トンネルの中で、前の車から煙や火が出ていたら。高速道路のトンネルには、通報のボタンや非常電話、消火器が決まった間隔で置かれています。まず通報、できれば消火、手に負えないと思ったらすぐ逃げる。この順番です。
10月27日の朝には、新東名の沼津トンネルでトラックが燃え、下り線が長い時間通行止めになりました。NEXCO中日本は、自分の管内だけで、車両火災による通行止めが月に平均2回以上起きていると書いています。
先に結論
- ✓ 押しボタン式の通報装置は50mおき。ランプがつくまで押す
- ✓ 非常電話は200mおき。消火器は50mごとに2本
- ✓ 火が大きくなりそうなら、消すのをやめて自分の身を守る
- ✓ 煙の流れを見て、非常口の方向を決める
- ✓ 車はキーを付けたまま、ドアのカギを掛けずに離れる
トンネルにある設備と間隔
NEXCO中日本と西日本の案内では、トンネルの中の設備は次の間隔で置かれています。
| 設備 | 間隔 | 使い方 |
|---|---|---|
| 押しボタン式の通報装置 | 50mおき | ランプがつくまで押すと、火事だと自動で伝わる |
| 非常電話 | 200mおき | 受話器を取って、場所と様子を話す |
| 消火器 | 50mごとに2本 | 油の火にいちばん効く。粉が20〜30秒ほど出る |
| 消火栓 | ついているトンネルだけ | 消火器で消えないときに使う |
出典:NEXCO中日本「もしもの時は 車両火災」、NEXCO西日本「事故・故障のとき」。トンネルの外の本線では、非常電話はおよそ1kmおきです。

赤い箱に「消火栓」「消火器」と大きく書かれているので、走っていても見つけやすいはずです。「SOS(エスオーエス)」と書かれた箱が非常電話です。
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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火事を見つけたときの順番
NEXCO中日本は、トンネルの中で火事を見つけたときの順番を4つに分けています。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1. 通報 | 押しボタン式の通報装置をランプがつくまで押す。または非常電話で知らせる |
| 2. 消火器 | 箱を開けて取り出し、ホースを外し、安全ピンを抜く。レバーを握って、火元に向けて粉をかける |
| 3. 消火栓 | ハンドルを引いて扉を開け、ノズルを外す。赤いレバーを手前に倒し、両手でノズルを持つ |
| 4. 避難 | 火が大きくなって手に負えなくなりそうなら、自分の安全をいちばんに考えて逃げる |
出典:NEXCO中日本「もしもの時は 車両火災」。消火はできる範囲で、と書かれています。無理に消そうとしなくてかまいません。
読者
ボタンを押したら、それで伝わるの?
ランプがつくまで押せば、火事だと自動で知らせが行くの。押したら、スピーカーやラジオから流れる指示を聞いてね。
逃げる向きは「煙の流れ」で決める
トンネルの中では、スピーカーとラジオの再放送で、情報や指示が流れます。NEXCO中日本は、それに従って落ち着いて動くよう呼びかけています。
逃げる向きの決め方も書かれています。煙は、温度が下がると下に降りてきます。煙の流れを見て、煙に巻かれない側の非常口に向かいます。
- 車両火災が起きたトンネルには、外から絶対に入らない
- 逃げる途中で道路を渡るときは、消防や警察の車が入ってくるので気をつける
- 道路の上を歩き回らず、ガードレールの外など、車の来ない場所に移る
出典:NEXCO中日本「もしもの時は 車両火災」、NEXCO西日本「事故・故障のとき」。西日本の案内は「車内は安全地帯ではありません」と書いています。
車を置いて離れるとき
あとから消防車やレッカー車が通れるように、車の置き方にも決まりがあります。
| すること | 理由 |
|---|---|
| 車を左に寄せる | 消防や警察の車が通る道を空ける |
| サイドブレーキをかけ、エンジンを止める | 車が動き出さないようにする |
| キーは付けたままにする | 道路の管理者などが車を動かせるようにする |
| ドアのカギを掛けない | 同じく、車を動かせるようにする |
出典:NEXCO中日本「もしもの時は 車両火災」。法律が変わり、2014年11月からは、救急や消防の車のじゃまになる車を、道路の管理者が動かせるようになっています。
通報の番号
トンネルの外で車が止まってしまったときは、次の番号でも知らせられます。
- 110番(警察)
- 道路緊急ダイヤル「#9910」(携帯電話からもかけられる)
- 非常電話(本線はおよそ1kmおき)
出典:NEXCO西日本「事故・故障のとき」。運転しながらの電話はできません。同乗者がかけるか、安全な場所に止まってからにします。止まった車の後ろには、ハザードランプ、発炎筒、三角の停止表示板で合図をします。
燃えないための点検
NEXCO中日本は、車両火災のもとになる故障として、エンジンのトラブルやタイヤのバーストを挙げています。出かける前と、ふだんの点検をお願いしています。
トンネルで通行止めになると、うしろの車は長い時間動けなくなります。事故の手前で車線が減ったときの合流のしかたは、ファスナー合流のやり方にまとめています。車から出られなくなったときの備えは、冠水した道路に車で入るとどうなるかにまとめています。
アイキャッチ写真の出典
群馬県道62号バイパスの楡高トンネルの中(2006年2月)。撮影 Comeoncomeon(カモンカモン)/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0(ウィキメディア・コモンズ)。
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