🗨️「線状降水帯は、これまでにどこで起きたのでしょうか。自分の県でも起きていますか」
気象庁が今の基準で一覧にしている2023年5月25日から2026年10月3日までに、線状降水帯は61日、36都道府県で確認されています。最も多いのは鹿児島県の15日(奄美地方を含む)、次いで熊本県と長崎県の7日です。大阪府・京都府・広島県・新潟県など11府県は、この期間に一度も確認されていません。
[災害] この記事の要点
2026年10月3日 発表
- 自分の県で線状降水帯が起きたことがあるか知りたい人
- 引っ越し先や家を買う場所の、大雨の起こりやすさを比べたい人
- 半日前の呼びかけが出たとき、どこまで備えるか迷う人
2023年5月からの全事例
線状降水帯は、発達した雨雲が列になって同じ場所にかかり続け、大雨を降らせる雨域です。気象庁は、雨量の分布が基準を満たしたときに「顕著な大雨に関する気象情報」を出し、その事例を一覧にして公開しています。
一覧に載っているのは、今の基準で運用を始めた2023年5月25日13時以降の事例です。基準は、3時間に100ミリ以上の雨が500平方キロ以上の範囲で線状に広がり、その中の最大が150ミリ以上で、さらに土砂災害・洪水・浸水のどれかの危険度が「危険(紫)」に達していることです。
気象庁が公開しているデータ(2026年10月3日20時更新)を日付ごとにまとめると、次の61日になります。
| 確認された日 | 都道府県(地域) |
|---|---|
| 2023年6月2日 | 高知・和歌山・奈良・三重・愛知・静岡 |
| 2023年6月19日 | 鹿児島(奄美) |
| 2023年6月20日 | 鹿児島(奄美) |
| 2023年7月1日 | 山口 |
| 2023年7月2日 | 鹿児島(奄美) |
| 2023年7月3日 | 熊本 |
| 2023年7月8日 | 島根 |
| 2023年7月10日 | 福岡・佐賀・大分 |
| 2023年7月12日 | 石川・富山 |
| 2023年7月13日 | 富山・石川 |
| 2023年8月6日 | 沖縄(本島) |
| 2023年8月9日 | 鹿児島・熊本・宮崎 |
| 2023年8月10日 | 高知・大分・宮崎・愛媛 |
| 2023年8月12日 | 岩手 |
| 2023年8月15日 | 鳥取・岡山 |
| 2023年9月8日 | 東京(伊豆諸島)・千葉・茨城・福島 |
| 2023年9月9日 | 福島 |
| 2023年9月14日 | 長崎 |
| 2023年9月15日 | 長崎 |
| 2023年9月21日 | 奈良・和歌山 |
| 2024年6月21日 | 鹿児島 |
| 2024年6月28日 | 静岡 |
| 2024年7月14日 | 長崎 |
| 2024年7月25日 | 沖縄(石垣島)・山形 |
| 2024年8月26日 | 栃木 |
| 2024年8月27日 | 岩手 |
| 2024年8月28日 | 鹿児島 |
| 2024年8月29日 | 宮崎・鹿児島・大分・徳島・香川・兵庫 |
| 2024年8月31日 | 三重 |
| 2024年9月20日 | 秋田 |
| 2024年9月21日 | 石川 |
| 2024年10月22日 | 宮崎 |
| 2024年11月2日 | 長崎 |
| 2024年11月9日 | 沖縄(本島)・鹿児島(奄美) |
| 2025年6月9日 | 鹿児島 |
| 2025年8月7日 | 石川 |
| 2025年8月8日 | 鹿児島 |
| 2025年8月9日 | 福岡 |
| 2025年8月10日 | 福岡・山口・大分・熊本 |
| 2025年8月11日 | 熊本・長崎 |
| 2025年8月29日 | 青森 |
| 2025年9月4日 | 宮崎 |
| 2025年9月5日 | 静岡・神奈川 |
| 2025年9月10日 | 長崎・熊本 |
| 2025年9月21日 | 北海道(釧路)・北海道(十勝) |
| 2025年10月9日 | 東京(伊豆諸島) |
| 2026年5月23日 | 沖縄(本島) |
| 2026年6月3日 | 徳島・和歌山・静岡・神奈川 |
| 2026年6月24日 | 鹿児島 |
| 2026年7月2日 | 佐賀・長崎・福岡・大分・熊本 |
| 2026年7月5日 | 熊本 |
| 2026年8月13日 | 千葉 |
| 2026年8月14日 | 千葉 |
| 2026年8月25日 | 鹿児島(奄美) |
| 2026年8月26日 | 鹿児島(奄美) |
| 2026年8月27日 | 富山・石川 |
| 2026年8月28日 | 北海道(釧路) |
| 2026年9月2日 | 青森 |
| 2026年9月4日 | 鹿児島 |
| 2026年9月5日 | 鹿児島・鹿児島(奄美) |
| 2026年9月8日 | 岐阜・愛知 |

地図で調べたあと、家に置いておくもの
色がついていても、白でも、家に置くものは変わりません。自治体の備蓄は数日分が前提なので、最初の3日をしのぐ分は各家庭で持っておくものとされています。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
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都道府県別の日数
同じ県で同じ日に何回出ても1日と数えて、都道府県ごとに並べ直すと次のようになります。奄美地方は鹿児島県、石垣島などの島は沖縄県に入れています。
| 日数 | 都道府県 |
|---|---|
| 15日 | 鹿児島 |
| 7日 | 長崎・熊本 |
| 5日 | 石川・大分・宮崎 |
| 4日 | 静岡・福岡・沖縄 |
| 3日 | 千葉・富山・和歌山 |
| 2日 | 北海道・青森・岩手・福島・東京・神奈川・愛知・三重・奈良・山口・徳島・高知・佐賀 |
| 1日 | 秋田・山形・茨城・栃木・岐阜・兵庫・鳥取・島根・岡山・香川・愛媛 |
| 0日 | 宮城・群馬・埼玉・新潟・福井・山梨・長野・滋賀・京都・大阪・広島 |
最も多いのは鹿児島県の15日で、このうち奄美地方で確認された日が7日あります。上位は九州が占めますが、確認された都道府県は36あり、北海道・青森県・秋田県・岩手県でも出ています。
「線状降水帯は九州の話で、うちの地方には関係ない」とは言い切れません。2026年だけでも、8月13日から14日に千葉県、8月27日に石川県と富山県、9月8日に岐阜県と愛知県で確認されています。
月別に数えると、県と日の組み合わせ102のうち、8月が38で最も多く、9月22、7月20、6月16と続きます。10月と11月にも合わせて5回あります。2024年11月9日には、沖縄本島と奄美地方で同じ未明に確認されました。
2023年5月より前の事例
表の0日は、2023年5月25日以降に今の基準で確認されていない、という意味です。それより前にも、線状降水帯による大雨は起きています。
気象庁は解説のページで、線状降水帯による大雨の例として、2014年8月の広島県の大雨、2015年9月の関東・東北豪雨、2017年7月の九州北部の大雨、2018年7月豪雨(西日本豪雨)、2020年7月豪雨を挙げています。広島県は上の表では0日ですが、2014年の大雨はこの一覧ができる前のことです。
2020年7月豪雨では、熊本県の球磨川が氾濫しました。そのときの様子は球磨川 氾濫/2020年は人吉で国の堤防が決壊にまとめています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
予測が出ても起きない日
気象庁は、線状降水帯が発生しそうなとき、半日ほど前から府県単位で呼びかけます。この呼びかけと、実際に発生したかどうかは別です。
2026年9月20日22時55分には、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県・茨城県・山梨県・静岡県に、翌21日の線状降水帯の半日前予測が出ました(当日の記事)。上の一覧には、9月21日の行がありません。
気象庁がまとめた2025年の実績(11月14日時点)では、呼びかけ88回のうち、実際に線状降水帯が発生したのは12回、約14%でした。反対に、発生した17回のうち12回、約71%は事前に呼びかけが出ていました。そして呼びかけ88回のうち54回、約61%は、3時間に100ミリ以上の大雨になっています。
私はこの数字を、「呼びかけは7回に1回しか当たらない」ではなく、「呼びかけが出たら、10回に6回は大雨になる」と読んでいます。線状降水帯にならなくても、雨の量は危ない水準に届いていることが多いからです。半日前の呼びかけは、避難の準備を始める合図と考えるのがよさそうです。
雨が強くなったときに水につかりやすい道は、市区町村ごとに道路冠水マップ どこで見られるの?から探せます。
よくある質問
Q. 線状降水帯がいちばん多い県はどこですか。
A. 2023年5月25日以降では、鹿児島県の15日(奄美地方の7日を含む)です。次は熊本県と長崎県の7日です。
Q. 大阪府や京都府で線状降水帯が出たことはありますか。
A. 2023年5月25日以降の気象庁の一覧には、大阪府と京都府の事例はありません。それより前の事例は、今の基準の一覧に入っていないので、この記事では数えていません。
Q. 線状降水帯が多い時期はいつですか。
A. 8月が最も多く、7月から9月に集中しています。ただし10月・11月にも確認されています。
Q. 線状降水帯が出ると電車は止まりますか。
A. 関東の鉄道各線が、線状降水帯の呼びかけをどう扱っているかを線状降水帯で電車は止まる?にまとめました。
生活・仕事にどう効くか
- 回数を見るとき:多いのは九州だが、36都道府県で出ている。0日の県は2023年5月以降に出ていないだけで、それより前の大雨は一覧に入っていない。
- 呼びかけが出たとき:2025年は呼びかけ88回のうち発生は12回。それでも54回は3時間100ミリ以上の大雨になった。
- 家を選ぶとき:県の回数より、住所が浸水や土砂災害の区域に入っているかのほうが効く。ハザードマップで住所ごとに見る。
結局どうすればよいか
- 下の表で、自分の県で線状降水帯が確認された日を見る
- 半日前の呼びかけが出たら、避難先と持ち出す物を家族で確かめておく
- 住所が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っているかを、ハザードマップで確かめる
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 気象庁 線状降水帯の事例(一覧・CSV)(2026年10月3日発表)
- 気象庁 令和7年の実績 ~線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけ~(PDF)(2026年10月3日発表)
- 気象庁 線状降水帯による大雨(予報が難しい現象について)(2026年10月3日発表)
更新履歴
- 2026年10月3日 初版を公開
※本記事は2026年10月3日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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