「賃貸だから家具は固定できない」と諦める必要はありません。壁に穴を開けずにできる転倒対策があります。まず寝床と出入口を守る配置へ変え、使える家具には突っ張り棒とストッパーなどを組み合わせます。器具は天井と家具の条件を確かめて選ぶことが前提です。
まず置き場所を変える

家具を固定する前に、倒れたときに寝ている人へ届くか、ドアや廊下をふさぐかを確かめます。ベッドの横に背の高い棚を置くなら、向きや距離を見直します。重い物は棚の下の段へ移します。
例えば、棚の高さより近い位置に枕があるなら、棚が倒れたときに頭側へ届くかもしれません。棚を動かせないときは、ベッドや布団の位置を変える方法もあります。玄関までの通路では、倒れた棚がドアを押さえ込まないか確認します。
東京消防庁のハンドブックも、安全な家具配置と家の安全スペースを対策の一つに挙げています。器具を付けられない家具ほど、置く場所を変える効果が大切になります。
家の中の家具を固定する用品
ポール式を使う場合は、天井の強度と家具の形状を先に確認し、足元のマットなどを組み合わせます。製品の対応寸法も確かめてください。
東京消防庁の実験では、L型金具で壁に直接ネジ止めするのが最も効果が高いとされています。賃貸で壁に穴を開けられない部屋での代わりがこれです。家具の両端の側板部を、できるだけ奥で突っ張ります。天井側にも強度が要ります。
突っ張り棒だけだと効きが落ちます。同じ資料が、ポール式にはストッパー式や粘着マット式の併用をすすめています。マット単独でも効果は小さいので、上の棒と2つで1組と考えてください。
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穴を開けない固定方法

東京消防庁は、ネジで固定するL字金具を効果の高い方法として示す一方、穴を開けられない場合にポール式器具とストッパー式器具などを組み合わせる方法を紹介しています。自宅の家具転倒対策で方法を確認できます。
突っ張り棒は家具の両端にある側板の上、壁に近い側へ設置します。足元のストッパーは家具の前側に置きます。製品ごとの寸法や取付方向を守り、固定後にぐらつきがないか点検します。
ポールを家具の天板の真ん中に置くと、力を受ける位置がずれて天板が変形するおそれがあります。側板の真上に置く理由は、家具の縦方向の骨組みへ力を伝えるためです。天井側も、押したときにたわむ面には取り付けないでください。
足元のマットやストッパーは製品により貼る位置、必要な長さ、使える床材が異なります。畳や毛足の長いカーペットなど、接地が安定しない床には使えない製品もあります。購入前に説明書の適用条件を読んでください。
天井が弱い、家具と天井の隙間が大きい、家具が浅い場合などは、突っ張り棒が適さないことがあります。石こうボードや天井の仕上げだけを見て強度を決めず、管理会社にも確認してください。
家電と棚の中も点検
本棚だけでなく、テレビや冷蔵庫、電子レンジも転倒・移動・落下の対策が必要です。冷蔵庫やテレビは形状に合う器具を選びます。棚の扉が開いて中身が落ちないよう、開放防止器具や滑り止めも検討します。
背の高い食器棚では、棚そのものの転倒と、扉が開いて食器が飛び出すことを分けて考えます。テレビ台が動けば、テレビだけを固定していても一緒に移動しかねません。家具本体、上に載せた物、扉の中身を順に見ていくと見落としを減らせます。
器具を一つ買って終わりにはせず、設置面と家具の重量に合うかを確認します。東京消防庁の家庭用家具・家電の対策図で、家具の種類ごとに設置方法を見られます。
賃貸で確認する順番
①寝床と出入口から家具を離す。②家具と天井・床の状態を確かめる。③使える器具を組み合わせる。④設置後にぐらつきと避難経路を点検する。この順なら、壁に穴を開けられない部屋でも着手できます。
壁にネジを使う工事を検討する場合は、賃貸契約と管理会社の許可を確認します。無断で穴を開ける前に、設置可否と原状回復の条件を聞いてください。
マンションの高層階では家具が長く揺れ、移動することもあります。長周期地震動と高層階の揺れを合わせて確認してください。
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