🗨️「雨で新幹線が止まるとして、何ミリ降ったら止まるんですか」
1時間に60ミリ以上で運転見合わせです。ただしこれは2つある基準の片方だけで、もう1つの「土壌雨量」の規制値は、JR東海が沿線59か所の雨量計ごとに設定していて数値を公表していません。60ミリに届かなくても止まることがある、という意味です。ネットに残っている「4つの基準」は2025年5月末で終わっています。
[交通] この記事の要点
2026年9月6日 発表
- 7日に東海道新幹線で移動する予定の人
- 三島駅〜浜松駅の間を通る予定の人
- 止まったときの払いもどしや振替を気にしている人
止まるのは1時間60ミリ。ただし基準は2つあります
Yahoo!知恵袋には2024年9月19日に投稿された、こんな質問が残っています。「雨による新幹線への影響。 1時間あたり10ミリの雨で、新幹線は止まってしまうのでしょうか??」
答えは10ミリではありません。JR東海が2025年5月30日に出した資料では、運転見合わせの規制値は時雨量60ミリ以上。質問者の見立てとは6倍ひらいています。
ただし、ここで話は終わりません。同じ資料には規制値が2つ並んでいます。
| 運転見合わせの規制値 | 公表されている数値 |
|---|---|
| 時雨量(過去1時間の雨量) | 60mm 以上 |
| 土壌雨量 | 「過去の経験雨量等を基に雨量計ごとに設定した数値」(具体的な数値の記載なし) |
片方は数字が出ていて、もう片方は出ていません。土壌雨量というのは、地面の中にどれだけ水がたまっているかを表す値で、気象庁の土壌雨量指数と同じ計算モデルを使い、沿線59か所にあるJR東海の雨量計の値から算出しています。59か所それぞれに違う値が設定されていて、その一覧はどこにも出ていません。
60ミリまでは走ってくれる、と思っていていいですか
そうは読めません。2つの規制値はどちらか一方に達した時点で効きます。土壌雨量のほうが先に達すれば、1時間の雨が60ミリに届いていなくても止まります。
停電でスマホを生かすための電源
設定で節約しても、数日の停電では足りません。充電の出どころを2系統以上にするのが現実的です。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
停電下で扇風機とスマホを動かせるかどうかが、夏の避難生活の体感を大きく変えます。大型より、避難所や車まで持ち運べる重さのほうが実際に使えます。
手回しは常用の充電手段にはなりません。電源が尽きたあとに情報を得る最後の一手として、そしてスマホの電池を情報収集で使い切らないための道具として持ちます。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
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ネットに残っている「4つの基準」は、2025年5月末で終わっています
「東海道新幹線 雨」で検索すると、いまでも運転見合わせの「4つの基準」を説明した記事がいくつも出てきます。この4つは、2014年6月26日にJR東海が公表した表に載っていたものです。
| 2014年公表の旧規制値 | 70km/h 徐行 | 運転見合わせ |
|---|---|---|
| 時雨量 | 50mm 以上 | 60mm 以上 |
| 連続降雨量(過去24時間)かつ時雨量 | - | 150mm 以上 かつ 40mm 以上 |
| 連続降雨量 かつ 10分間雨量 | 250mm 以上 かつ 2mm 以上 | 300mm 以上 かつ 2mm 以上 |
このうち連続降雨量を使う基準は2025年6月1日で廃止され、土壌雨量に置き換わりました。「150ミリ降ったら止まる」という説明は、いまの運用と合っていません。
もうひとつ、この2014年の表にしか載っていない数字があります。時雨量50ミリで70km/h の徐行です。2025年の資料には運転見合わせの規制値しか出ていないので、徐行の値がいまいくつなのかは公表資料からは分かりません。止まる前に、まず遅くなる段階がある、という構造だけは押さえておくと予定を立てやすくなります。
なぜ変えたのか。24時間以上降り続く雨が増えたからです
JR東海は変更の理由として、従来の連続降雨量に比べて土壌雨量のほうが降り始めからの影響を長時間にわたって反映できること、そして24時間以上にわたって強く降り続く雨が増えていることを挙げています。
あわせて、それまでは全線で一律の規制値を使っていたと書かれています。東京から新大阪まで、静岡の山あいも名古屋の市街地も同じ数字で判定していたということです。2025年6月からは雨量計ごとに値が設定されました。きめ細かくなった代わりに、乗客側から見える数字は減りました。
東海道新幹線が雨に弱いのは、盛土と切取が全線の53%だからです
「東海道新幹線 雨に弱い なぜ」も、実際に打ち込まれている検索語です。JR東海の資料に答えが書いてあります。東海道新幹線は盛土・切取構造が全線の53%を占めています。
短い時間に強く降る雨は、盛土の表面を削ったり線路を冠水させたりします。これに効くのが時雨量の基準です。長く降り続く雨は、土の中の水分を増やして盛土の斜面そのものを崩します。こちらに効くのが、かつての連続降雨量、いまの土壌雨量です。2つの基準は別々の壊れ方に対応していて、片方だけ見ていても意味がありません。
JR東海は三島〜浜松を名指しして、110億円の工事を始めています
2026年5月29日の発表で、JR東海は近年の雨についてこう書いています。数日間にわたり強く降り続く雨が増加していて、特に三島駅〜浜松駅間で豪雨が多く発生し、他の地区に比べて運転規制の時間も長くなっている、と。会社が自分でこの区間を挙げているという事実は、7日に東海地方へ雨が予想されている今週にそのまま効いてきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象区間 | 三島駅〜浜松駅 |
| 工事の内容 | のり面のコンクリート被覆、補強土工 |
| 工事費 | 約110億円 |
| 工事期間 | 2026年5月〜2030年3月(予定) |
| 規制値の見直し | 2027年度以降、強化が完了した設備の性能を確認したうえで順次 |
過去の降雨実績でシミュレーションすると、運転規制の延べ時間はおよそ2割減る見込みだと書かれています。ただし規制が緩むのは2027年度以降です。今シーズンの雨は、いまの規制値で判定されます。
この止まり方は、前の日に発表されません
台風のときに聞く計画運休とは、仕組みが違います。国土交通省が令和元年10月11日にまとめた「鉄道の計画運休の実施についての取りまとめ」は、書き出しが「大型の台風等が接近・上陸する場合等においては」で、情報提供のモデルケースも事前に予測できる台風を想定したものだと明記されています。
雨量規制はそうではありません。基準に達したときに止まります。前の日の夜に「明日は止まります」とは言われない止まり方だと考えておくのが実際に近いです。私は、この違いを知らないまま「発表が無いから大丈夫」と受け取るのが、いちばん予定を壊すパターンだと見ています。
では、乗る前に何を見ればいいですか
雨量から逆算するのは無理です。土壌雨量の規制値が非公表である以上、あと何ミリで止まるかは計算できません。見るのはJR東海の運行状況そのもの、それも出発直前です。
生活・仕事にどう効くか
- 予定が読めるか:雨量規制による運転見合わせは、台風の計画運休のように前日に発表されない。基準に達した時点で止まるので、朝の時点では動いていても昼に止まることがある。
- 自分で計算できるか:時雨量60ミリは公表されているが、土壌雨量の規制値は59か所ぶんとも非公表。雨量計の値も公表されていないので、あと何ミリで止まるかを乗客側で数えることはできない。
- 今シーズンは変わらない:JR東海は三島駅〜浜松駅間で約110億円の設備強化を進めているが、工事期間は2026年5月から2030年3月まで。規制値の見直しは2027年度以降なので、今年の雨は現行の規制値で判定される。
結局どうすればよいか
- 止まるかどうかを雨量から逆算しようとしない。土壌雨量の規制値は非公表なので、JR東海の運行状況をこまめに見るしかない
- ネットで見つけた「4つの基準」の解説は2025年5月末までのもの。連続降雨量150ミリという数字はいまの基準に入っていない
- 三島〜浜松を通る予定なら、JR東海自身がこの区間で規制の時間が長いと書いていることを前提に、予定に余裕を持たせる
公式出典
- JR東海「東海道新幹線における新しい降雨運転規制について」(2025年5月30日発表)
- JR東海「多雨期における東海道新幹線の安全対策について」(旧規制値と雨量計の整備経緯)(2014年6月26日発表)
- JR東海「豪雨に対する東海道新幹線の線路設備強化及び降雨規制の見直しについて」(2026年5月29日発表)
- 国土交通省「鉄道の計画運休の実施についての取りまとめ」(2019年10月11日発表)
更新履歴
- 2026年9月6日 初版を公開
※本記事は2026年9月6日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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