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ゲッティイメージズ 破産/非上場化、事業は継続

🗨️「ゲッティイメージズが破産すると聞きました。会社はなくなるのですか。写真は使えなくなりますか。」

Getty Images(ゲッティイメージズ)は10月12日(米国時間)、米連邦破産法11条の適用を数週間以内に申請すると発表しました。会社をたたむ手続きではなく再建の手続きで、事業は通常どおり続け、写真家や顧客、従業員への影響は想定していないと説明しています。再建後は、出資者(ゲッティ家側とコーク社の投資部門側)が全株を持つ非上場の会社になる計画です。

[国際] この記事の要点

発表日・更新日

2026年10月14日 発表

影響を受ける人
  • ゲッティイメージズやiStock(アイストック)の画像を購入・契約している人
  • ゲッティイメージズに写真や映像を提供している写真家・映像作家
目次

会社の発表と、未発表のこと

会社の発表文と、SEC(米証券取引委員会)に出された書類(債権者や支配株主と結んだ再建支援の合意書を含む)で確かめた内容です。発表文は米国時間の10月12日付で、日本の報道は共同通信が「13日までに」、TBSが「12日」と書いています。数字は再建計画の案で、裁判所の認可を受けた結果ではありません。

項目会社の発表・提出書類書かれていないこと
申請の時期発表文は、数週間のうちに申請すると説明。合意書には、遅くとも10月21日までに債権者の賛否の取りまとめと申請を始める期限がある(裁判所の都合や、合意した債権者らの同意で延長できる)実際の申請日と、申請先の裁判所
手続きの形申請の前に債権者の賛成を集めておく「事前調整型」。必要な多数の債権者が賛成に回る約束を済ませた。申請は米国の一部の関連会社に限る日本の事業や日本法人の扱い
事業の継続通常どおり続ける。取引先への支払いは通常の期日に全額―
写真家・顧客・従業員影響は想定していないと説明。計画案は、一般の無担保債権を、全額現金払いなどで権利を変えない扱いにする個々の写真家の未払い残高や契約がこの区分に入るか。購入済みライセンスの扱い
再建の完了年内の見込み。合意書は、申請から55日以内の計画の認可、75日以内の完了を求める裁判所が認可するかどうか
非上場化完了後は非上場。出資者が新会社の株式の100%を持つ。現在の株式は消却され、株主への分配はない―
支援する投資家ゲッティ家の関連会社と、米コーク社の投資部門(コーク・エクイティ・ディベロップメント)が、最大5億3,300万ドルの出資を約束。手続き中の資金は、コーク側の最大1億4,300万ドルの融資と、営業で得る現金で賄う。5億3,300万ドルには、つなぎ融資と、約1億ドルの既存債務の株式化が含まれる両者の出資割合(発表は合計額)
債務の総額発表文に総額の記載はない。貸し手向け資料には、2026年6月末の総債務が約20億7,000万ドルとある再建後に残る債務の総額
債務の整理無担保の社債(元本2億7,000万ドル)は、現金約1億7,000万ドルで消滅させる。担保付き債務の貸し手の約89%は、金利の引き下げと返済期限の延長に同意―

ゲッティイメージズの事業

ゲッティイメージズは、写真や映像を集めて、企業や報道機関に販売・提供する会社です。会社の説明では、ゲッティイメージズ、iStock(アイストック)、Unsplash(アンスプラッシュ)の3つのブランドで、ほぼ全ての国の顧客に素材を届けています。60万人超の制作者と360超の提携先から素材を集め、報道・スポーツ・娯楽のイベントを年に16万件超取材するといいます。

貸し手向け資料によると、2025年の売上は約9億8,100万ドルです。米紙シアトル・タイムズは、報道・スポーツ・娯楽などの編集向け部門が昨年の売上の約38%を占めると報じています。共同通信は、報道写真と動画ではロイター通信やAP(エーピー)通信と競合関係にあると伝えています。

白い台に置かれた、街並みが写る35ミリフィルムのネガ
フィルムのネガのイメージです。ゲッティイメージズの写真ではありません(写真はイメージ)(写真: Ron Lach(ロン・ラック)/ Pexels)

破産法11条と民事再生法の違い

共同通信とTBSは、米連邦破産法11条を日本の民事再生法に相当する制度と説明しています。日本の破産法は財産の清算を目的にした手続きなので、見出しの「破産」と、実際に申請する手続きは分けて読む必要があります。

制度目的(条文・公式説明)手続き中の経営
米連邦破産法11条米連邦裁判所の説明では、再建のための手続き。債務者が計画案を出し、事業を続けながら債権者に時間をかけて支払う通常は債務者が資産の占有を続け、事業を続ける
民事再生法第1条 債権者の多数の同意と裁判所の認可を受けた再生計画で、債務者の事業や経済生活の再生を図る第38条第1項 再生債務者は、開始後も業務を遂行し、財産を管理・処分する権利を持つ
会社更生法第1条 窮境にある株式会社の事業の維持更生を図る第72条第1項 事業の経営と財産の管理・処分の権利は、裁判所が選んだ管財人に専属する
破産法第1条 支払不能・債務超過の債務者の財産を清算する―

経営を誰が担うかという点では、米国の11条は通常、民事再生法に近く、会社更生法とは違います。ただし、制度全体が同じという意味ではありません。日本で民事再生を申請した具体例は、多田神社 民事再生/近畿で初の神社倒産ですで整理しています。

なぜ申請するのか

会社の発表と報道で、挙げている理由が違います。優劣は付けず、出どころ別に並べます。

出どころ書いてあること
会社の発表文財務の土台を強くして成長を支えること、事業に関係しない法的負債に対処することが目的。AI画像との競争を理由に挙げる文はない
会社の貸し手向け資料現金と未使用の借入枠の合計は、2024年末の2億7,100万ドルから2026年6月末の8,200万ドルに減った。主な要因は、債務の返済負担2億5,800万ドル、シャッターストックとの合併関連1億800万ドル、ワラント(株式の引受権)をめぐる訴訟の支払い8,100万ドル(保険金などを引いた額)、スタビリティAI(Stability AI)との訴訟の費用1,700万ドル。AI向けのデータ提供は、2025年の売上の約4.4%
共同通信AI生成画像との競争が激しくなる懸念がある中で、多額の負債が経営を圧迫したと伝えた
TBSAI画像の普及などが経営悪化につながったとみられる、と伝えた
米紙シアトル・タイムズAIは画像を買う顧客に不透明さをもたらしているが、今回の財務悪化の主因ではないと報道。米格付け会社のアナリストの見方として、主な悪材料は債務と訴訟の支払いだとした

会社の資料と米紙は債務と訴訟、合併の費用を挙げ、共同通信とTBSはAIの影響を前面に出しています。AIが申請の理由かどうかは、会社の発表からは確認できません。

シャッターストックとの合併計画は、英国の競争当局が出した条件(シャッターストックの編集事業の売却)を会社が受け入れず、7月7日に契約を解除して終わりました。その後も、9月1日払いの社債の利払いを猶予期間に回して9月30日に支払い、9月29日にはニューヨーク証券取引所が上場廃止の手続きを始めるなど、資金面の動きが続いていました。

※アイキャッチは複数のカメラとレンズのイメージ写真で、ゲッティイメージズの写真ではありません。写真:ダン・クリスティアン・パドゥレツ(Dan Cristian Pădureț)/ Pexels(ペクセルズ)。

生活・仕事にどう効くか

  • ゲッティイメージズやiStockの画像を使っている人:会社は、顧客への影響は想定していないと説明しています。購入済みのライセンスや契約中のサービスの扱いを個別に述べた発表は、確認できませんでした。
  • ゲッティイメージズに写真や映像を提供している人:会社は、提供者への影響は想定していないと説明しています。SEC提出の再建計画案では、一般の無担保債権は全額現金払いなどで権利を変えない扱いですが、個々の未払い残高や契約がこの区分に入るかは書かれていません。計画案は、裁判所の認可を受けるまで確定しません。

結局どうすればよいか

  • 画像を購入・契約している人は、契約先の会社名と、ゲッティイメージズの広報ページ(newsroom.gettyimages.com)の発表を確かめる
  • 写真や映像を提供している人は、契約書・支払い明細・未払い残高の記録を手元に残し、会社と裁判所からの公式の通知を待つ(米国メディア写真家協会も同様の備えを呼びかけています)
  • 申請日と裁判所の動きは、会社の広報ページと、米証券取引委員会(SEC)の提出書類で確かめる

あわせて読む・調べる

くわしく知る(保存版の記事)

公式出典

更新履歴

  • 2026年10月14日 初版を公開

※本記事は2026年10月14日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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