🗨️「チベットの地震で、どれくらいの被害が出ているの?日本への影響は?」
10月22日夜、中国チベット自治区の那曲(ナクチュ)市巴青(バチェン)県で起きたM7.0の地震で、23日18時(日本時間19時)までに16人が亡くなり、76人がけがをしました(新華社が伝えた現地当局の発表)。日本については、気象庁が津波の心配はないと発表しています。ただ、震源は標高4,800メートル近い高原で、夜の冷え込みが厳しいなか、23日15時までに1万2,000人あまりが家を離れました。
[災害] この記事の要点
2026年10月23日 発表 (2026年10月24日 更新)
- チベット自治区や青海省へ旅行・出張する予定の人
震源の場所・規模・深さ
震源は、チベット自治区の区都ラサから北東へ約400キロ、青海省と接する巴青県です。新華社によると、震央の郷(ごう。日本の村にあたる地区)は巴青県の中心部から約70キロ離れていて、郷の役場の建物の壁にもひびが入りました。県の中心部では停電し、電話などの通信も乱れました。
地震の規模は、中国地震台網もUSGS(アメリカ地質調査所)もM7.0で一致しています。食い違っているのは震源の深さで、中国地震台網は10キロ、USGSは18キロとしています。
| 項目 | 中国地震台網 | USGS | 気象庁 |
|---|---|---|---|
| 発生(日本時間) | 22日23時33分 | 22日23時33分 | 22日23時33分ごろ |
| 規模 | M7.0 | M7.0 | M7.0 |
| 深さ | 10キロ | 18キロ | 発表なし |
| 震央 | 北緯32.40度・東経93.79度 | 北緯32.38度・東経93.78度 | 北緯32.3度・東経93.7度 |
気象庁の発表は、震源の位置と規模をUSGSの値から伝えたものです。

USGSは、この地震を地面が引っ張られてずれる「正断層」型と分析しています。揺れの推定では、およそ11万人が中程度から激しい揺れを受けたとみています(アメリカなどで使う改正メルカリ震度の5〜8。日本の震度とは別のものさしです)。

死者とけが人の数
死者は最初の発表から16人のままで、けが人は確認が進むにつれて32人から76人に増えました。数字はどれも、中国の地元当局の発表を、国営の新華社通信が伝えたものです。
| 時点(北京時間) | 死者 | けが人 | 発表した機関 |
|---|---|---|---|
| 23日2時25分 | 16人 | 32人(重傷11人) | 那曲市の応急管理局 |
| 23日7時 | 16人 | 54人(重傷11人) | チベット自治区の応急指揮部 |
| 23日10時 | 16人 | 76人 | 那曲市政府の記者会見 |
| 23日18時 | 16人 | 76人 | 現地の応急指揮部(行方不明者なし) |
23日18時の発表では、倒れたり壊れたりした家は339戸、家畜の小屋は20か所です。23日15時までに1万2,489人が住まいを離れました。避難場所は18か所ができあがり、ほかも設営中です。
現地にはテント3,408張り、綿入りの布団4,280枚、ストーブ300台などが届き、救助や医療にあたる人は5,000人を超えました(23日の那曲市の会見)。
日本への津波と影響
気象庁は23日0時6分に「遠地地震に関する情報」を出し、この地震による津波の心配はないと発表しました。震源は海から遠い大陸の内陸で、東京からは直線で約4,200キロ離れています。この地震で、日本国内の震度は発表されていません。
外務省や新華社の発表で、日本人が被害に遭ったという情報は、24日1時の時点で見当たりません。外務省の海外安全ホームページにも、この地震についての注意の呼びかけ(スポット情報)はまだ出ていません。チベット自治区には、地震とは別の理由で、以前から危険レベル1(十分注意してください)が出ています。
チベットで地震が起きる理由
USGSの解説によると、チベット高原は、インドを乗せたプレートがユーラシア大陸にぶつかり続けて持ち上がった土地です。世界でいちばん高いこの高原は、自分の重さで東西に広がろうとしていて、今回の地震はその動きと合う向きのずれ方でした。
1900年以降、チベット高原とその周りで起きたM7以上の地震は29回あります。2010年4月には、今回の震央から東北東へ272キロの青海省玉樹(ぎょくじゅ)でM6.9の地震があり、2,500人以上が亡くなりました。USGSは、人がまばらな土地なので、被害の大きさは震源が人の住む場所にどれだけ近いかで大きく変わると説明しています。
余震と寒さの心配
USGSの観測では、24日1時(日本時間)までに、震央から150キロ以内でM4以上の余震が10回起きています。いちばん大きいのは、本震の約40分後に起きたM5.2です。
那曲市の会見では、揺さぶられた山の斜面からの地すべり・崩落・落石を、いま最も大きい二次災害の危険としてあげました。余震で傷んだ建物がさらに崩れるおそれもあるとしています。震源の周りは平均で標高4,800メートル近くあり、10月下旬の夜は冷え込みます。この先はにわか雪のおそれもあり、救援の車には、日の当たらない坂道の雪や凍った路面に気をつけるよう求めています。
画像の出典
揺れの推定図:USGS(パブリックドメイン)・USGSのイベントページ
巴青県の位置図:作成 クロカン(Croquant)・CC BY 3.0・ウィキメディア・コモンズ
アイキャッチ:那曲市内の草原とヤク(2007年7月撮影。震源の巴青県とは別の場所)・撮影 ルオ・シャオヤン(Luo Shaoyang)・CC BY 2.0・ウィキメディア・コモンズ。上下を切り抜き、文字を重ねています
結局どうすればよいか
- 日本の海沿いにいても、この地震で避難する必要はない(気象庁の発表)
- チベット自治区や青海省へ行く予定があれば、外務省の海外安全ホームページで最新の情報を確かめる
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くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 気象庁「地震情報」(10月23日0時6分 遠地地震に関する情報)(2026年10月23日発表)
- 外務省 海外安全ホームページ「中華人民共和国(中国)危険・スポット・広域情報」(2024年9月25日発表)
更新履歴
- 2026年10月24日 初版を公開(新華社が伝えた23日18時までの発表、USGS、気象庁の情報にもとづく)
※本記事は2026年10月24日1時(日本時間)時点で、新華社が伝えた中国当局の発表、USGS(アメリカ地質調査所)、気象庁、外務省の情報にもとづきます。死傷者の数は今後変わる可能性があります。
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