も屋根も、直す面積が一緒に増えます。坪単価が中古のほうが安いから総額も安く済む、とはならない部分です。

工事費は会社によって開きが出ます。物件を決める前に、同じ条件と同じ要望で複数社に見積もりを出してもらい、金額の幅を先に知っておいてください。

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工事費が分かると、中古を買って直す案と新築を総額で並べられます

中古マンションは築年数で1㎡9.6万円から18.6万円まで

中古マンション52件を築年数で分けると、値段が段になって落ちます。

築年数 件数 1㎡あたり
築11〜20年 9件 18.6万円
築21〜30年 14件 17.9万円
築31〜40年 24件 13.1万円
築41年以上 5件 9.6万円

築31〜40年が24件で、52件のうちいちばん多い帯です。築年数はこのデータを作った2026年を基準に数えているので、築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年より前に建った物件は、元のデータから除かれています。

築11〜20年の18.6万円と築21〜30年の17.9万円はほとんど変わらず、築31〜40年で13.1万円まで落ちます。北区で中古マンションを買うなら、この段差の手前を選ぶか、越えて安く買って直す費用を持つかの二択になります。

面積帯で分けると別の形が出ます。50〜70㎡が16件で11.5万円、70〜90㎡が26件で17.1万円、90㎡以上が8件で13.3万円。いちばん高いのは真ん中の70〜90㎡で、件数も26件でここが最多でした。狭い部屋ほど1㎡あたりが高くなる、とは限らないということです。

私はこう見ています

北区は、1つの数字で語ると必ず外れる区だと私は見ています。根拠は町別の表です。区の中央値22.6万円の前後にいるのは13町のうち2町だけで、残りは上か下に寄っています。広告や査定で「北区の相場は坪◯万円」と言われても、それは自分の候補地の値段ではありません。

そのうえで正直に書いておくと、この記事の町別の数字は1町あたり3件から9件です。件数の少ない町の中央値は、1件の外れ値で動きます。見出しに使った7.8倍は、9件の北五葉と6件の有野町という、件数が多いほうの町どうしで比べた値です。上下の端で計算すればもっと大きい倍率も出せますが、その数字は使いませんでした。

地価公示との差が6.4%にとどまっている点は、北区で家を探す人にとって使いやすい条件だと考えています。公示と実際の成約が大きく離れる市では、ニュースで流れる公示価格が予算の役に立ちません。北区では公示を出発点にして、そこから町ごとの差を上下に振る形で見当をつけられます。

家を探す前にやる3つのこと

  • 候補の町を地図で開いて、区画と道路が揃った住宅地なのか、田畑や山林と混ざる場所なのかを自分の目で見る。坪単価が7.8倍ちがうので、この見分けで予算の桁が変わります
  • 1区画69.6坪を前提に、建物・駐車場・庭の割りつけと、外構や草刈りの手間まで含めて考える
  • 中古を候補に入れるなら、工事費の見積もりを物件価格と同時に集める。北区は区画も建物も大きくなりやすく、直す面積がそのまま金額になります

神戸市の学区を町名から調べる
神戸市北区の土地相場を住所から調べる(無料)

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同じ集計方法で近隣を見た記事は三田市の土地と区画の広さ川西市の南部と山手の差にまとめています。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地95件、中古戸建て92件、新築戸建て53件、中古マンション52件
  • 宅地95件のうち、坪単価が極端に外れた9件は集計から除いています
  • 坪単価と1区画の面積は、それぞれ独立に中央値を取った値です。掛け合わせた1,575.5万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 町別の集計は取引3件以上の町のみ。1町あたり3件から9件なので、順位も倍率も幅を持って読んでください。本文の7.8倍は9件と6件の町どうしの比較です
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は建物を含む価格から出した数字で、土地の坪単価とは集計の分母が違います
  • 中古マンションは1982年以降に建てられた物件に限定。築年数は2026年を基準に数えています
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。神戸市北区内の住宅地48地点の中央値です
  • 賃貸は募集中の物件から集計した1㎡あたりの中央値で、成約価格とは性質が違います
  • 区どうしの区画の広さの比較は、同じ集計方法で作った神戸市の各区のデータによるものです。本文には北区以外の金額を出していません
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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