AI議事録で増える確認ごと
手書きのメモと違い、AI議事録は話した声そのものが残ります。声や発言は、誰の言葉か分かれば個人情報です。委員会の質問集は、録音から話者を見分けるためのデータを作った場合は、そのデータだけで個人情報になる、とも書いています。
会議を録音して文字にするなら、先に決めておきたいのは次の3点です。
- 目的:議事録づくりだけか、社内の共有や研修にも使うのか
- 保存:音声はいつ消すのか、文字だけ残すのか
- 外に出る範囲:AIツールの運営会社に音声が送られるのか、入力した内容が学習に使われるのか。ツールの規約で確認する
AIに入れた情報がどこへ行くかは、ChatGPTを仕事で使うときと同じ問題です。
仕事は「聞く」から「確かめる」へ
私は、AI議事録がいちばん変えるのは、議事録係の仕事だと見ています。聞き取って書く作業はAIが肩代わりし、人の仕事は「この発言は誰のどの立場のものか」「決まったことは何か」を確かめる側へ寄ります。そのぶん、録音と保存のルールを決める仕事が新しく生まれます。
AIが「聞く・記録する」までを受け持ち、決めるのは人に残るという線は、採用の現場でも引かれています。
AIに契約書を見せるときに法務省が引いた線はAI 契約書チェック 違法/法務省の新基準にまとめています。
よくある質問
Q. 参加者に黙って会議を録音するのは違法ですか。
A. 個人情報保護委員会は、顧客との通話の録音について、録音していることを伝える義務までは負わないとしています。ただし、利用目的の通知か公表は必要で、録音しないと偽って録音するような不正な取得は禁じられています。
Q. 会議の冒頭で言えば足りますか。
A. 目的を伝える方法として分かりやすい形です。「議事録の作成に使います」のように、使い道まで添えると、条文の求める内容に近づきます。
Q. 文字起こしだけ残して、音声を消せば個人情報ではなくなりますか。
A. 文字にしても、誰の発言か分かれば個人情報です。消すかどうかではなく、何に使うかと、誰に見せるかで考えます。
Q. この内容はいつ時点のものですか。
A. 2026年10月9日に確認した、個人情報保護委員会の質問集(Q1-10・Q1-11)と、e-Gov法令検索の個人情報保護法の条文にもとづきます。
生活・仕事にどう効くか
- 会議の主催者:録音の事実より、使い道を先に伝える。冒頭の一言で足りる場面が多い。
- 参加者:録音されると分かったら、使い道と保存期間を尋ねてよい。
- 会社のルール:目的・保存期間・AIツールに音声が送られる範囲を、先に決めておく。
結局どうすればよいか
- 会議の冒頭で「議事録の作成に使います」と目的を添えて録音を伝える
- 録音の保存期間と、文字起こしを共有する範囲を決めておく
- AIツールの規約で、音声や文字が学習に使われるか確かめる
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 個人情報保護委員会 FAQ Q1-10(通話内容の録音と個人情報)(2022年4月1日発表)
- 個人情報保護委員会 FAQ Q1-11(特定の個人を識別できない録音記録)(2022年4月1日発表)
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」第20条・第21条(2026年10月9日発表)
更新履歴
- 2026年10月9日 初版を公開
※本記事は2026年10月9日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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