家の近くの盛り土は、国の「重ねるハザードマップ」と自治体の「大規模盛土造成地マップ」で調べられます。ただし、地図に色が付いているだけで危険と判断することはできません。
確認する順番は、住所検索、盛土の分布、自治体の調査結果です。住宅購入を考えている場合は、最後に敷地の造成・擁壁・排水に関する資料を確かめます。
盛り土と災害リスク
盛り土は、土を盛って土地の高さや形を変えることです。谷を埋める造成や、斜面に土を付け足す造成などがあり、住宅地や道路などの整備でも行われます。
盛り土そのものが災害を意味するわけではありません。問題になるのは、地盤や水、擁壁などの条件によって、盛土が動いたり土砂が流れ出たりすることです。
国土交通省は、大地震で造成宅地の盛土が地滑りのように動く「滑動崩落」を説明しています。盛土が地下水を多く含む場合には抵抗する力が弱くなるため、雨水・地下水の扱いも確認対象になります。
「大規模盛土造成地」は、一定の規模を満たす造成地の区分です。谷埋め型は盛土の面積が3,000平方メートル以上、腹付け型は元の地盤の勾配が20度以上で盛土の高さが5メートル以上のものを指します。
この基準に満たない盛土もあります。「大規模盛土造成地マップにない」という理由だけで、盛土がないとは判断できません。

出典の発表日時・対象地域・最新の案内を確認できます。
住所から地図を調べる
まずハザードマップポータルサイトを開き、「重ねるハザードマップ」で住所を検索します。自宅だけでなく、斜面の上側・下側や周辺の道路も画面に入れてください。
- 住所または地名を入力して目的の場所へ移動する。
- 「すべての情報から選択」を開く。
- 「土地の特徴・成り立ち」から「大規模盛土造成地」を選ぶ。
- 表示された範囲と凡例、データの出典を確認する。
この操作は千葉市の公式ページでも案内されています。メニューの位置が変更された場合は、サービス内で「大規模盛土造成地」を探してください。
地図は造成前後の地形資料などから、盛土造成地の概ねの位置と規模を抽出したものです。敷地境界を確定する図面や、一軒ごとの安全性を判定する資料としては使えません。
住所検索の結果も、建物の位置と合っているか確かめます。付近の住所表示だけで敷地を決めず、道路や公共施設などの目印を合わせて見ると取り違えを防げます。

自治体の資料で確かめる
次に「自治体名 大規模盛土造成地マップ」で公式ページを探します。国の地図で色が確認できなくても、自治体のPDFや別の地図サービスに資料があることがあります。
実例は千葉市の大規模盛土造成地マップです。全市版と地域別PDFがあり、地図だけで判断しにくいときの問い合わせ先も掲載されています。
自治体資料では、公開日だけでなく、調査時期、使用した地形資料、現地調査の結果を読みます。公開日が新しくても、元になった造成前後の地図が古いことはあります。
調査の段階も確認します。位置を抽出した段階と、ボーリングや地下水位の把握、安定計算まで行った段階では、分かっている内容が違います。
地図上で敷地が境界に近い場合は、画面を拡大して自己判断するより、住所や地番を添えて担当窓口に聞く方が確認事項を絞れます。「範囲に入るか」「安全性調査をしたか」「公表資料はあるか」を分けて尋ねてください。
規制区域と地形の違い
盛土規制法は2023年5月26日に施行され、宅地・農地・森林などの用途にかかわらず、危険な盛土等を包括的に規制する仕組みとなりました。正式名称は「宅地造成及び特定盛土等規制法」です。
規制区域図は、盛土等の工事を規制するエリアを示します。既存の盛土が分布する地図とは別の資料です。区域内だから敷地全体が盛土、区域外だから安全、と読み替えないでください。
たとえば千葉市は、市内全域を宅地造成等工事規制区域に指定した図を公開しています。詳しくは盛土規制法の規制区域の記事から確認できます。
国土地理院の地理院地図では、土地の成り立ち・人工地形や年代別航空写真も調べられます。昔の谷や斜面、造成前後の変化を確認する補助資料になります。
航空写真だけで土の厚さ、地盤の強度、擁壁の構造を判定することはできません。地形を読む作業と、安全性を確かめる調査を分けて進めます。

購入前に確認する資料
土地・住宅購入では、地図の結果を仲介会社へ伝え、次の資料の有無を確認します。資料が見つからない項目は、確認できた事実として扱わず、未確認のまま残してください。
- 造成時期と、造成に関する図面・許可等の資料。
- 敷地の切土・盛土の区分や地盤調査の資料。
- 擁壁の構造、所有者、点検・補修の記録。
- 雨水の排水経路、周辺斜面との位置関係。
- 自治体の安全性調査や対応に関する公表資料。
現地では、斜面との位置関係や、擁壁・排水設備の状態を確認します。ひび割れや水の流れが気になる場合も、外見だけで原因を決めず、自治体窓口や地盤・擁壁を扱う専門家に相談します。
盛土に加えて水害も調べたい場合は、過去の浸水履歴を調べる方法へ。住まい全体の確認項目は住まいの災害リスクチェックで整理できます。
地図は調査の入口です。自宅周辺に盛土があるかを調べ、資料の限界を確認し、判断に必要な情報を窓口や専門家へつなぐところまでが一連の確認になります。
出典の発表日時・対象地域・最新の案内を確認できます。
出典の発表日時・対象地域・最新の案内を確認できます。
参照元・公式情報
情報確認:2026年10月3日。発表・報道の時点は本文と各出典をご確認ください。
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