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リスキリング 助成金 AI研修/ツール代は対象外

🗨️「社員のAI研修に、リスキリングの助成金は使えますか」

厚生労働省の人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」なら、中小企業は研修費の75%が出ます。ただしAIツールの導入費は対象外で、ChatGPTの初歩的な操作だけの研修も対象になりません。令和8年度末までの時限措置です。

[AI] この記事の要点

発表日・更新日

2026年10月16日 発表

影響を受ける人
  • 社員にAIやDXの研修を受けさせたい中小企業の経営者・総務担当者
  • 研修会社から「助成金で実質無料」と営業を受けている会社
  • AIで事務を変えたい不動産会社・士業の事務所
目次

中小企業は研修費の75%

社員にAIの研修を受けさせたい。そう考えたとき、まず当たるのが厚生労働省の人材開発支援助成金です。そのうち「事業展開等リスキリング支援コース」は、新しい事業の立ち上げや、会社のDX(デジタル化)を進めるための訓練に、お金を出します。

対象は、雇用保険に入っている会社と、そこで働く雇用保険の加入者です。個人が自分で申し込む制度ではありません。出る額は、概要リーフレットで次のとおりです。

項目中小企業大企業
経費助成(研修費)75%60%
賃金助成(1人1時間)1,000円500円
1人あたり上限(10〜100時間未満)30万円20万円
1人あたり上限(100〜200時間未満)40万円25万円
1人あたり上限(200時間以上)50万円30万円

研修は10時間以上で、仕事から離れて受けるOFF-JT(オフジェイティー)である必要があります。動画で学ぶeラーニング(イーラーニング)や通信制は、経費助成だけで賃金助成は出ません。上限も中小企業15万円、大企業10万円になります。

リーフレットの例では、1人30万円・30時間の研修を3人が受けると、経費助成67.5万円と賃金助成9万円が出ています。

パソコンが並ぶ教室で画面に向かう若い人たち
研修は10時間以上が条件(写真はイメージ/Pexels)

AIを自分の側に置くなら、最初の1冊

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ツール代は1円も出ない

「AI研修とAIツールをセットで入れれば、ツール代も研修費として申請できる」。研修会社からこう聞いたら、立ち止まってください。厚生労働省の詳細版パンフレットは、この営業を注意すべき例として挙げ、AI研修費用は対象だが、AIツールの導入費用は対象ではないと書いています。

同じページには、「助成金で受講料は実質無料、払った以上に利益が出る」という営業も載っています。助成金は払った研修費の一部を出す仕組みなので、利益が出ることは仕組み上ありえないとされています。申請書の作成や提出の代行は社会保険労務士の独占業務で、研修会社が「無料で代行」とうたっていても問題になる場合があります。

研修の中身にも線があります。パンフレットは、次のような訓練を対象外としています。

  • 初歩的な操作だけ:デジタル機器で文章や数値を入力したり、書式を変えたりする程度の内容
  • 買ったアプリの使い方:既存のアプリやシステムを買って、その操作方法を覚えるだけのもの
  • コンサルタントの指導:経営改善の指導など

ChatGPTの画面の使い方を覚えるだけの研修は、通りにくいと考えた方がよいでしょう。対象になるのは、事業展開やDXに必要な専門的な知識と技能です。パンフレットの例には、運送会社がAIで配送ルートを最適化するための人材育成の訓練が挙がっています。

8月から厳しくなった点

2026年8月3日以降に出す計画から、要件が2つ改められました。

  • 社会人の基礎は対象外:接遇やマナーなど、職業人として共通に必要な講習は、DXに関する訓練であっても対象外になりました
  • eラーニングは年1回:1人が1年度に受けられる回数は3回までで、そのうちeラーニングは1回までになりました

8月2日以前に研修会社と契約や申し込みをしていた場合は、前の扱いになる経過措置があります。

いつまでと申請の順番

このコースは令和4年12月に始まり、パンフレットでは令和8年度末までの時限措置とされています。令和8年度末は2027年3月末です。どの手続きの日付で区切るのかは、パンフレットからは読み取れなかったので、労働局に確かめてください。

申請の順番は決まっています。研修を始めてから申請しても間に合いません。

  1. 職業能力開発推進者を決め、事業内の職業能力開発計画を作って社員に知らせる
  2. 研修開始日の6か月前から1か月前までに、計画届と事業展開等実施計画を労働局に出す
  3. 計画どおりに研修を行い、研修費を全額払う
  4. 研修終了日の翌日から2か月以内に支給申請をする

お金が出るのは道具ではなく、人が学ぶことに対してです。AIを入れても仕事が減らない会社の話は、こちらに書きました。

研修と一緒に社内のルールも決めておくと、学んだことを使う場面で迷いません。協会のひな形を使う方法は生成AI 社内ルール サンプル/埋める空欄は3か所にまとめました。

よくある質問

Q. 個人で受けるAI講座にも使えますか。
A. このコースは会社(事業主)向けです。会社が社員に受けさせる研修が対象で、個人が自分で申し込む制度ではありません。

Q. 研修会社が申請を無料で代わりにやってくれると言っています。
A. 申請手続きの代行は社会保険労務士の独占業務です。厚生労働省は、受講料に代行の対価が含まれると評価される場合は問題になると注意しています。

Q. 研修のあとでAIツールを買う予定です。その費用も出ますか。
A. AIツールの導入費用は経費助成の対象ではありません。機器の導入に別の加算(設備投資加算)がありますが、賃金を上げるなどの要件があるので、労働局に確かめてください。

Q. この内容はいつ時点のものですか。
A. 2026年10月16日に確認した、厚生労働省の詳細版パンフレット(令和8年8月3日版)と概要リーフレット(令和8年4月8日版)にもとづきます。年度の途中で制度が変わることがあるので、申請の前に労働局で確かめてください。

生活・仕事にどう効くか

  • 中小企業が外部のAI研修を使う:研修費の75%と、受講1時間あたり1,000円の賃金助成が出る。1人あたりの上限は研修時間で30万〜50万円。
  • 研修とAIツールをセットで買う:助成の対象は研修費だけ。ツールの導入費は対象外とパンフレットに明記されている。
  • 動画で学ぶeラーニング:経費助成だけで賃金助成は出ない。8月3日以降の計画では1人1年度1回までになった。

結局どうすればよいか

  • 研修を始める日の6か月前から1か月前までに、計画届を労働局に出す
  • 研修の中身が、事業展開やDXに直接つながる専門的なものかを確かめる
  • 「実質無料」「ツール代も出る」という営業は、労働局に確かめてから契約する

公式出典

更新履歴

  • 2026年10月16日 初版を公開

※本記事は2026年10月16日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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