「輪中」ってなに?木曽三川がつくった濃尾平野と、水屋に込められた水害への知恵
岐阜県南西部から愛知県北西部・三重県北部にかけて広がる濃尾平野には、「輪中(わじゅう)」と呼ばれる独特の集落形態があります。今回はこの輪中の成り立ちと、先人たちが積み重ねてきた水害対策の知恵を紹介します。
1. 木曽三川が形づくった濃尾平野
濃尾平野を流れる木曽川・長良川・揖斐川の3つの川は、まとめて「木曽三川」と呼ばれています。平野部ではこの3つの川がかつて一つの川のように乱流しており、洪水のたびに互いに影響し合って水害を起こしたり、流路を変えたりを繰り返してきました。
こうした複雑な河川環境の中で暮らすため、この地域の人々は堤防で周囲をぐるりと囲んだ「人工の島」のような集落を築きました。これが「輪中」です。輪中を単位とした水防共同体が発達し、地域ぐるみで水害に備える仕組みが古くから根付いていました。
2. 「水屋」という、もしもの時のための高床の家
輪中地域の農家には「水屋(みずや)」と呼ばれる、母屋よりも一段高く土を盛った場所に建てられた建物が残っています。堤防が決壊し、輪中の内側まで浸水してしまった場合の避難場所として使われた建物で、食料や生活用品を備蓄しておく役割も兼ねていました。この他にも、命を守るための土盛り「助命壇(じょめいだん)」や、水はけの悪い低湿地でも農業を続けるための「堀田(ほりた)」など、輪中特有の景観が各地に形成されました。
江戸中期の1754〜1755年(宝暦4〜5年)には、薩摩藩士が動員された「宝暦治水」が行われ、明治時代にはオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケの計画による木曽三川分流工事(1887〜1912年)が実施されるなど、この地域の治水は江戸時代から明治にかけて何度も大規模な工事が重ねられてきました。
| 輪中の要素 | 役割 |
|---|---|
| 輪中堤 | 集落・農地を丸ごと囲む堤防 |
| 水屋 | 浸水時の避難場所兼備蓄倉庫 |
| 助命壇 | 命を守るための土盛り |
3. 治水の進んだ現在も、土地の記憶として残る
明治以降の分流工事や堤防の近代化によって、木曽三川流域の水害リスクはかつてに比べて大きく低減しています。しかし輪中集落だった土地は、周辺よりも低い低湿地であることが多く、地域の成り立ちとして知っておく価値があります。今も水屋の一部は文化財として保存され、木曽三川公園センターなどで見学することができます。
4. 現在の浸水リスクは公的なハザードマップで確認できる
木曽三川流域を含め、今の浸水想定区域や内水氾濫のリスクは、国土交通省や自治体のハザードマップで確認できます。輪中という歴史的な土地の成り立ちを知ったうえで、最新の治水状況もあわせてチェックしておくと安心です。
浸水時の備えとして、携帯トイレや飲料水の備蓄も見直しておきましょう。非常食セット(7日分・アレルギー対応)のような備蓄があると安心です。
災害リスク診断では、住所を入力するだけで洪水・土砂災害・地震などのリスクをまとめて確認できます。
このシリーズの他の記事もあわせてどうぞ。
👉 「新田」がつく地名は要注意?岡山・児島湾干拓の歴史からみる、干拓地の水害リスクと備え方
👉 「お台場」「豊洲」は本当に大丈夫?東京湾埋立地の歴史と、2011年に起きた液状化の記録
まとめ
1. 濃尾平野は木曽川・長良川・揖斐川の「木曽三川」がつくった土地で、洪水対策として「輪中」という集落形態が発達した
2. 輪中の農家には「水屋」という浸水時の避難場所兼備蓄倉庫が備えられ、宝暦治水や明治の分流工事など大規模な治水事業が重ねられてきた
3. 治水が進んだ現在も、輪中だった土地は周辺より低い低湿地であることが多く、公的なハザードマップで最新の浸水リスクを確認しておくことが大切
先人たちが築いた輪中の知恵は、今も水屋などの形で残っています。木曽三川流域を訪れる際は、こうした歴史的な工夫にも目を向けてみてください。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。


コメント