先に結論
- ✓ 気象庁が原因を発表した大きな外れは、「観測点の異常なデータ」「ほぼ同時の2つの地震」「震源の場所の誤り」の3つの型に分かれます
- ✓ 2009年・2013年・2020年は、原因の観測点を計算から外す、計算に使う範囲を700km以内に絞る、といった手直しが入りました
- ✓ 2026年10月16日の千島列島M9.9の速報は、約8分後に取り消され、原因は気象庁が調べています
主な誤報の一覧
| 日時 | 出た速報 | 実際 | 原因(気象庁) |
|---|---|---|---|
| 2009年8月25日 6時37分ごろ | 千葉・茨城・東京23区・神奈川東部・埼玉南部に警報 | 気象庁が誤報と発表 | 南房総市の観測点「千葉三芳」から異常な振幅のデータが届き、規模を大きく見積もった |
| 2013年8月8日 16時56分ごろ | 近畿を中心に、九州から関東まで警報 | 和歌山県北部でM2.3(体に感じない地震)。震度1以上の観測なし | 三重県南東沖の海底地震計のデータが、中継局の装置の故障で大きなノイズになり、揺れとして計算した |
| 2018年1月5日 11時02分ごろ | 関東地方と福島県に警報 | 茨城県沖のM4.4(最大震度3)と富山県西部のM3.9がほぼ同時に発生 | 2つの地震を1つの地震として処理した |
| 2020年7月30日 9時38分 | 房総半島南方沖でM7.3と推定し、関東・東海など15都県に警報 | 鳥島近海でM5.8。震度1以上の観測なし | 震源の場所を誤って推定し、800km以上離れた小笠原・母島の観測点のデータで規模を大きく見積もった |
| 2026年10月16日 12時40分ごろ | 千島列島でM9.9・最大震度7と予想し、北海道から東海まで警報 | カムチャツカ半島付近でM6.9、国内の最大震度1 | 調査中(10月16日時点) |
出典:気象庁の各回の報道発表と地震情報。2026年は共同通信などの報道と気象庁の地震情報。
揺れた瞬間に、部屋の中で起きることを減らすもの
地震のけがの3〜5割は、屋内の家具類の転倒・落下・移動によるものです(東京消防庁)。壁にネジを打てない部屋でもできる手から並べます。
東京消防庁の実験では、L型金具で壁に直接ネジ止めするのが最も効果が高いとされています。賃貸で壁に穴を開けられない部屋での代わりがこれです。家具の両端の側板部を、できるだけ奥で突っ張ります。天井側にも強度が要ります。
突っ張り棒だけだと効きが落ちます。同じ資料が、ポール式にはストッパー式や粘着マット式の併用をすすめています。マット単独でも効果は小さいので、上の棒と2つで1組と考えてください。
お湯でも水でも作れて、袋のままおにぎりの形になります。断水すると鍋も食器も洗えません。洗い物の出ない形を先に入れておくと、水の減り方が変わります。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
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外れ方の3つの型

1つ目は、地震ではない信号を揺れとして読んでしまう型です。2009年は観測点から異常な大きさのデータが届き、2013年は海底地震計のデータが中継局の装置の故障でノイズに化けました。2013年に実際に起きていたのは、人が感じないM2.3の地震だけでした。
2つ目は、ほぼ同じ時刻に別々の場所で起きた地震を、1つの大きな地震とみなしてしまう型です。2018年は、茨城県沖と富山県西部の地震が重なりました。
3つ目は、震源の場所を誤る型です。2020年は、鳥島近海の地震を房総半島の南の沖と推定し、遠く離れた観測点の揺れまで使って規模を計算したため、M5.8がM7.3になりました。気象庁は、陸の観測網から100km程度以上離れた海の地震は、震源と規模の誤差が大きくなりやすいと説明しています。
読者
こんなに外れるなら、もう信用しなくていいんじゃない?
外れた回は大きく報じられるので目立ちます。でも、外れたときの損は数分の空振りで済みます。本物だったときに頭を守るのが数秒遅れるほうが、ずっと大きな損です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
気象庁が直したこと
- 2009年:異常なデータを送った「千葉三芳」の観測点を、緊急地震速報に使うのをやめた
- 2013年:故障した中継局の装置を翌日に交換し、海底地震計5か所のデータを一時的に使わないようにした。ソフトの改修を終え、10月10日13時から利用を再開
- 2020年:規模の計算に使う観測点を、推定した震源から700km以内に限るようシステムを改修
2018年の例のように「2つの地震を1つとみなす」ことは、気象庁が「特性や限界」としていまも挙げている弱点です。1か所の地震計だけの揺れで誤った警報を出さないよう、警報は2か所以上で揺れを捉えたときに出すことになっています。
今回の取り消しと調べ方
2026年10月16日は、12時40分ごろに千島列島でM9.9・最大震度7と予想する警報が出て、12時48分ごろに取り消されました。実際にあったのは12時38分ごろのカムチャツカ半島付近の地震(M6.9)で、国内の最大震度は1でした。速報の震央とされた千島列島も、実際の震源のカムチャツカ半島付近も、陸の観測網から遠い海域です。ただし、今回の原因がどの型に当たるかは、気象庁はまだ説明していません。
速報が鳴ったのに揺れなかったときは、気象庁の「緊急地震速報の発表状況」のページで確かめられます。警報を出したすべての地震について、速報の中身が10〜30分ほどで載ります。速報が揺れの何秒前に届くのか、なぜ外れることがあるのかは、しくみの記事にまとめました。
出典
- 気象庁 報道発表(2009年8月25日)
- 気象庁「8月8日16時56分頃の緊急地震速報の過大な震度予想の原因と対処について」(2013年8月21日)
- 気象庁 海底地震計データの利用再開(2013年10月10日)
- 気象庁 1月5日11時02分頃の緊急地震速報について(2018年1月5日)
- 気象庁「7月30日9時38分の緊急地震速報(警報)について」(2020年8月7日)
- 気象庁「緊急地震速報の特性や限界、利用上の注意」
- 気象庁「緊急地震速報の発表状況」
写真はイメージです(Photo: Pexels)。
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