「筑前」「肥後」「豊後」…九州の旧国名9つ、「前」「後」の分け方と由来がわかる話
今回もあるある雑学編です。九州にはかつて筑前・筑後・豊前・豊後・肥前・肥後・日向・薩摩・大隅という9つの令制国がありました。「九州」という呼び名自体も、この9つの国に由来しています。
1. 「前」「後」は都からの距離で決まっていた
筑前と筑後、豊前と豊後、肥前と肥後——九州には「前」と「後」がペアになった国名が3組あります。この「前」「後」の区分けは、都と地方を結ぶ重要な街道に沿って、都に近い方を「前」、遠い方を「後」とする基本ルールに基づいています。
古代、九州北部一帯は「筑紫(つくし)」と総称されており、大化の改新によって筑前・筑後の2国に分けられました。「筑紫」という名前自体は、大宰府へ向かう古道が石畳造りだったことに由来する「築石(ちくいし)」から来ているという説があります。国境には実際に境石が置かれ、北側が筑前、南側が筑後とされました。
2. 「豊国」は穀倉地帯、「肥国」は阿蘇の火に由来
豊前・豊後のもとになった「豊国(とよのくに)」は、文字通り「豊かな国」を意味します。九州北部から東部にかけては古くから稲作が盛んで、朝廷にとって重要な穀倉地帯だったことから、この字が使われたと考えられています。
一方、肥前・肥後のもとになった「肥国(ひのくに)」は「火の国」を意味し、その名は熊本県の阿蘇山の火山活動に由来するとされています。現在も熊本県が「火の国」の愛称で呼ばれるのは、この古い国名の記憶が受け継がれているためです。
| 旧国名 | 現在のおおよその範囲 |
|---|---|
| 筑前・筑後 | 福岡県北部・南部 |
| 豊前・豊後 | 福岡県東部〜大分県 |
| 肥前・肥後 | 佐賀・長崎県、熊本県 |
| 日向・薩摩・大隅 | 宮崎県、鹿児島県西部・東部 |
3. 「九州」の呼び名も旧国名から生まれた
現在の九州地方は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県ですが、「九州」という呼び名は、かつてこの地に9つの国(筑前・筑後・豊前・豊後・肥前・肥後・日向・薩摩・大隅)があったことに由来しています。県の数と国の数が一致しないのは、廃藩置県後の統廃合で県境が旧国境とは異なる形に再編されたためです。
「肥後守(ひごのかみ)」という小刀の名前や「筑前煮」という郷土料理の名前も、もとをたどれば律令時代の国名にたどり着きます。日常に溶け込んだ言葉の中に、1000年以上前の行政区分の記憶が今も生きているのです。
旧国名の歴史を知ったうえで、実際の土地探しでは公的なデータもあわせて確認しましょう。災害リスク診断やエリア別 不動産相場もあわせてご活用ください。
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まとめ
1. 九州にはかつて筑前・筑後・豊前・豊後・肥前・肥後・日向・薩摩・大隅の9つの令制国があり、「九州」の呼び名の由来になっている
2. 「前」「後」は都からの街道の距離で決まり、「豊国」は豊かな穀倉地帯、「肥国」は阿蘇の火山活動に由来する
3. 旧国名は今も「肥後守」「筑前煮」といった言葉や県の愛称に残り、日常の中に歴史が息づいている
何気なく使っている言葉の由来をたどると、九州の成り立ちがぐっと身近に感じられます。旧国名を意識しながら、九州各地の街を歩いてみるのもおすすめです。


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