目録に載らない文書がある
制度のなかで、いちばん見落とされやすいのがここです。保存期間を1年未満と設定した文書ファイルは、行政文書ファイル管理簿への記載が除外されます。
管理簿は、どんな文書が存在するかを外から知るための目録です。そこに載らないということは、請求する側は名称も分量も分からないまま探すことになります。存在を知らないものを名指しで請求するのは、かなり難しい作業です。
私はこの1年未満という区分が、情報公開制度のなかでいちばん効いている部分だと見ています。不開示の6つの類型は理由が示されて争う余地がありますが、管理簿に載らない文書は、争う手前で見えなくなるからです。
開示されない中身は6種類
文書が存在していても、中身がすべて出るわけではありません。総務省は開示請求の対象にならない情報として、次の6つを挙げています。
| 区分 | 中身 |
|---|---|
| 個人情報 | 氏名・住所などプライバシーにかかわるもの |
| 法人情報 | 経営や営業の秘密 |
| 国防・外交 | 国の安全や他国との信頼関係に支障が出るもの |
| 行政運営情報 | 意思決定の過程にある内部の情報 |
| 審議会情報 | 意見が対立している段階の事前の情報 |
| 適正な行政 | 捜査や監査に支障をきたすもの |
該当する部分は黒く塗られて出てきます。全部が不開示になるわけではなく、塗られた範囲に納得できなければ審査請求ができます。
住まいの調べものにも同じ話が効きます
役所に過去の資料を求める場面は、行政の監視だけではありません。土地の造成がいつ行われたか、そこが以前は何だったか、道路の位置がいつ決まったか。住まいを調べるときにも、記録をさかのぼる必要が出てきます。
ここでも原則は同じで、古い話ほど残っていません。数十年前の経緯を知りたい場合、行政文書として残っているかどうかは運の要素が入ります。地形や過去の土地利用のように、地図や標高のデータから読めることもあるので、記録が出てこなかったときは調べ方を切り替えるほうが早いこともあります。
生活・仕事にどう効くか
- 古い記録ほど残っていない:保存期間が満了した行政文書は移管か廃棄。廃棄されていれば請求しても出てこない。
- 1年未満の文書は目録に載らない:保存期間1年未満と設定された文書ファイルは、行政文書ファイル管理簿への記載が除外される。
- 廃棄は勝手にはできない:廃棄するには、あらかじめ内閣総理大臣に協議して同意を得る必要がある。
結局どうすればよいか
- 調べたい記録があるなら、保存期間が切れる前に請求する。古い話ほど残っていない
- 「不存在」で返ってきたら、廃棄されたのか、そもそも作られていないのかを窓口で確認する
- 行政文書ファイル管理簿を先に見て、名称と保存期間を特定してから請求する
公式出典
- 内閣府 公文書管理制度「行政文書の管理」(2026年9月13日発表)
- 総務省 情報公開制度「開示請求できる文書・できない文書」(2026年9月13日発表)
更新履歴
- 2026年9月13日 初版を公開。制度の内容は内閣府・総務省の公表資料による。
※本記事は2026年9月13日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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